イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

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陰謀 ~夢と野望の激突 第1話~

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
今回から、歴史ストーリーの新連載を始めます。舞台は5世紀前半にかけての、ウェールズ付近での伝説をもとにした創作ストーリーです。全15話くらいを予定しています。

陰謀

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「やっやめて ・ ・ ・くっくるしい ・ ・ ・」
「お前さえいなくなれば、世の中はワシのものだ」
「くっ、くるしい。き、きっと誰かが、お前のことを、復讐・・・」
「そんなこと、絶対にさせるものか」

 

 5世紀初めのブリタニア国。ブリタニア王と西ロ ーマ皇帝を兼任していたコンスタンティン 三世が亡くなった。遺言のとおりに、コンスタンティン三世の息子でコンスタンス二世が、ブリタニア王となった。
しかし、コンスタンス二世はまだ8歳と幼く、とても国を治めるだけの知力も体力も持ち合わせてはいない。王妃がカバーしているものの、ブリタニア王の座を狙う者たちが出てくるのは当然の事であった。

 

ある日、ブリタニアグロスタ ーにある王宮にて・・・・・・ 

 

「王妃様、ヴォーティガンでございます。このたびは、コンスタンティン王が崩御され心からお悔やみを申し上げます。先王コンスタンティン王の頃からお仕えし、大きなご恩を感じている私も、とても悲しゅうございます」
「先王への恩返しとして、王妃様のお力になれることがあれば、このヴォーティガン、身を粉にしてお仕え申し上げます」

 

「ありがとう 、ヴォーティガン。しかし、コンスタンスはまだ幼く、国を治めるにはあまりも頼りないわ。この先、とても不安に思います」

 

「王妃様のご不安、よくわかります。コンスタンス王が大きくなるまで政治や勉強のお手伝いをさせていただいと存じます 。コンスタンス王を立派な王に育てさせてください 」

 

「有難う、ヴォーティガン。先王も頼りにしていたあなたが協力してくれると 、とても心強いわ 」

「ははっ 、有難きお言葉 。ご安心して私にお任せください 」

 

 

( 先王の時代から仕えて30年、下積み生活も長かったわ。これまで努力してきたかいがあったもんだ。ふふふふ 、 、 、やっとワシにも運が向いてきたわ ・ ・ ・ ・ )

 

皆が寝静まったある日の夜中にコンスタンスは目覚め 、ベッドから離れてウロウロと歩き始めた 。物音に気が付いたヴォーティガンがコンスタンス王に近づいてきました 。

 

「父上 、父上はどこ ?」

「コンスタンス王 、どうなされました ?」

「父上はどこに行かれたのだ ? どうして会えないのだ ?」

 

「お父上は残念ながら、お亡くなりになられたんです。探されても、お会いはできませんよ。ベッドに戻られてぐっすりお休みになって ください。そう、夢の中でお会いできるかもしれませんよ。立派な王になるために明日は朝から一緒にラテン語の勉強しましょう 」

 

「そんなの嘘だ。夢は現実にならないって、父上は言っていたぞ! ヴォーティガンの嘘つき」
「夢は夢でも、見る夢はまた別ですよ。さっ、夢の中で楽しんでください。明日も、朝からラテン語の勉強を始めますよ。」
「もういい、あっちへ行け!」
「分かりましたよ、分かりましたよ。お休みなさい」

 

(ふう、疲れた。手のかかるおぼっちゃまだ)

 

 

「コンスタンス王、昨晩はいい夢見れましたか?」
「夢なんか見れないし、父上も現れなかった。ヴォーティガンの嘘つき!」
「まあ、そんな日もございます」
「ほら言っただろう。父上が言っていたように、夢と現実はちがうって」
「夢はかなわぬ物かもしれません。でも、あきらめずに努力していけばきっと将来、現実になる日が来るでしょう。そのために、さっ、勉強をしましょう」

ラテン語だけでなく、聖書もみっちりと音読しますからね!」
「勉強勉強と、勉強ばかり言うヴォーティガンは大嫌いだ! 僕、遊んでくる」

 

(王と思ってお仕えしているけれど、まるで子守じゃないか。これでは、ワシの夢を叶えることができない・・・・・・)

 

「コンスタンス王、おやつの時間ですよ。ほら、王様が好きなリンゴのジュースです」
「ヴォーティガン、お前って悪い奴なのか?」
「何をおっしゃるんです、コンスタンス王。いつも王様のお供をしているヴォーティガンが、そんなに悪党に見えますか?」

「だって言ってたよ。ヴォーティガンが父上を殺したんじゃないかって」
「だ、誰がそんなことを! そ、そんな訳ないですよ。ヴォーティガンが王様といつも一緒にいるのを、うらやましがっている奴らが悪いことをいっているんですよ」
「ふうん、そうなんだ」

「さっさと、飲んでおしまいなさい!」

 

 

「ゴクゴクゴク」
「ううううっ・ ・ ・くっくるしい ・ ・ ・」
「やっやめて ・ ・ ・くっくるしい ・ ・ ・」

「お前さえいなくなれば、世の中はワシのものだ」
「はぁはぁはぁ、父だけでなく僕までも・・・き、きっと誰かが、お前のことを、復讐・・・」
「そんなことをさせるものか。これからは、ワシがブリタニアの新しい王だ。みなワシの命令に従うのだ、ふふはははは」
「バタン」

 

「皆の者、しずまれ。たった今、コンスタンス王が亡くなられた。コンスタンス王の遺言に従い、これから国政はワシが行うこととする。ワシに従わないものも全員ひっ捕えろ ! !」

 

「ははっ」

 

(ふふふふふ 、ははははは 、ワシは誰だ ? ワシはヴォーティガン様だ !とうとうやったぞ ! ! ブリタニア王ヴォーティガン様だ ! ! 夢は簡単に叶えることはできぬ。しかし、こうやって野望を叶えることはできるわ。はははははは~)

 

ヴォーティガンの部下たちは、王妃たちが住む屋敷に急行した。
「王妃と残った息子どもを、とらえてしまえ!」

次回に、つづく

 

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