イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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心も特訓  ~夢と野望の激突 第5話~

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
舞台は5世紀前半にかけての、ウェールズ付近のアーサー王伝説をもとにした創作ストーリーです。毎週金曜日に更新しています。

 ※前回の第4話

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心も特訓

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ある日 、アルドリエン王はアンブロシウスとウ ーサ ーに騎士や王になるために重要な心得の話をしました 。

 

「お前たちは 、これまでよく食べよく寝て健康な体を作ってきたし、しっかり勉強して教養は十分に身につけてきたと思う 。しかし、外見の体と頭の中の知識だけだ。騎士になるためには、敵に負けない強い心 ・秀でた技 ・強靭な体、いずれも身に付けていかなければならない」

「アンブロシウス、ウーサー。特に、お前たちは騎士としての技がまだまだだ 。今の力では到底 、襲われた時に敵をを倒す事は出来ない。ましてや、戦場に出た時、生き抜くこともできないぞ」

 

「はい、僕たち一生懸命頑張ります。アルドリエン叔父上、宜しくお願いします」
「ぼくももっと強くなりたいし、一緒に頑張るよ 」
「ありがとう 、ブディック君 ! 僕たちも負けないぞ」

 

こうしてアンブロシウスとウ ーサ ーはアルドリエン王からの厳しい特訓を受け続けるのでした 。ある日のこと、いつものようにアルドリエン王の厳しい指導が二人に浴びせられていました。

 

「そんな根性がなくて 、強い騎士になれると思っているのか ?敵に勝てると思っているのか ? 甘い 、甘い 、甘い ! !もっと力を入れて踏込んでこい !」

「教養だけでは強い騎士にはなれないぞ !アンブロシウス、ウ ーサ ー、気合いが足りないぞ! さあ、もっと打ち込んでこい!」

 

「は、はいっ!」
「い、行くぞぉ!」

 

「はぁ、はぁ、はぁ」
「あっ(バタリ)」
「うーっ」

 

「もう二人ともギブアップか、情けない。アンブロシウス、ウーサー、遊びじゃないぞ。もっと真剣さを出せ」

 

「うっ、、」
「ウ ーサ ー大丈夫か ?」   
「う、うん大丈夫だよ、アンブロシウス」
「くそっ、叔父上は強すぎるし、厳しすぎる。もっと手加減してくれないかな」

「アンブロシウス、ウーサー、甘いよ君たち。がんばろう 、がんばって強い騎士になろう! 三人で一緒に力を合わせればきっとできるよ ! 」

「ありがとうブディックくん 。一つ教えてよ。僕たちはブディックくんよりも、ずっと弱い。なかなか、強くなれないんだ。どうすれば強くなれるの?   教えてよ、ブディックくん」

 

「アンブロシウスとウーサーは二人とも、戦い方には欠点があるんだ 」
「欠点?僕たちには何が足りないの?」

「君たち二人の剣は、昔僕たちが一緒に遊んでたように、チャンバラをやっている気がするんだ。要は生きるか死ぬかという、真剣な気持ちが弱いんですよ 。それに、これで勝てるかなあと自信が感じられないんです 。気持ち面で負けていては 、相手には絶対に勝てないよ 。相手に勝つイメ ージを持ち自分の力を信じて 、自信を持って相手に挑んでいく姿勢が大事だよ 」

 

「なるほどそういうことだったのか。分かったよ 。僕たちには必死さが足りなかったんだ ! 」
「自分は戦場にいる、相手を倒さなければ自分がやられてしまう。という意識は持ってなかったよ」
「僕らは自信がなくて、弱い 、弱いと思い込んでいたんだ 。ありがとうブディックくん」

 

「よしっ !行くぞっ!!」
「おお 、かかってこい ! !」
「ぎぇ〜〜い!!」

 

二人は力一杯にアルドリエン王とブディックに向かっていきました 。

「うむ、いい踏み込みだ! その感じだ!」

 

こうして毎日同じように厳しい練習が続いたのでした。厳しい特訓のおかげで二人はめきめきと上達し ていくのでした。

 

次回に続く。
この物語は、たなかあきら作のフィクションです。 

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最後まで読んでくださり有難うございました。

史上例を見ない暴君を倒したウェールズの王子

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前回より、話題が満載すぎるウェールズを見守る王、という内容で、ラウェリン大王について、お話をしております。

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ラウェリン大王の特徴について簡単に表現しようと思っても、なかなか簡単になりません。こんな感じで、つかみどころがない、大王です。

13世紀に活躍し、現在もウェールズの街を見守っている男
・史上例を見ない暴君をやっつけて、雪辱を果たした男
・敵が味方に、味方が敵に、昨日の友は今日の敵だった男
・絶体絶命のピンチを、嫁に助けられた男
・悪王で有名なイングランド王と渡り合った男
次男を溺愛しすぎて、世の中と喧嘩した男

 今回は、2つ目の内容についてのお話です。

 

史上例を見ない暴君をやっつけて、雪辱を果たした男

暴君登場 

ああ世は地獄じゃ
鬼が国を治めておる
鬼と言うより悪魔じゃ
次は我が身か
食われてしまう

 

