イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

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ロンドンの語源を探せ イギリス地名に残るケルト語の秘密

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f:id:t-akr125:20161204125616p:plain(17.9.13更新)
こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。ロンドン(London)の語源はご存知ですか? ロンドンはかなり古い都市で、今から2000年前に作られたと言われています。

 

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ロンドンは英語じゃないの? 

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今から2000年前のイギリスにはまだ英語は全くなかったんですよ。

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じゃあ、ロンドンは何語なんですか?

 

イギリスの簡単な歴史背景

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中世頃までのイギリスの歴史を簡単に説明しよう。紀元前数世紀に大陸に住むケルト系民族がグレートブリテン島に移住し、一帯に住むようになったんだ。彼らの事をブリトン人と呼ぶんだ。このブリトン人は、現在のウェールズ人の祖先になるんだ。

紀元1世紀になると、ブリトン人はローマ帝国の支配を受け、5世紀以降はアングロサクソン人、11世紀からはノルマン人等の侵略を受けるんだ。

アングロサクソン人の侵略拡大により、彼らの言語である英語がグレートブリテン島では広く話されるようになるんだ。ウェールズイングランドに併合された16世紀以降、ウェールズにおいても公用語は英語になったんだ。(現在のウェールズでは、英語とウェールズ語公用語です)

 

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この歴史を振り返ると、英語は先住民の言葉である古代のケルト語(古ウェールズ語)を多く取り入れているのでは?と考えられるけど、実際は殆どケルト語は英語に取り入れられていないようなんだ。

 

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ケルト語やウェールズ語は、ウェールズ以外のイギリスには残されていないの?

 

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実は地名に古代のケルト語(古ウェールズ語)が残されているんだ。ロンドンもその一つさ。ケルト語が語源となっている、イギリス各地の地名について紹介しよう。

ウェールズ人の先祖ブリトン人の言葉を、古代のケルト語や古ウェールズ語と書きましたが、ここでは統一してケルト語と標記いたします。 

ロンドンの語源を探せ!

 

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イギリスと言えばロンドン。まずロンドンの語源を見てみよう。グレートブリテン島ローマ帝国支配下にあった121年に、現在のロンドン付近にLondinium(ロンディニウム)の表記があったんだ。

 

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ワタルさん、これがケルト語なんですか?

 

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そうだよ、アサオくん。ケルト語で「沼地の砦」意味と言われているよ。それ以外の説では、紀元前1世紀にローマ軍のカエサルと戦った伝説のLud王が、占領した街につけられた名前という説もあるんだ。最初はKaerludと呼ばれ、Kearは恐らくCaerのことでケルト語は要塞という意味なんだよ。

 

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その説では、「ラッド王の要塞」という意味になるんですね。

 

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現在のウェールズの地名を見ていると、ローマ支配時代の名残が残っており、要塞という意味のCaerが付く地名が多くあるんだ。たとえばカーディフウェールズ語ではCaerdydd、カナーヴォンはウェールズ語でCaernarfonで、何れもローマ時代から要塞がある場所なんだよ。 

 

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なるほど面白いですね。

 

  

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他にもロンドンの由来はあるぞ。ケルト語のLowonidaが語源という説もあるんだ。

 

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ワタルさん、どんな意味ですか?

 

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ワタルには幅が広すぎる川という意味だ。

 

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テムズ川の事ですね。

 

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ワタルの心の幅は広いんだよ。さらに、テムズ川に沿って歩いていると、気持ちよさが心に染みワタルよなあ~。

 

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ええっと、テムズはケルト語が語源で「暗い」という意味だそうですよ。

 

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・・・・

 

ケルト語と古英語が混ざった街

 

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気を取り直して、次はシェークスピアの生家がある街として有名なストラットフォード・アポン・エイヴォンについてだ。
(Stradford-Upon-Avon)

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とってもきれいな所ですね~

 

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この名前はある部分だけがケルト語なんだよ。どの部分か分かるかい?

 

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ん~アポンかな~

 

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残念。答えはエイヴォンだよ。Stratは通り、fordは浅瀬という意味の古英語、Avonは川という意味のケルト語で、エイヴォン川の浅瀬を渡るローマの道という意味なんだ。

 

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川というケルト語が、エイヴォンという川の名前になったのですね。

 

村といえばこう呼んだ(エジンバラ

 

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他にもケルト語と英語が混ざった地名は多くみられるんだ。例えばエジンバラEdinburgh)はエディン(Eidyn)というケルト語の地名と、burghの村という意味の古英語が組み合わさってできた地名なんだ。

 

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じゃあエディン村という意味ですね。

 

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そんな感じだ。ケルト語ではないけどburghはburyという形にもなっており、ストーンヘンジがあるソールズベリー(Salisbury)やカンタベリー(Canterbury)などがあるよ。

そうそう、カンタベリーはケント(Kent)にあってケントとベリーが組み合わさっているんだ家けど、ケントはケルト語で国境という意味なんだ。つまり、カンタベリーは国境村という訳だ。

 

その他の地名 

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ケルト語ではないけれど、地名を見ると街の様子が分かる名前がはいっている場合が幾つかありますよ。

・-chester(○○チェスター)
これはラテン語で砦(castra)から来ていて砦がある街という意味になります。チェスター、マンチェスターグロスター、などが挙げられます。

・-ham(〇〇ハム)
これは古英語で村という意味だ。先ほど出てきたburghやburyより狭い範囲を示します。バーミンガムノッティンガムなどが挙げられます。

 

もっといろんな地名の由来を知りたい方はこちらの外部ブログをご覧ください。

i-ADNES * J: イギリス地名の由来

 

まとめ

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ちなみにロンドンは現在のウェールズ語で「Llundain」と言い、Lud王の要塞という意味のKaerludが変化してKaerlundeinとなりKaerが取れたLundeinにとても良く似ています。

地名の語源を知ると、その街がどんな環境であったのか、どんな地理であったのかが良く分かりますし、自然環境を意識しながら共に暮らしていたことが伺えますね。

地名から人々の様子を思い描くことはとて興味深く、自分の周りの地名にも目を向けてみたいと思いました。

 

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 最後まで読んでくださり有難うございます。

 

 

 

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