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イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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戦うブリタニア帝国の戦士たち:ローマ軍に牙をむいた戦士の心

歴史創作ストーリー

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ブリタニアは我らブリトン人の手で治めるべきだ。ローマ帝国に支配され彼らの思い通りになっているのは、もうごめんだ。今こそ、ブリトン人は立ち上がるべきだ!

 

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またシンロウプのやつ熱くなっているぞ。

 

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いつもの事だ、放っておけ

 

 

 

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4世紀半ば、ブリタニアの北外れに位置する小国群で、シンロウプと呼ばれる1人の戦士が熱き思いをぶつけていました。
当時のブリタニアは約300年にも渡ってローマ帝国の支配下にありました。ブリトン人達はローマ帝国に従い、現在のスコットランドにあるハドリアヌス城壁やアントニヌス城壁の警備につき、北から攻めてくるピクト族やスコット族の外敵侵略を防いでいました。

ハドリアヌス城壁、アントニヌス城壁:ローマ帝国の権威を示すため、ローマ皇帝ハドリアヌス、アントニヌスが2世紀に建造した防壁

 

<登場人物>

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シンロウプ:ブリタニア北部の戦士、ローマ兵士の反乱に加わる

 

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ヴァレンティヌス:ローマ看守、ローマ兵の反乱を起こす

 

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コエル:ブリタニア北部の首長

 

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ダンブリタニア北部の戦士、コエルに味方する

 

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マグヌス:ローマ軍の指揮官

※この物語は歴史上の人物が登場していますがフィクションです。 

 

ブリタニア戦士の熱き想い

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どいつもこいつも腰抜けばかりだ!やってられね〜よ。何百年もローマにのさばらせておいて、いいのかよ。ブリトン人の誇りはどうしたんだ!自分たちの領土や文化は自分たちで守るべきだろう。

 

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それが何だ、領土だけでなく至る所にローマの建造物を建て、名前までもローマ風に変えてしまって、、、オレは俺は、、、我らブリトン人の大祖先、太陽の神、水の神、地の神に申し訳ない。

 

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君の言いたいことはよく分かるよ、シンロウプ。だけど今の世の中を考えてみろよ。強大なローマ帝国に従って給料をもらい、外敵からも守ってもらった方が得だせ。弱小なブリトン人だけでは無理だぞ。

 

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第一、ローマ帝国に逆らってみろよ、弱いオレ達は一巻の終わりだぜ。もう少し頭冷やせよ

 

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コエルのやつ、パダンのやつ、魂までもローマに売ってしまったのか、、、今に見てろ、オレはやるぞ、ローマをブリタニアから追い払うぞ

 

ローマ軍人の反乱

 

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そんな時のことでした。
ローマ帝国から派遣さたハドリアヌス城壁の看守ヴァレンティヌスが、ローマ帝国に対して反乱を起こしました。反乱軍はローマ帝国に敵対していたスコット族、ピクト族を味方につけてあっと言う間に大勢力となりました。多くのローマ軍駐屯地は焼かれ、最大の砦であるカーライルに向けて反乱軍は進みました。

 

 

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おーっ、天は我に味方してくれるのか。今こそ、我らブリトン人がブリタニアをローマから取り戻すまたとないビッグチャンスだ。反乱軍に味方してローマ軍を倒すぞ!

 

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コエルよ、パダンよ、オレと一緒に反乱軍に加わってローマ軍を倒し、ブリトン人の夢を叶えよう。今がチャンスだ、やろうぜ!

 

熱いシンロウプの心に対して、コエルとパダンの答えは冷静で落ち着いた声で、返ってきました

 

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いや、俺は動かないよ。今はローマに反乱を起こす時ではない、遠慮する。

 

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ローマに従っていた方が、今は身のためだ、シンロウプ。

 

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君らは何を言っているんだ、分かっているのか今の状況を。もうよい、君らは頼まない、オレだけでやる。

 

勢いに乗る反乱軍、ローマ軍を噛む

 

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ヴァレンティヌス率いる反乱軍に、シンロウプのアタコッティ軍が加わった。勢いに乗った反乱軍は、ローマ軍のブリタニア司令官フロファウデスを捕らえて、中枢都市カーライルを占拠した。

 

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はっはっは、これでブリタニアは我らが押さえたぞ。シンロウプ殿、今回の勝利は貴公のお陰。貴公が加わってくれてとても心強い。

 

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はっ、ありがとうございます。

 

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貴公の他に、カレドニア、ヒルベニアが加わり、サクソン軍やフランク軍も協力してくれそうだ。

 

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それは心強いですね。

 

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ローマ帝国を倒して新たな我々の連合国を作ろうではないか!

 

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それは凄い!是非協力させていただきたいです。我々が勝ったあかつきには、アタコッティだけでなくブリタニア北部を私に治めさせてくれませんか?

 

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お安い御用だ。ブリタニアをローマから取り上げて、北部を貴公に渡し肥沃な南部をこのヴァレンティヌスがいただこう。

 

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ありがとうございます!そうと決まったら直ぐにアタコッティ軍を終結させて連合軍に加わります。

 

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それは頼もしい。成功を祈念して同盟の杯を交わそう!

 

 

反乱軍の大勝利!

 

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ローマ軍が反撃してきました、、かなりの大軍です、、、

 

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怯むな者ども!ローマの指揮はセベラスとジョヴィヌスという、取るに足りない雑魚だ。兵力はわれに劣る、一気に潰して我ら連合軍の強さを見せつけてやれ!