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「12世紀後半のウェールズ。オウァイン大王が権力を振るい、ウェールズは安泰でした。しかし、1170年にオウァイン大王が亡くなると、自体は一変して恐怖に陥ったのです」

 

<ハウェルよ、お前は十分にワシを助けウェールズの繁栄に尽くしてくれた。ワシの後継者はお前にする>

 

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「戦死した長男の代わりにオウァイン大王の片腕として活躍した次男のハウェルが、グウィネズ国の王となりました。しかし、これを喜ばしく思わない人物がいたのです」

 

<オウァイン大王は私を愛したのよ。だから私の息子達が、王になる資格があるわ>

 

「オウァインの非合法の妻、クリスティナは息子達と、王の座を奪うことを企んだのです。一説によると、オウァインが亡くなる前から準備をしていたようなんです」


※クリスティナはオウァインの従姉妹で、ウェールズ法では結婚を認められていなかった

 

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「そして思惑通りに事は運び、クリスティナの息子、五男のダヴィッズと六男のロドリは密かにハウェルを攻めて殺害し王の座を簒奪することに成功したのです。そして、まんまとダヴィッズが王の座に就いたのでした」

 

<<俺にとって厄介なのはウェールズ法だ。息子たちは嫡男でも非嫡男でも、誰でも領土を均等に分け合うことが出来る、とは都合が悪い>>

 

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「オウァイン大王は女好きでした。分かっているだけで18人の息子と、4人の娘がいました。実際に、誰にどれだけの分け前があったかは定かではありませんが、領土の分け前を主張する息子たちはたくさんいたのです」

 

<<せっかく王になったのに、分け前が減るではないか。それでは意味がない。どうすればよいのだ>>

 <排除しなさいよ>

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ダヴィッズは恐ろしい手段に出たのです」
1170年 次男ハウェルを殺害
1173年 四男マエルグゥインを国外追放
1174年 懲りないマエルグゥインを投獄(獄死)
1174年 弟ロドリを投獄
1174年 三男イオルワース戦死(ダヴィッズの指金?)
1174年 八男コナン没(暗殺?)

 

<どうだ、俺に歯向かうとこういう目に合うんだ。オレが、唯一の王だ。誰か文句のあるやつはいるか? 命が惜しければ、分け前を放棄しろ!>

 

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ダヴィッズはウェールズ史上でも類を見ない、身内を殺害しまくった恐怖の人物となったのです。さすがに、ダヴィッズに敢えて戦いを挑む者はいませんでした。兄弟たちの中には相続争いに巻き込まれたくない思いで、アメリカに脱出した十男のマドックもいました」
「こうして、ダヴィッズは、ウェールズ最強国、グウィネズの領土を独り占めしたのでです」

 

ああ世は地獄じゃ
鬼が国を治めておる
鬼と言うより悪魔じゃ

国は乱れ、人々は絶望の中で暮らしました。

 

希望が登場

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「そこに一筋の光が差し込んできました。それはウェールズの人々の唯一の希望でもありました」

「オウァイン大王と正妻の間に産まれた、三男イウォルワースの息子ラウェリンと、非嫡子コナンの息子、グリフィズとマレディッズであった。特にラウェリンは、王となる正当な権利を持つ、唯一の生きている人物でした」

「三人はラウェリンを中心に密かに打倒だダヴィッズの準備を始め、機会をうかがっていました。人々だけでなく、教会もラウェリンを支持し、みなが平和な世界を待ち望んでいました」

 

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<よし、機は熟した。今こそ、我らが兵を挙げ、にっくき叔父ダヴィッズを倒し
我が国に平和をもたらすぞ!>

 

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「チャンスを待つこと6年。1194年のことでした。ラウェリンら3人は協力して、ダヴィッドに戦いを挑んだのでした。両軍は、現在の北ウェールズにあるアバコンウィーで激突したのです」
       

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「勢いに勝るラウェリン軍はダヴィッズ軍を打ち負かし、ダヴィッドを捕らえて投獄しました」

<やった!ついにやったぞ!>

 

<<くそっ、生意気な小僧どもめが。今に見てろ、俺様の恐ろしさを見せてやる>>

 

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ダヴィッズはイングランド王ヘンリー2世の妹を妻としていたのです。その影響力を用いて、教会の最大の権力者カンタベリー大司教を動かし、ラウェリンたちを揺すぶり始めました」

 

<むむむ、やむを得ぬ。ダヴィッズを釈放するしか手はない>

 

<<おおお、ようやく脱獄できたわい。さてどうするかの>>

 

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「しかし、ダヴィッズは年老い、ラウェリン達に対抗する力は残ってはいませんでした。そのままイングランドに落ち延び、ひっそり余生を暮らしたといわれています。こうして、ラウェリンは史上最悪の簒奪者ダヴィッズを追い出し、国を奪い返したのでした」

 

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「よかった、よかった」

次回に続く。

 

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※たなかあきら創作歴史ストーリー

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ウェールズの山 (字幕版)
 

 

 最後まで読んでくださり有難うございました。

魔法使いマーリンは二人いた アーサー王に関連する二人のマーリン

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
魔法使いのマーリン、ご存知ですか?

