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イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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他人の大船でなく、自作の小舟で人生の航海に出よう!!

ウェールズ、レアな偉人伝 使える歴史 歴史上人物

前回の内容で「自分をしっかり生きる!」ということがとても大切で、自分の道をしっかり歩んだ中世イギリスの隠れた探検家の名前を挙げました。

変わらなくてもいいんだ!変わりたがっていた自分を変えてみる! - イギリス好きが歴史を語る!(ウェールズ歴史研究会)

 

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その探検家の名前は、プリンス・マドック。

(本名、マドック・アブ・オウァイン・グウィネズ

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 ●ちょっとマドックの話に入る前に質問です。1492年にクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見したと習いましたが本当でしょうか?

 

実はコロンブスがアメリカ大陸に到着した時代より前に、ヴァイキングが持ち込んだとされる鉄釘を発見されており、現在ではコロンブスが西洋人としてはじめて新大陸を発見したという説は覆っています。

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 部下:えっ、そうなんですか?

課長:世の中、常識や当たり前と考えている事がそうでは無いかもしれない。

部下:太陽が地球を回ると考えることが、昔は常識だったけど、本当は地球が太陽を回っているとか

課長:なぜ定説になっているのか?定説ではない真実があったとするとなぜ定説になっていないか?考えることが大事と思うな。

部下:パソコンでキーをたたけば文字が画面に出るのは当たり前と思っているけど、その理由でしょうか?

課長:ちょっと飛躍したけど、まっそんな感じかな。話を戻すと、なぜコロンブスが有名になったかというと、俺の想像ではコロンブスのアメリカ上陸を境にして白人がアメリカ大陸に多く移住を始め、先住民族を殺しアメリカ大陸を占領し始めたからではないか?と思うな。またそれ以前にアメリカに移住した人がいたかもしれないけど記録には残っておらず、コロンブスが初めて公式にアメリカ大陸に上陸したのかもしれない。

部下:じゃあ、コロンブスより先にアメリカ大陸に住んだ人いるのなら、知りたくなりますね。

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課長:その話を紹介しよう。1000年にヴァイキングのレイフ・エリクソンがアメリカ大陸に上陸したという伝説があるんだ。エリクソンはアメリカの北西部に上陸しその地をヴィンランドと呼んで移住しようとしたが、原住民の抵抗に会い撤退せざるを得なかったようだ。

部下:へえ、他にもいるんですか?

課長:1170年にウェールズのプリンス・マドックがアメリカ大陸に移住したという伝説があるんだ。このマドックが初めてイギリスからアメリカに移住した男の可能性があるんだよ。

部下:とても興味深いですね。

課長:マドックは複雑な境遇に巻き込まれて思い切った決断をせざるを得なくなり、それが彼の人生を大きくプラスに変えたんだよ。

 

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マドックはグウィネズの偉大な大王、オウァイン・グウィネズの息子として生まれましたが、母親は正式な妻ではないため私生児として母の国アイルランド育ちました。オワァインには正妻を始め側室やその他の子供が13人以上がおり、ウェールズの法律では私生児を含む全ての子供に財産を当分に分けると決められていました。つまり、マドック父の財産の一部を相続する権利を持っていました。

 

部下:そうすると、子供が多いと財産の取り分も少なくなってしまいますね。

課長:良いところに気が付いたね。王の座の相続は男のヒウェルと決まっていましたが、欲が深い兄弟のダヴィッズが反逆し兄弟間で相続争いが起きてしまいました。

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マドックは自分の取り分を守ることも考えましたが、争いに巻き込まれるのを避け相続を放棄しウェールズの地も離れる大きな決断しました。

課長:その決断とは!!!

 

「そうだ!海に出よう!!」

 

マドックは子供のころから母親の故郷アイルランドで暮らしており、航海と船の作り方について慣れ親しんでいました。そこで、「そうだ!海に出よう!」と弟と帯同する100名の人々と共に航海に出ました。ひょっとすると、兄弟の刺客から逃れるため、危険を察知しての脱出だったかもしれません。

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マドックは航海の末アメリカ大陸に上陸しました。1170年にアラバマ州のモービルと呼ばれる地に降り立ったと言われています。イギリスと比べ温暖な気候で多くの作物が育っている地にすっかり魅了されたマドックは、アメリカに住む事を決めました

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課長:マドックはそれでは終わりませんでした!!

これは素晴らしいところだ!こんな素晴らしい所、もっと多くの人々と住もう!ということで、 一度ウェールズにもどり(恐る恐るだったかもしれませんね)多くの人々をひきつれて移住し、メキシコ湾の各地点やミシシッピ川の河口に多くの集落を作ったと言われています。

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マドックはその他ニューファンドランド、ニューポート、ヴァージニア、カリブ海に面した南アメリカ、パナマ・・・・多くの土地に上陸したと言われています。

 

課長:得意な船を操り、好奇心たっぷりに色々な所を冒険し回ったのかもしれませんね。

部下:マドックはとても楽しい人生を送ったようですね。うらやましいなあ~

課長:これも、グウィネズを離れて航海に出よう!と決断したことが、人生を大逆転させた大きな要因ですね。

部下:もし、ウェールズの相続に拘っていたらどうなったんでしょうね

課長:欲深きダヴィッズは兄弟をことごとく捕らえるか殺すなどして、グウィネズを我が物に独占してしまったんだよ。またダヴィッズ自身も後年に、恨みを持った甥たちに追い出される運命になってしまいました。

部下:うああっ、マドックは相続を放棄してアメリカに移住していて良かったですね。

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部下:マドックがアメリカに移住した証拠などは残っているんですか?

課長:残念ながら記録としては残っていないようだよ。そのためか、史実として残されているコロンブスがアメリカ大陸を発見したことになっているのかもしれません。

部下:何かさみしいですね~

課長:マドックの名残は残されているようだよ。例えばカナダのオンタリオ州にあるマドック、ウェールズにあるポースマドックが地名としてマドックの名が残ってるよ。また青い目と金髪をしたウェリッシュ・インディアンと呼ばれる移住者とインディアンとの混血子孫と思われる人々がおり、ウェールズ語を話したりウェールズと同じ船を持っていたりしたそうだよ。

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部下:コロンブスがアメリカ大陸を発見した!という定説の裏に隠された、マドックのアメリカ移住の伝説とても面白かったです。マドックの様に目先の欲にとらわれず、たとえ失うものが大きくとも自分の得意な事や信じる事を僕もやりたいなあと思いました。

課長:今回の格言を作ってみたよ。

「他人の大船でなく、自作の小舟で人生の航海に出よう!!」 

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◎最後のおまけに年号の覚え方だ。

エリクソンがアメリカに上陸して言った言葉は「天!(天国)」:1000年

マドックがアメリカに上陸して言った言葉は「いいなあ~」:1170年

コロンブスがアメリカに上陸して言った言葉は「いよっ、国」:1492年

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。また次回をお楽しみに!

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