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イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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ヴィンランド・サガに描かれたウェールズ小王国群の謎に迫る!

イギリスの歴史 ウェールズの歴史 ヴィンランド・サガ

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こんにちは、たなかあきらです。

今回はヴィンランド・サガに書かれたウェールズ小王国群について、どんな小国群だったのか?なぜ小国群だったのか?うんちくを語ります。

 

 

漫画に描かれた小王国群のウェールズ

 

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最近僕は漫画のヴィンランド・サガにハマっているんだ。

 

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ヴィンランド・サガ!僕も好きです~ワタル課長はどんな点が好きですか?

 

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僕がヴィンランド・サガを好きになった理由は、
・中世ヨーロッパの歴史を背景にしたストーリーで登場人物も実在人物をモデルにしている
・登場人物のキャラクターがとても個性的に描かれている
・冒険・戦い・夢がありドラマチックでワクワクする

などだなあ。

ヴィンランド・サガはヴァイキングが主人公になり、デンマークイングランドが主な舞台となっていて面白いんだ。僕はイギリス・ウェールズの歴史にとても興味があり、この漫画にはウェールズもマイナーながらヴィンランド・サガに登場してるのでとってもワクワクするんだよ。

 

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そういえば、ウェールズについてヴィンランド・サガの第4巻ではこう書かれていましたね。

 


険しい山々に
資源は乏しく
耕作に適した平地もごくわずか
イングランドに貧しい土地柄と言える

その故に
ウェールズでは
ローマ支配時代の
終焉以降
全地域を統一するほどの
国家が育つことがなく

多数の小王国が分裂統合しながら
割拠する状態が
数百年続いていた

ヴィンランド・サガ第4巻より

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そう、その通り!ウェールズローマ帝国軍が410年に去った後に、四国くらいの面積の中に多くの王国がひしめいていたんだ。ヴィンランド・サガの時代の1010年頃までには、ウェールズが全領域を統一されたことが殆どなかったんだ。

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ということは、統一されたことはあったんですか?

 

ほぼ統一されかかったウェールズの歴史

 

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ウェールズは幾つかの小王国に分かれ代表的な王国は、
Gwynedd(グウィネズ)、Deheubarth(デハイバース)、Powys(ポウィス)、
Glywysing(グリィウィシング)、Gwent(グウェント)、Bricheiniog(ブリケイニオグ)などで、さらにそれぞれの王国は、cantref(カンタレフ)と呼ばれる地区(県のような感じ)に分かれていたんだ。

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ローマ帝国が去ってからヴィンランド・サガの時代まで約600年の間にウェールズがほぼ統一された時代は僅かに3度あるんだ。


◎初めてウェールズをほぼ統一したロドリ大王

 

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初めてウェールズをほぼ制覇した王がロドリ・アプ・メルヴァン(別名:ロドリ・ザ・グレート)と呼ばれる王で、北部ウェールズを中心に支配力をもっていたんだ。しかし、ヴィンランド・サガに登場したモルガンクーグ(地図中ではGlwysingとGwentを足した領域でモルガンウィグと呼ばれる)とブリケイニオグ(Brycheiniog)付近は支配できなかったんだ。

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 ※緑と水色の部分を支配

 

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たしかロドリ大王はヒップホップ音楽で有名なエミネムの先祖でしたね。

 

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◎次にウェールズを統一したヒウェル良王(善王)

 

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次にウェールズを統一した人物はロドリ大王の孫、ヒウェル・アプ・カデル(別名:ヒウェル・ザ・グッド)と呼ばれる王で、祖父と同じようにモルガンウィグ(漫画ではモルガンクーグ)を除くウェールズを支配したんだ。

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 ※水色の部分を支配

 

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◎ヴァイキングに手を焼き戦わなかった王

 

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その次に、ウェールズをほぼ統一した人物はヒウェル良王の孫で、マレディッズ・アプ・オウァインと呼ばれる王だ。マレディッズも同じく、モルガンウィグは支配できなかったんだ。

 

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マレディッズはあまり戦いを好まず、ヴィンランドサガでも書かれていたイングランドマーシア国から攻められたときにはお金を払って解決したし、ヴァイキングから何度も攻撃を受けアイルランドのヴァイキング、ゴッドフレー・ハロルドソンから攻められ何千人も殺害されたときも、お金を払って難を逃れたんだ。統率力がなかったのかウェールズ国内でも内乱がおこり、あまり安定しない政権だったようだ。

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※水色の部分を支配

 

◎モルガンクーグのグラティアヌス将軍、ブリケイニオグのアッサー

 

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ヴィンランド・サガの時代より前にウェールズがほぼ統一されたのはこの3王の時代だけなんだ。

 

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それにしても、モルガンウィグ(モルガンクーグ)はいつも独立していたんですね。

 

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そうだな。モルガンウィグは当時の王はヒウェル・アブ・オウァインとイエスタン・アブ・オウァインでブリケイニオグの王はグリフィズ・アプ・エリセッズと呼ばれる人物だったんだ。ブリケイニオグは隣国のデハイバースやグウィネズにしばしば支配されていたけれど、モルガンウィグは山岳を越えなければならず、これまで説明した王達が攻めるには地形的に難しかったのではと思うな。

 

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グラティアヌスはもし実在したとするとヒウェルやイエスタンの部下と思われる

 

 

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アッサーは王家と言っていたのでグリフィズの親類になるのかな。


小王国群ウェールズもついに全域統一

 

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ヴィンランド・サガで描かれえている時代よりも、30年ほどあとになるけれど
一回だけウェールズは完全に統一されたことがあったんだ。

 

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マレディッズの孫、グリフィズ・アプ・オウァイン王の時にモルガンウィグもブリケイニオグもすべて統一したんだ。ヴィンランド・サガの時代のモルガンウィグ王の息子が、ウェールズ内の隣国デハイバースを攻めて奪ってしまったんだ。

そのお返しにグリフィズはデハイバースを取り戻し、さらにモルガンウィグにも攻め入り征服したんだ。といってもウェールズを統一できたのはわずか8年程しかなかったけどね。

 

その後はプリンスオブウェールズウェールズ全域をほぼ支配

 

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その後は何人かのプリンス・オブ・ウェールズウェールズの大部分を支配したけど、やはり全域とまではいかなかったんだ。

 

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 ※南部のオレンジを除くウェールズを支配

 

ウェールズは統一されにくい理由

 

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ウェールズが統一されにくい理由は次の3つが考えられるんだ。

ヴィンランド・サガに書かれているように、山岳地帯が多くまとまりにくい
・領土は息子たちに均等に分けられ、世代を経るごとに細分化されていく
・自分たちの領土が守れれば、他の領土を奪うという野望をもつ人は少なかった

特に2番目の領土相続制度やたとえ一農民でも領主に意見を言えるようなしきたりは
とても民主的な制度ではあったけれど、領土が細分化しすぎて逆に相続争いによる
内乱が頻繁に起こるようになり、中央集権化がが難しかったのではと考えられますね。

 

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最後にありがとうございます

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ヴィンランド・サガには幾つかウェールズに関する場面が登場しており、その歴史的な背景などをこのブログで紹介しますので、漫画と合わせて楽しんでくだされば幸いです。 最後まで読んでくださり、有難うございました。

 

 

 

 

 

ヴィンランド・サガ(3) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(3) (アフタヌーンKC)

 

 

 

 

<キャスト>

f:id:t-akr125:20160331233338j:plainワタル課長

f:id:t-akr125:20160403180650j:plain部下アサオ

f:id:t-akr125:20160423222245j:plainジェイムス先輩

 

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