そうです。アーサー王物語に登場するマーリンです。アーサー王に関する、様々な映画やドラマなどにも登場してますよね。

このマーリン、どんな人物なのでしょうか?
実は、歴史上では2人存在していたのです。 

 


「えっ、本当かの?」

 

魔法使いのマーリンとは?

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アーサー王物語に登場するマーリンは、予言をし魔法を使いアーサー王に助言するなどアーサー王物語の中では重要な役割をしめています。マーリンとはどんな人物だったのでしょうか?

 魔法使いのマーリンは2人いるといわれています。ひとりは、5世紀の前半にウェールズ地方の悪王ヴォーティガンの話に登場する第一のマーリン、マーリン・エムリス(Myrddin Emrys)、もう一人は6世紀の初め頃のスコットランドに登場し 狂人となってしまった第二のマーリン、マーリン・ウィルト( Myrddin Wylt)です。

 

第一のマーリン 


「わしゃ、ウェールズ出身の王族じゃ」


なぜマーリンは魔法が使えたのか

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マーリンはウェールズ南西部にあった、ダヴィッド国(Dyfed)の王女の息子として生まれました。名前は、ウェールズ語でMyddin(マーディン)でしたが、フランス語のmerde(うんこ)に似ていることから、アーサー王物語の中ではラテン語読みのMerlin(マーリン)に変えられたという説もあります。

 

なぜマーリンは魔法が使えるのか?

 

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その原因はマーリンの父親にあります。マーリンの父は天使で王の修道院に訪れ、子供を置いて行ったそうです。マーリンの敵たちは、マーリンの父は本当の悪夢であり、悪魔の魂であり、眠っている女性を犯したんだと訴えました。

マーリンは幸運にも、生まれてすぐキリスト教の洗礼を受けて、悪魔の部分だけを取り除かれて、魔法などの力はそのまま持っている事が出来ました。

 

マーリンの魔力

 
「ワシの魔力は強力じゃ」

予言

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マーリンが活躍した時代は、ローマ帝国ブリタニアから去った5世紀に、ヴォーティガンという人物が現れ、王の座を簒奪しました。ヴォーティガンは侵入してくるサクソン族と戦い、ウェールズのスノードニア山岳地帯にやってきました。そこで、ヴォーティガンは安全を確保するために、要塞を建てようとしました。しかし、要塞は何度建ててもすぐに崩れてしまい、なかなか完成しませんでした。

 

ヴォーティガンお抱えの魔法使いはこう言いました。

<生け贄となる父なし子が、問題を解決してくれるだろう>

 

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しかし、そのような子供を見つけるのがとても困難でした。マーリンは、人間の父親を持たず、利用するのに適した子供だということが知られていました。

生け贄が行われる前にマーリンは予知能力を使用しました。

<要塞が建築できないのは地下プールに住む赤い竜と白い竜が原因なんだよ>

 

この理由は、マーリンによると、赤い竜はブリタニア軍を意味し、白い竜はサクソン軍を意味しており、最初は白い竜が優勢でしたが、赤い竜が盛り返していたそうです。

これは何を意味するのか

マーリンは再び予言を始め、こう言いました。

<ヴォーティガンは殺され、アンブロシウス・アウレリアヌスが王となり、その後は弟ウーサー、さらにはウーサーの息子アーサーが偉大な指導者になると予言をしました。そして、アーサー王は攻めてくるサクソン軍を押し返すだろう>

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超パワー 

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その予言の通り、ヴォーティガンは復讐されて殺され、アンブロシウスがブリタニアの王座を奪いました。そして、マーリンは祖父が所有していた小さな領土を受け継いだようです。しかし、マーリンは、神秘的な人生を送ろうと願い、領土を去りました。

ヴォーティガンが王だった時代に、サクソン軍の計略にはまり、460人ものブリタニアの貴族たちは、平和会議で殺されという痛ましい事件がありました。

アンブロシウスは、犠牲者の霊を鎮めるための記念碑を建てようと考え、マーリンに相談をしました。マーリンはウーサーを連れて、アイルランドを探検し、ジャイアントリングと呼ばれる巨大な石を見つけました。マーリンは規格外の魔力を使用して、巨石を動かし、アイルランドから、アメスベリーの西側にまで運びました。

そして、そこにブリタニアの貴族たちの墓を建設しました。そして、私たちは今ではこの場所をストーンヘンジと呼んでいます。

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成りすまし 

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これ以降のマーリンは、第一のマーリンなのか、第二のマーリンなのか切り分けが難しい部分があります。とりあえず、切り分けが難しい部分は、第一のマーリンの中で記述します。

アンブロシウスが亡くなった後、やはりマーリンの予言通りに、弟のウーサーがブリタニア王になりました。ウーサーは、コーンウォール公ゴルロイスの妻 、イグレインに恋をしてしまいます。

