イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

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シェイクスピアが描く「ジョン王」 悪王って言われてどう思ったのだろう

 

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。

「戦争には戦争を 、流血には流血を 、強制には強制を 、というのが私の方針だ」 

 

名高い悪王、ジョン王。これほどの悪王は、イギリス国王の中には、そうはいません。

 

悪王と言われ続けて、恐らく400年近くが経とうとしています。
そのことをジョン王はどう思っているのでしょうか。

 

俺は仰るとおり稀代の悪王だ、何が悪い! と堂々と悪ぶっているのか。

イヤイヤ、俺は悪王じゃない。正義を立てるために、悪評だけを過大解釈されて、とんだ濡れ衣だ! と嘆いているのでしょうか。

 

 

イングランド王を例にしますと、名高き悪王はこの三人が挙げられます。

 

ヘンリー8世。6度も結婚し、2人の妻の処刑、貴族、役人、友人など多くの人物をも処刑した悪王。

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リチャード3世。自らが王になるために幼き王を暗殺し、敵対する諸侯たちを処刑した悪王。

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そしてジョン王。甥を暗殺し、フランスの領土を失い、マグナカルタで国王の権威さえも落とした悪王。

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ドラマや小説、本などで何れの王も悪王として演じられたり、記述されたりして、何れの王も悪王の固定概念が定着していると思います。

しかし、よく調べてみると、悪王面だけでなく良い面の記述も一部見られます。


悪王として持てはやされているのは、シェイクスピアなどの劇で、面白おかしくするためだ、とも言われています。

 

例えば、
ヘンリー8世は教養があり芸術性的な才能もあり、魅力的でカリスマ性のあった王であったとも言われています。

リチャード3世も武勇にも知略にも優れた面がありスコットランドが反乱を起こした時には鎮圧し、リチャード3世が戴冠した時にはイギリス北部の人々は大喜びだったそうです。

しかしながら、ジョン王について良い事が書いてある記述を見たことがありません。
良い点が無いほど悪い人物だったのでしょうか? 

 

シェークスピアの「ジョン王」を読みました。シェークスピアもよほど悪人に描いていたのだろうか、と思い本を手に取りました。

他のイングランド王の物語と同じように、ジョン王も国王たる尊厳を持ち堂々とした様子がうかがえます。しかし、

 

人間は 、悪事をおこなうための道具を目にすると 、つい悪事をおこないたくなるものだ !

 

おれの気持を漠然と伝えたときに 、もしおまえが頭をふるか 、話をとぎらせるか・・・おれは深く恥じて口をつぐみ 、計画を放棄し・・・ところがおまえは 、おれの表情を暗号と思い・・・その結果われわれ二人が口に出すのもはばかられるような醜悪な行為を・・・おこなわせてしまった 。さあ 、消えてしまえ 、二度とおまえの顔など見たくない!

 

ジョン王の言葉です。少々弱い心も見せますが、自分の決断で行った悪事に対して、意見しなかった部下の責任だ、と罪を部下に着せようとします。事前に持っていた先入観と何ら違ったところがなく、やっぱり悪王のようでした。

 

ジョン王の悪王であればあるほど、周りの登場人物とのギャップが生じて、可哀そうな人物、正義の人物、善良な人物さが際立ち応援したくなってきます。そのためでしょうか、19世紀ではとても人気があり盛んに上演されたそうです。(最近はさほど人気はないようですが)

 

ジョン王は悪王と言われ続けて、恐らく400年近くが経とうとしています。
そのことをジョン王はどう思っているのでしょうか。

ということを思いながら、シェイクスピアのジョン王を楽しみました。

 

ジョン王 (NHKシェークスピア劇場)

 

 

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最後まで読んでくださり有難うございました。

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