 

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ヴァレンティヌス殿すごい、、これではローマ軍は歯がたたないだろう

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やった!我らの大勝利だ!ヴァレンティヌス閣下万歳!

 

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ふむふむ、ローマ帝国沈没も現実味を帯びてきたな。

 

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ごもっともですヴァレンティヌス閣下。連合国ではなくヴァレンティヌス帝国を作りましょう!

 

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それは良い考えだ。ふふふ、大陸さらはるばるやって来て活躍したお主達は何が望みなのだ?

 

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はっ、新帝国が出来たあかつきにはどの土地を褒美にいただけるのでしょう?

 

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そうだな、サクソン族殿にはブリタニア北部を授けよう

 

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ほう、これは有難い。ブリタニア北部はシンロウプ殿にという噂でしたが?

 

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シンロウプはブリタニアの独立を狙っている油断ならん奴だ。それに引き換え、金で雇われたお主らは聞き分けが良い。はっはっは

 

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何っ、ブリタニアをサクソンの奴らに?話が違うではないか。

 

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はっ、たまたま通りがかった時に、サクソンとヴァレンティヌス様が話しているのを聞いてしまいました。

 

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連合軍が帝国を作ったとしても、ブリタニアは我々ブリトン人に戻らないではないか!約束が違う!ヴァレンティヌスはそんな奴だったのか!うううっ頭が、、、

 

ローマ軍のプライド

その頃ローマでは、

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グラティアヌス皇帝、誠に申し訳ございません。反乱軍を止める事ができませんでした。奴らは思いのほか大軍で包囲され、突破するのが精一杯でした。

 

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ローマ軍も地に墜ちたものだな。もうよい、君は故郷に帰りたまえ。テオドシウスとマグヌスはおらんか!今度は君らが行って反乱軍を抑えてきなさい。

 

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はっ、グラティアヌス皇帝!ローマ軍ナンバー1、ナンバー2の指揮官が必ずやローマ帝国の尊厳を守ってみせます!

<総力を集めたローマ軍は、グレートブリテン島東岸のケントに上陸し、ロンドニウム(現在のロンドン)に進軍し陣営をはった。>

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ヴァレンティヌスをちょっと遊ばせ過ぎたな。ままごとはここまでだ。さっさと方をつけてすぐ帰るぞ!ローマ軍の強さを見せつけてやるわ

 

~~~~

一方、ヴァレンティヌスの陣営。

 

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明日は天下分け目の一大決戦だ。この戦いに勝利することはローマ帝国を倒したのも同然、ローマ皇帝も我らにひざまずくだろう。

 

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シンロウプ殿、貴殿が先陣を切って突っ込み敵陣の大軍をこじ開けてくれ。

 

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(何っ、特攻隊をやれということかっ)は、、はっ、先陣の大役をさずかり身に余る光栄。

 

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シンロウプ殿、楽しみにしてますぞ。

 

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(うぬぬぬ、この戦いでヴァレンティヌス様に従ってローマ軍と戦って良いものだろうか?しかし、やると言ってしまった・・・)

 

最後の決戦!

 

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シンロウプ率いるアタコッティ軍、先陣を切ります!

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ウォー

 

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あっ、シンロウプ!

 

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コエルにパダン

 

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本当に君は我らと戦う気なのか?

 

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うるさい、俺はブリタニアの為に戦うのだ!

 

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本当にブリタニアの為になると思うのか?ブリタニアが平和になると思うのか?

 

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うっ、うっ、うっ、

 

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さあ、シンロウプよ。僕らに投降してくれ、決して悪いようにはしないさ。

 

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うっ、うっ、うっ

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ローマ軍、全軍一気に敵陣に突入せよ!

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シンロウプの奴、投降したらしい。裏切りやがった

 

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バイぞ、ローマ軍が急に攻めてきて、軍の体制が崩れてしまったぞ。いかん、一旦退却だ。

 

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あっいた、アレがヴァレンティヌス、ヴァレンティヌス覚悟!

 

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う、ウァァ・・・・・ああああ・・・・

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マグヌス閣下、反乱軍に加わったシンロウプを捕らえました。

 

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ご苦労であった。

 

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シンロウプはブリタニアを守りたい一心で、ヴァレンティヌスに騙され反乱軍に加わったのです。シンロウプはその事に気付き、戦いが始まると共に我らに投降しました。何卒シンロウプに恩赦を!

 

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事実を調べシンロウプとやらの処罰は決める事にする

 

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367年に起きたグレート・コンスピラシーと呼ばれたローマ軍人を首謀とする反乱は、こうして鎮圧されました。

反乱軍に加わったアタコッティ国はその名を消し、シンロウプも消息を絶ち、その後どうなったのか誰も知る手がかりはありません。
しかしアタコッティ国の後には、アルトクラッドというシンロウプの息子ケレティックが治める国ができていました。

このアルトクラッド国はやがてストラスクライドと名を変えますが、度重なる異族の攻撃にもアタコッティ耐え、9世紀にスコットランド王国ができるまでの約5世紀に渡って独立を守り続けました。

そこには、自分達の国は自分達で守りたい、というブリタニア戦士たちの強い思いが受け継がれ続けたのかも知れません。

 

 

※戦うブリタニア戦士シリーズ

前回記事:http://www.rekishiwales.com/entry/britannia4

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