ウーサーはマーリンの魔法の力によって、ゴルロイスに姿を変えて城に侵入し、夫と思ったイグレインと床を共にします。ゴルロイスは城の外におびき出され戦闘となり殺害されてしまいました。

この時、イグレインには子供が宿り、生まれたのがアーサーでした。魔法をかけた引き換えに、マーリンは生まれたばかりのアーサーを引き取り、エクトル卿に預けて育てます。

そして、マーリンはアーサーを王にさせるため、魔法を使って岩に刺さった剣を引き抜くコンテストを仕組んだのです。後に、マーリンは妖精、湖の乙女に出会い、魔法の剣をアーサー王にプレゼントするように説得しました。これがエクスカリバーです。

更に、マーリンは円卓をも作り出し、アーサー王キャメロットの国を導き助けることに従事するのです。

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マーリンの最期

 

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マーリンは、エクスカリバーを手渡した湖の乙女に深く恋をしてしまいます。マーリンは湖の乙女に魔法を教えることを引き受けました。しかし、湖の乙女の魔法の技術は目を見張るものがあり、マーリンを凌ぐほどにまでなりました。マーリンの奴隷になることを嫌い、湖の乙女はマーリンをガラスの塔で作った牢屋に閉じ込めてしまいました。

マーリンが拘束されているときに、アーサー王は徐々に力を失い円卓の騎士たちの間にも争いが生じ、ついにはカムランの戦いでアーサー王は最期を迎えることになったのでした。

 

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それほど、マーリンの力はアーサー王を支え、大きな影響を及ぼしていたと言えます。見方を変えると、マーリンの意思こそが、アーサー王をコントロールして、国の将来を決めていたのかもしれません。


「ワシもなかなか、やるじゃろ」 

 

 第二のマーリン 

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アンブロシウスが登場する時代、ストーンヘンジを作る辺りのマーリンまでは第一のマーリンであると思います。しかし、アーサー王が誕生する頃のマーリンは、第一のマーリンか第二のマーリンか、どちらとも解釈ができ切り分けは難しいかもしれません。
間違いなく、第二のマーリンである狂人となったマーリンのお話をします。 

 


「こっちもワシじゃ」

スコットランドのマーリン説

 

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マーリンには、アーサー王物語よりさらに先の話があります。マーリンはアーサー王がカムランの戦いで戦死した後、ブリタニア北部に旅に出ます。そして、現在のスコットランド付近にある ケア・グウェンドレウ国(Caer-Guenoleu)のグウェンドレウ王の部下となります。この地では、マーリンはライロケンまたはラロガン(LailokenまたはLlallogan)と呼ばれていました。

ある時、グウェンドレウ王は近隣の3か国と戦争になります。勢力を誇るストラスクライドのリデルヒ王、エブラウク国のペレディル王、ドゥナウティング国のドゥナウト王です。

この戦いで、マーリンが仕えたグウェンドレウ王と甥と兄弟たちは戦死してしまいます。マーリンは深い悲しみのあまり気が狂い、森の中に逃げ入り姿を隠してしまいます。マーリンは森の中で暮らし、野生のマーリンと呼ばれるようになりました。
その後、義兄弟のリデルヒ王に発見され、ストラスクライドの王宮に連れてこられそこで暮らしたそうです。

※ペレディル王はアーサー王物語に登場する、円卓の騎士パーシヴァル卿のモデル人物です。この記事に戦いの様子を書いています。

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マーリンの生涯―中世ラテン叙事詩

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アーサー王伝説 (「知の再発見」双書)

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「じゃ、またね」

最後まで読んでくださり有難うございました。

名前の永久欠番 イングランド国王のジョン王

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「こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。スポーツで大きな功績を残した人物が使用していた背番号を、その人物の栄誉と栄光の歴史を末永くたたえるために、他の人物はその背番号を使わないように欠番にしたものです」

「僕は野球が好きだったので、巨人の王貞治さんの1番、長嶋茂雄さんの3番、広島の山本浩二さんの8番、最近では黒田博樹さんの15番が思い浮かびます。
どの選手もとても記録と記憶に残る大活躍をされる、いわばヒーロー的な選手であったと思います」

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永久欠番と言えば、時代も国も大きく飛びますが、ジョン王はイングランド王室の中で、逆の意味で永久欠番をもらっている王だよなあ」

 

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永久欠番ならとても偉業を成し遂げた人なんですね。逆の意味で永久欠番というと・・・どんな内容なのか、気になりますね」

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「じゃ、ジョン王がやったことを簡単に説明しよう。そうすると、「逆」の意味が分かるよ」

 

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簒奪まがい

 

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「ジョン王は12世紀後半~13世紀前半に活躍した人物でイングランド王ヘンリー2世の三男でした。長兄リチャード1世イングランド王の時、遠征に出かけることが多く不在がちだったため、ジョンは王座を奪おうと密かに狙っていました」

 

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「ジョンは三男ということは、順番からすると次男が王ですよね」

 

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「そうなんだ。次兄のジェフリーは亡くなっていたので、ジェフェリーの息子アーサーが王太子だったんだ。ジョンは王位を主張するアーサーを暗殺し排除してイングランド王を継承したんだよ」
リチャード1世はジョンを後継にという遺言は残していました

