イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

MENU

襲撃 ~夢と野望の激突 第3話~

f:id:t-akr125:20161204125616p:plain
こんばんは。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
舞台は5世紀前半にかけての、ウェールズ付近のアーサー王伝説をもとにした創作ストーリーです。毎週金曜日に更新予定です。

www.rekishiwales.com

 

襲撃 

前話でブリタニアを脱出し海を渡った王妃と子供たちの3人は、フランスのアルドリエン王のもと、平和に静かに暮らしました。それから、十数年の歳月が流れアンブロシウスとウーサーはすくすくと元気な少年に成長しました。

f:id:t-akr125:20170706220423j:plain

 

アルドリエン王の居城でいつものようにアンブロシウスとウーサー兄弟は勉強に励んでいました。

 

「兄上、兄上は将来何になりたいですか?」
「僕は歴史が好きだから歴史家になりたいな。世界中をたくさん冒険して、いろんなお城も見に行って歴史の本を書くんだ。ウーサーは将来何になりたいの?」
「僕は大人になったら牧師になりたいな。大きな教会で、毎日たくさんお祈りして、たくさんの人を助けて幸せにするんだ」

「僕たちは、アルドリエン叔父上や母上に言われるように、たくさん勉強しないといけないね」
「うんそうだね。昨日言われた宿題を早くやってしまおう」
「よし、どっちが早く間違いなくできるか競争だ」
「うん、兄上には負けないよ」

 

「いたいた、そこにいたのか!」

 

二人が一生懸命に勉強をしているところに、仲の良い従兄弟のブディックが現れました。

「なんだ、また二人とも勉強してるのかい。 いつも勉強ばかりして飽きないのかい? 一緒に外で遊ぼうよ!」
「そうだね。もう少しで終わるから、ぱぱっと宿題を片付けて、ブディック君と遊ぼうか?」
 


「よし、おわったぞ。ブティック君お待たせ!」
「またチャンバラで遊ぶ?ブティック君は強いからなあ。でも容赦はせずに本気でいくよ」
「強がっちゃって、いいのかい。二人ともかかってきていいよ。それでも、負けないぞー」

 

f:id:t-akr125:20170706220331p:plain

 

「えい」「やあ」「とうっ!」カン、カン、どかっ


「いやあ、やっぱり、ブディック君は強いな。僕達ではかなわないよ~。ブディック君は将来、きっと強い騎士になってアルドリエン叔父上の様に凄い王様になるよ」
「えへへへへっ。君たちも強くなりたかったら、僕は何時でも君達に剣の使い方を教えてあげるよ。僕はいつも父上からみっちり教えてもらってるからね」

「そういえば、君たち2人はフランス人じゃぁないんだってね。海の向こうのブリタニアから来たんだって、父上と君たちの母上が話しているのを聴いたことがあるよ」
「えっ、本当?叔父上と母上がそんな事を言っていたの? うっそだあ」

 

「何者だ!」

 

f:id:t-akr125:20170706220509p:plain

 

その時、3人をめがけて突然黒い影が背後から降ってきました。腕に覚えのあるブティックは2人をかばいながら、必死に戦いました。しかし、相手は人数が多くとても防ぎきることはできませんでした。

 

「しまった!」
「あっ、アンブロシウス!」
「待てっ、人さらいだ」
「助けて~」
「兄上~」

 

ブディックは、敵の素早い一撃を辛うじて剣で受けましたが、バランスを失い転んでしまいました。その隙に、敵はアンブロシウスを捕まえ、連れ去って行きました。
「よし、小僧を捕まえた。ふふふ、親分が喜ぶぞ。大人たちに見つかる前に、早くずらかろうぜ」


「何事だ!」
「父上、アンブロシウスが、アンブロシウスが・・・」
「兄上が、へんな発らに連れ去られたんです」
「どんな格好をしていた?」
「上から下まで、真っ黒な陰みたいな服でした」

「どっちの方向に逃げて行った? まだ、遠くに入ってはいないだろう。アンブロシウスを助けるぞ」

 

アルドリエン王は剣を引き抜き、ブディックが指さした方向にものすごい速さで走り出した。

「いたぞ!まて~っ」
「叔父上、助けて~」
「ちっ、見つかったか。足の速い奴だ」

「おい、おとなしく武器を捨てて、俺らを行かせないと、この子供の命は無いぞ」
「おい、おとなしく子供を渡さないと、お前の命は無いぞ」
「何を、ほざけ! お前たち、あの命知らずの男をやってしまえ!」

 

f:id:t-akr125:20170706221118j:plain

 

西からは眩しいばかりの太陽が照っていた。アルドリエン王は剣を構えた瞬間、剣の刃先が「ぴかっ」と強い光を放った。

「ぎゃ」
「うぐ」
「うっ」

声にならない、短いうめき声を発する間もなく、バタバタと黒い男たちは地面へつっぷした。

「奴らも実に不運だな」
「フランス屈指の騎士、アルドリエンが相手とは知らなかったようだな」

 

「叔父上~」
「兄上~」
「よかった。アンブロシウス。さぞかし、怖かっただろう」


「この黒い男たちは・・・まさか・・・これはまずいな。すぐに手を打たないと、着実に危険が迫っている」

 

次回に続く

 

その他

※おすすめ記事

www.rekishiwales.com

www.rekishiwales.com

 

www.rekishiwales.com

www.rekishiwales.com

www.rekishiwales.com

 

 

 

最後まで読んでくださり有難うございました。

取材、記事のご依頼、お問い合わせはこちらまで t.akr125@gmail.com