イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史、イギリスの歴史、アーサー王、イギリスの歴史に関連する内容を中心に記事を書いています。

ウェールズ版の戦国時代を終結させ、ヘンリー1世を破った英雄の波乱万丈な人生

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11世紀のことでした。
アイルランドに、グリフィズ・アプ・コナン(Griffydd ap Cynan)と言う青年が住んでいました。

 

グリフィズには野望がありました。
その野望は青年になってから事実を知り、フツフツと湧き上がったものでした。

 

それは、北部ウェールズの国グウィネズを奪回して平和な国を作ることでした。
しかし、簡単に事は運ばなかった。彼は稀に見る、波乱万丈の人生を歩むのでした。

 

生い立ち

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「えっ、僕はグウィネズを治めていたウェールズ王室の血筋なのですか?」

 

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「そうじゃ、成り上がり者のトラハエアルンが、グウィネズの領土を奪ったんじゃ」「本来ならば、グリフィズさんが王になる資格をもっているのじゃ」

 

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「僕が王に?」

 

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「今の王、トラハエアルンは評判が悪い。人々の生活を苦しめている。グリフィズさんが王になって皆を救ってくれ」

 

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「僕が王に・・・」

 

※こいつがトラハエアルンじゃ

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トラァ~

 

王座奪回できるか?  山あり谷あり

1075年、グリフィズが20歳の時に決意をしました。
グリフィズはアイルランド軍の援助を受け、北ウェールズに上陸しトラハエアルン軍と対決しました。

 

不意を突いたグリフィス軍はトラハエアルン軍を破り、トラハエアルンを国外に追放したのです。

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ひえ~

 

 

 

 

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「やった、意外に簡単に王になった」

 

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「おめでとうございます」

 

一気にけりがついたように見えたが、時代は11世紀初頭の乱世。
すんなりと行くはずは有りませんでした。

 

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「ノルマン軍が攻めてきました!」

 

フランスからやってきて、イングランドを征服したノルマン軍が、まだ不十分とウェールズも征服しようと侵略してきたのです。
グリフィス休むことなく、ノルマン軍との戦闘に出ていかなければなりませんでした。

 

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「トラハエアルン軍の反撃です!」

 

ノルマン軍と戦っている隙をついて、トラハエアルン軍が雪辱を果たしに攻め込んできたのです。

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トラァ~


今度は不意を突かれたグリフィズは成す術がありませんでした。

グリフィズはウェールズを脱出し、アイルランドへ逃げ帰りました。

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反撃なるか? 天下分け目の戦い

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このままではトラハエアルンに勝てない。


トラハエアルンはウェールズ南部のカラドグ王と同盟を結び、グリフィズの反撃に備えていたのでした。

 

トラハエアルンに対抗するには、自分も仲間を増やさなければならない。グリフィズは隣国のリース王に声をかけました。

 

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「リースさん、私と同盟を結び、お互いの国の復興に協力し合わないか」

 

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「それは名案だ。我が国デハイバースもカラドグに侵略され、私はこの通り放浪生活だ」

 

共に国を追われた似た者同士のグリフィズとリースは意気投合し同盟を結びました。
アイルランドからも援軍を受けたグリフィズは、ウェールズの北の外れにあるアングルシー島に上陸し、リース軍と合流しました。

 

世にいう、ウェールズ版の天下分け目の戦いが始まったのです。
両軍がウェールズ北部の戦場にたどり着き、戦いに備えて夜営を張りました。

 

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トラァ~

 

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負けるもんか!

 

ここでグリフィズ連合軍は、常識破りの行動に出た。とはいえウェールズでは常識だったかも知れません。考えた戦法は急襲作戦でした。

 

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「軍は異動で疲れている。天候も悪いし、しっかり休息をとって明日の戦いに備えるべきだ」

 

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「いや、日中戦っては、数の上でも敵が有利だ。休んで油断している夜中が攻めるチャンスだ」

 

軍内で賛否はあったものの、戦いに備えて夜営を張ることなく、そのまま素通りし夜中に敵陣へ攻め込んだのでした。

 

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いくぞっ!