 

連戦連敗で領土を失う

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「アーサー側についた人もいたんですよね。その人たちは対抗したのですか?」

 

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「アーサーを推す人の中に超大物もいたんだ。フランス王のフィリップ2世だよ。ジョンは王位にはついたものの、アーサーを支持して勢力を伸ばそうとしていたフィリップ2世と争いになり、フランスとイングランドの全面戦争となってしまうんだ」

「しかし、ジョン王はことごとく戦いに敗れ、イングランドがフランスに所有していた領土のほとんどを、失ってしまうんだ」

 

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「だから、ジョン王は失地王と呼ばれるようになったんですね」

※父ヘンリー2世がフランス領土を分配したときに、ジョンはまだ2歳で領土を与えられなかったことから欠地王とも呼ばれる

 

ローマと対立し破門

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イングランド最高峰のカンタベリー大司教の任命に関して、ローマ教皇インノケンティウス3世と対立し、破門されてしまうんだ。教皇らの圧力により、最終的にはジョンは教皇に屈したんだ。イングランドを一旦教皇に献上して、教皇からジョン王に与えるという形でイングランドは戻されたんだ

 

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「これはイングランド王の顔が丸つぶれですし、イングランドの人々にとって屈辱ですよね」

 

不名誉なマグナカルタ

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「領土を失ったことに懲りず、ジョン王は戦いを始めて敗北し軍事費がかさみ、この費用をねん出するため、貴族や国民への税負担を上げたんだ。このため怒りと反発を食らいジョン王を廃位しようという運動が始まったんだ」

廃位となると、自ら王位を後継に譲るか処刑される以外に王位が変わった例はなく、非常に不名誉なことなんだ」

 

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「ジョン王は貴族の言うことを聞いてしまったとか?」

 

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「そうなんだ。しかたなく、ジョン王は1215年にマグナ・カルタを制定し、貴族や聖職者の権利を認め、さらにはウェールズの領土や人質を解放するという内容でしたが、国王の尊厳を失ってしまうものだったんだ」 

 

再び貴族の反乱

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「しかし、ローマ教皇が国王の尊厳を守るべきだと、マグナカルタを廃止させてしまったんだ」

 

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「貴族たちは怒ったでしょうね」

 

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「そうなんだ。不満を募らせた貴族たちは、フランス王フィリップ2世の長男ルイの支援を得て、ジョン王に反乱を起こしたんだ。そして、この戦乱の中で、ジョン王は病死してしまうんだ」

 

 逆の永久欠番

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「なるほど~。ジョン王のやったことを振り返ってみると、英雄的なことは全くない気がしますね。それよりも、悪政とか不名誉なことばかりやっていたようですね」

 

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「そうなんだ。通常のイングランド王は、ヘンリー2世、ウィリアム1世、リチャード3世、などのように同じ名前が何度も使われ、区別するために「〇〇世」と呼ばれるんだ」

 

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「ジョン王には、「世」がついていない!」

 

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「ジョン王はあまりに不名誉で不人気だったので、ジョン王以外に、イングランド王でだれもジョンの名前を名乗っていないんだ。だから、ジョンという名前は不名誉な永久欠番となっているんだよ」

 

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名前が欠番のジョンです

 

※ヘンリー2世と王妃との確執、ヘンリー2世と息子たち(リチャード1世、ジェフェリー、ジョン王)との争いを、迫力満点に演じた映画「冬のライオン」

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脅迫と不思議な力 ~新たたかうカムリ戦士 第5話

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
ウェールズの創作歴史ストーリー、新たたかうカムリ戦士は毎週月曜日に公開しております。先週の内容は、エイニオンがモーガン王を欺き、戦いに勝利モーガン王を捕らえました。これに不快を示すグウィネズのイアゴが、オウァインとエイニオンの親子を脅しに行こう、という内容でした。

オウァインの息子、最弱戦士のマレドが奏でるハープは、何やら人の心を変える力があるようです。というわけで第5話をお楽しみください。

 

※先週の第4話

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脅迫と

今から10年前。ウェールズ北部、グウィネズ国。
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「あにきぃ、今がチャンスだよねぇ~。オウァインのデハイバースもぶん取っちゃいましょうよぉ」

 

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「そうだ! 奴らをつぶしてやろう。父イドワルの雪辱を晴らそうではないか。父の国グウィネズは取り戻したけれど、それだけでは腹の虫がおさまらぬ。父の宿敵であったハウェルの国、デハイバースを攻め、今度は俺たちが奴らを支配してやる」


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「うん~っ、そういうの俺は大好きっ。勝ったらさあ、兄貴。俺にも分け前をたんとおくれよね~」

 

オウァインの父ハウェルは、イアゴとイエウヴの父イドワルと戦い、ハウェルが勝利してイドワルの国グウィネズを支配したのであった。ハウェルが亡くなったとたん、イアゴとイエウヴはグウィネズを奪回し、その勢いに乗ってオウァインが治めるデハイバースへ攻撃をしようと企んでいた。

 

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10年前のウェールズ西部、デハイバース国。

<オウァイン様、オウァイン様! 大変です! イアゴ達が攻めてきました!!>


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「なに! グウィネズだけで奴らは満足せぬというのか! 欲の深い奴らめ!いかん、我らに攻め入るとは予測してなかった。うぐぐ、軍備が間に合わぬ」

 

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「兄貴い、デハイバースを攻めて勝ったら、どんな分け前をくれるんだよぉ」

 

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「そうだな、イエウヴ。お前、思う存分、攻撃して略奪してこい。略奪品は全部お前にやるぞ」

 

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「えええっ、全部くれるんすかぁ? うふふふ、僕頑張っちゃお~っと」


イエウヴ率いるグウィネズ軍は、デハイバースに侵入し放火、略奪を繰り返し、デハイバースの北部を何も奪うものがなくなるほど荒廃させた。

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「おい、イエウヴ、その辺にしといて、ずらかろうぜ」

 

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「えっ、もう帰るんですかぁ。もうちょっと南まで略奪して、がっぽがっぽ儲けましょうよ」

 

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「オウァインの奴が、軍を集めこちらに向かい始めているようだ。奴らが、ここに到着する前に、俺らは帰るぞ」

 

 

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「俺の国をこんなにしやがって。イアゴとイエウヴを追え! 奴らに追いつき奪われたものを奪い返せ!」
「くそっ、国境まで来てしまった。逃げ足の速い奴らめ。よし、構わぬ、グウィネズに攻め込むぞ!」

 

 

ヒュー、ヒュー、ヒュー、うげっ、バタバタバタ


グウィネズのロングボウ部隊が潜んでます。オウァイン様、数が多すぎます>


ヒュー、ヒュー、ヒュー、うごっ、バタバタバタ

 

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「うっ!!」

「いかん。これはマズイ、全滅してしまう。デハイバース軍、戦いをやめて撤退だ!全員引けっ!」

 

10年前のこの戦い、オウァインが治めるデハイバースは略奪で大きく国は荒廃した。結局のところ自分たちの領土をお互い確保して終結はしたものの、常にお互いの動きを監視し、冷戦状態が続いていたのであった。 

 

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現在のウェールズ西部、デハイバース国に、イアゴとイエウヴは押しかけた。

 

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「これはこれは、皆さんご丁寧なお出迎え。オウァイン殿、お元気そうでないよりですな」

 

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「イアゴ殿、遠いところ何の御用かな」

 

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「おおお、これはいきなり鋭いご質問。聞いてくださって感謝しますよ」

 

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「オウァインさんよぉ。あなたたち最近、とっても景気がいいそうですねぇ」

 

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「イエウヴ殿、何のお話かな?」

 

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「オウァイン殿、とぼけても無駄ですよぉ。オレらぜーんぶ知ってますからねぇ。いたいた、エイニオン殿。エイニオン殿、あなたモーガンウィグ国に攻め込み、汚い手を使ってモーガン王を捕まえませんでしたかぁ?」
「ぜーんぶ知ってるんですよぉ。領土も奪っちゃったそうですねぇ。景気がよくって、いいですよねぇ」

 

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「・・・」

 

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「黙ってても無駄だよ、早く認めなよ」

 

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「・・・」

 

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「無駄だと言ってるのが分からんのか、くらぁっ。勝手にモーガンウィグを攻めやがって。おおおう、俺らの恐ろしさを知らんのか? また昔みたいに、てめえらを攻めてヒンむいてやるぞ!」

 

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(ふふふ、兄貴ぃ、奴らビビッてますねぇ。ふふふ、脅しがいがありますよねぇ~)

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(さすが、イエウヴ。こういう時は、お前の強面の顔が役立つなあ)

 

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「ここで、貴方たちに、チャンスをね、あげますよ~。3択で好きなものをね、選んでくださいよぅ~」

「一つ目、我々グウィネズの傘下に入る。二つ目、奪ったモーガンウィグの領土を半分さしだす。三つ目、いずれも拒否し、我々の総攻撃を受ける。さっ、オウァイン殿。どれを、選びますかぁ?」

 

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「うぬぬぬぬ」

 

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「早く考えてく・だ・さ・い・よ~」

 

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「あ、あのう、お取込み中、しっ失礼します。よろしいでしょうか?」

 

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「誰だお前わぁ?」

 

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「は、はい。マっマレドと申しまして・・・一応、オウァイン王の息子をさせていただいております」

 

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「オウァインの息子? まだこんな弱弱しいクズみたいなのがいたのか? そんでクズくんが何の御用だね?」

 

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「は、はい、イアゴ殿のグウィネズから使者の方が来られまして・・・」

 

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「何の用だ? 何と言ってるのだ?」

 

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「は、はい、それが・・・ヴァイキングの大軍がウェールズに攻めてきたようでして・・・グウィネズとデハイバースで略奪を始めたそうです」

 

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「なに、ヴァイキング? またうっとうしい奴らか。そんなの放っておけ。それより、俺たちはお前たちの答えを待っているんだ。早く答えろ。答え次第によっては、我々はお前らを攻撃する。答えはなんだ?」

 

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「うぬぬぬぬ。三択、どれも受け入れらんな。傘下も領土も拒否し、お前らに攻められるのも拒否する」

 

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「な、なんですと? 俺たちをなめてんじゃねーぞぉ~っ」

 

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「ひぇ~、ごごめんなさい~」
「あ、あのう・・・つかぬことを聞いてもよいでしょうか? つ、つまり四択目はないのでしょうか? 戦いをやめて協力し合うとか・・・つ、つまり・・・協力し合ってヴァイキングを追い出すとか・・・」

 

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「お前ごときクズに何がわかる! 意見するのは100年早いわ。このイアゴ様がオウァインの奴と協力? あり得んな。あり得るのはテメエらをぶっ潰すことだ」

 

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「ひぇ~っ、ご、ごめんなさい・・・うっ、うっ、うっ」

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<ポロローン、ポロローン、ポポポローン>

 

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 「このイアゴ様がオウァインの奴と協力だと? ふむ、それも有りかもしれぬ。今はウェールズ内で争うより、うっとうしい強敵のヴァイキングを追い払うために、一時休戦して、協力し合ったほうがいいな。どうだね、オウァイン殿」

 

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「俺も同感だよ、イアゴ殿。ぜひ協力し合って、ヴァイキングと戦おう!」

 

やはり、マレドの演奏するハープは・・・
次回に続く。

 

 

※前作たたかうカムリ戦士ストーリー一覧 

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アーサー王の円卓(ラウンドテーブル)の場所は? 円卓は結婚祝いだった?

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「こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。アーサー王や円卓の騎士で有名な、「円卓」。その円卓ってどこにあるの? と聞かれたりします。
円卓の意味や起源とともに、円卓の場所がどこにあるのか? をじっくりとお話ししましょう。

 

円卓の意味、起源

 

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アーサー王で有名な円卓(Round Table)は、円卓の騎士が座って会議をしますよね。丸い意味は何かあるのですか?」

 

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ケルト人の戦士たちは、円形になって集まる風習があったり、戦いのときも円形になって戦う記録もあるんだ。それがアーサー王物語に取り入れられ、宮廷で会議を開くときのテーブル、ラウンドテーブルになったという説もあるんだ。円形になると皆平等なんだよな」

「だから、円卓には上座も下座もないんだよ。円卓の騎士たちが、座る位置によって口論が起きるのを防いだり、自由に議論しあえたりするためだよ。日本でも、実際に会議を円卓で行ったところ、議論が活発になったという報告もあるんだ」

 

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アーサー王の時代(6世紀)に、そこまで考えられていたのは、すごいですね。円卓はどのくらいの人が座って、会議に参加できたのですか?」

 

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「それには様々な議論があるんだ。13席というのが広く言われている数だけど、25席という説もあり、更にもっとという説もあるんだ」

 

※25人の説

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 ※円卓の騎士になって、円卓に座る条件は厳しかった

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「もちろん円卓はアーサー王が作ったんでしょうね」

 

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「これにもいろんな説があると思うけど、アーサー王の父、ウーサー・ペンドラゴン王が、マーリンから聞いたアリマタヤのヨセフや聖杯テーブルの話を聞いて、円卓を実際に作ったそうだよ。そしてレオデグランス王に渡したそうだ」

「実は、レオデグランス王の娘がグィネヴィアで、円卓がある場所でアーサー王とグウィネヴィアは結婚式を挙げた、と言われているんだ。アーサー王の円卓の始まりは、つまりウーサー王からの結婚祝いの品だった、って訳だ」

※ヨセフは十字架のもとでイエスの血を受けた聖杯を持ってイギリスに渡ったとされています

 

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 「へえ、面白いですね。そのおめでたい円卓ってどこにあるのですか?」

 

円卓がある場所

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ウィンチェスター円卓

ウィンチェスター

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「これも、いろんな説があって断定はできないんだけど、有名な説を紹介するよ。一番有名なのは、イングランドの南部、ウィンチェスター にある円卓だよ。このウィンチェスター・ランド・テーブルは25席あって、直径は18フィート(約5.5m)なんだよ。ウィンチェスター・ラウンド・テーブルの名前は、マーリンの魔法の金によって書かれているそうだ。もっとも、このラウンドテーブルの所有者によって大きく変えられているそうだがね」

ウィンチェスターは円卓だけでなく、アーサー王が城を構えるキャメロットでもある、という説があるんだ。ウィンチェスター円卓(Winchester round  table)は、ウィンチェスター城のグレートホールに置かれているのです。

 

場所:ウィンチェスター (イングランド) - Wikipedia

動画:
 youtu.be

カールレオン説

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「カールレオン(カーリアン)は、ローマ時代の円形演技場があったとても古い街です。(アーサー王の時代は、ローマ帝国ブリタニアから去ってから、1世紀半ほど後になります)」

アーサー王は岩に刺さった兼を引き抜いて王になったときに、カールレオンにあるアーサー王の宮廷で戴冠式を行ったんだ。だから、カールレオンこそがキャメロットである、という説もあるんだよ。それに、カールレオンにはアーサー王のテーブル(Arthur's table)と呼ばれる、芝生に囲まれた巨大な円形のくぼみがあって、そこにアーサー王や円卓の騎士が、よく座っていたと言われているんだ」

 

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カールレオンにあるローマ遺跡(ウィキペディアより)

場所:Caerleon Roman Fortress and Baths
動画
Site of King Arthur's "Round Table" - YouTube

 

その他の円卓の候補地

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「これらはローマ帝国が5世紀初めにブリタニアから撤退した後に、ローマ帝国の宮廷があって人々が集った場所ではないかと言われています」

 

アーサー王の円卓の石サークル(Arthur's Round Table Stone Circle)があるメイバラヘンジ (イングランド、カンバーランド) 
場所:Mayburgh Henge - Wikipedia

 

・Bwrdd Arthur(ウェールズ語で、アーサー王のテーブルの意味)がある、アングルシー島の Llanddona (北ウェールズ)  

場所:Bwrdd Arthur - Wikipedia
動画:Bwrdd Arthur, Anglesey Walks In Wales, UK - YouTube

 

スコットランドスターリンにあるキングズ・ノット(King's Knot)。

場所:The Kings Knot - Destination Stirling

ウェールズ南部のブレコンにあるペン・イ・ヴァン(Pen y Fan)。
場所:Pen y Fan and Corn Du circular walk | National Trust

 

最後に

 

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アーサー王の円卓はどこにあったのか、いろんな説があってどれが正しいかは分からないな」

 

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「話だけ聞いていると、ウィンチェスターかカールレオンの気がしますね」

 

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「何れの場所もアーサー王とは何らかの関わりがあると思われ、アーサー王物語を読んだり映画を見たりしたときに、注意しながら楽しむのも面白いと思うな」

 

※円卓の騎士にまつわる記事

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漫画「七つの大罪」 リオネス城の各パーツのモデル城

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「こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです」
「漫画 七つの大罪の舞台となっているのが、リオネス王国。中世のイギリスがモデル地となっています。そして、リオネス王国の王都リオネスにあるのが、バルトラ王が住むリオネス城です」

「リオネス城をよく観察してみると、ウェールズにある幾つかのお城の雰囲気がたっぷりと感じられます。荘厳な要塞、かわいいお城、世界遺産などが組み合わさり、素晴らしいお城になっています」

「では、リオネス城のどの部分が、ウェールズにある実際のお城と似ているのか、見てみ見ましょう」

 

リオネス城によく似たおしろ城たち

城壁

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「まず、王都の全体とリオネス城の状況図を見てみよう(9巻 第65話)。王都全体は城壁に囲まれており、その中にさらに城壁に囲まれたリオネス城があります」

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「この円柱型の建物と壁でできている城壁を見てみよう」
(8巻 第62話、アーサー・ペンドラゴン登場の場面)

「町をぐるりと城壁で囲んだ世界遺産コンウィー城が、リオネス城の城壁とそっくりです。とても荘厳なお城ですが、城壁から眺める町や海の景色は最高ですよ」

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「円柱状の城壁が見れる素晴らしいお城は、ウェールズには多くあります。でも町をぐるりと取り囲んでいるお城は、コンウィー城だけです。これらのお城は13世紀末に建てられた要塞城で、敵への威圧や監視など敵の侵入を防ぐために用いられました。リオネス城の城壁も、同じような役割かなと思います」

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城門

 

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「また、同じ城壁で城門付近を見てみよう。城門と、お城の四角い建物の雰囲気が、ウェールズの首都カーディフにある、カーディフ城にも似ていると思います。そう、カーディフ城は、1巻で登場した町はずれの古城のもそっくりです」

 

リオネス城の城門

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カーディフ城。なんとなく雰囲気が似てませんか。

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お城の建物

 

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「さらに城壁の中のお城を見てみよう。お城のメルヘンチックなトンガリ円柱状の建物だ。(例えば、8巻 第62話)

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「これに似たお城もウェールズにあるのです。ウェールズの首都カーディフの郊外にある、コッホ城。赤いお城です。おとぎ話にも出てきそうな感じがしますね」

「コッホ城は要塞ではなく、中世以降に建てられたお金持ち貴族が住んだ居城です。リオネス城でも、バルトラ王やエリザベス、マーガレット、ベロニカが住んでいる建物ではないかと思います」

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追伸

 

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「岩の上に建っている、元マーリンの館でヘンドリクセンの魔術研究所。同じ様に巨大な岩山に建っている、スコットランドにあるスターリング城。なんとなく似てる? 似てない? あんまり?」

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最後に

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ウェールズは中世時代のお城が非常に多く残る場所です。ウェールズのお城について書いた記事を集めました。


ウェールズのお城特集

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 ※七つの大罪の記事

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 最後まで読んでくださり有難うございました。

取材、記事のご依頼、お問い合わせはこちらまで t.akr125@gmail.com