 

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トラァ~~~

 

暗闇で寝ているところに奇襲を仕掛けられトラハエアルン連合軍は慌てふためき、形勢を整えることができず敗北しました。

 

トラハエアルン、カラドグはいずれも戦死し、グリフィズはウェールズ王を奪回し、リースも領土を取り戻すことができました。

天下分け目の戦いはグリフィズ連合軍の大勝利となったのです。

1081年、グリフィズが26歳の時でした。

 

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よっしゃ!

 

f:id:t-akr125:20170426212023j:plain💦💦💦 

 

新たな脅威、絶体絶命のピンチ

 

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「やった、長年の雪辱を晴らしたぞ」
「これでウェールズにも平和が訪れる」

 

油断したのか否か、グリフィズに危機的な状況が襲いかかってきました。
しばらく大人しくしていた、ノルマン軍が再び活発な動きを開始したのです。
ウェールズとの国境付近チェスターに住むノルマン人、ヒュー伯爵に攻め込まれ、グリフィズは捕らえられ、チェスター城に投獄されてしまいました。

 

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ああああああっ~~

 

ウェールズはノルマン軍に占領され、グリフィズも絶体絶命のピンチに立たされました。

f:id:t-akr125:20170426211201j:plain💦💦💦   

 

運を呼び込む見えない力

 

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「ああ、僕は捕えられてしまった。もう一生牢屋で過ごすのだろうか」
「いや、そういう訳にはいかない。必ず抜け出してウェールズを復活させなければ」
「でもどうやって・・・・」

 

グリフィズは捕らえられたまま、1年すぎ、2年が過ぎ、5年が過ぎ去りました。
しかし依然としてグリフィズは捕らえられたままでした。

 

希望を失い、絶望感に幾度となく襲われたのでしょう
体もやせ細り、体力もそがれたことでしょう
生きる気力さえ、失うこともあったかも知れません

 

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「くそっ、こんなところで一生を終えるつもりはない! 諦めるもんか!」

 

 グリフィズが捕らえられて12年とも16年とも言われているある日の事でした。
 「囚人たちにも祭りに参加させてやろう」
「手錠と、足の鎖は外すなよ!」

 

祭りでは市場が開催されていました。突然、武装した集団が現れ、出店も囚人たちもあるもの全てさらっていったのです。

 
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「なにをする!」
「ごめん!」
 
グリフィズらの囚人もじゅうたんのような布に巻かれ、荷車に放り込まれました。
 
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「いてててて、何をするんだ、どこへ連れて行くんだ」
 

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「ご無沙汰です、グリフィズ王!」

 
盗賊に、市場の物品ごと連れ去られてしまいました、これからどうなるんだ。と思いきや、実はウェールズ兵達が仕組んだ、グリフィズ救出劇でした。
 
グリフィズは軍を立て直すために、ウェールズを通り抜け、アイルランドへ脱出しました。
1093年、1097年とも言われ、1055年生まれのグリフィズは、すでにアラフォーの年齢になっていました。
 

故郷の奪回

 
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「ノルマン軍がどんどん攻めてきます」
 
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「もはや、ウェールズはノルマンのものになってしまうのか」
 
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「ノルマン軍の横暴さには我慢なりません。略奪は横行し、高税金を掛けられ、我々は生きていけません」
 
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「このまま、ノルマンの言うがままで良いのか」
「ウェールズで結束し、ノルマン軍に立ち向かおう」
 
ウェールズ各地でノルマン軍に対する反乱が起こった。ウェールズ軍だけでなく、農民たちも一緒になって起こした反乱でした。
 
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「今がチャンスだ。ノルマン軍を攻めよう!」
 
グリフィズはアイルランド軍の援助を借り、ウェールズ全土に広がった反乱軍に加わりました。グリフィズはウェールズ北部を占領していたノルマン軍を打ち破り、ついに領土を奪回したのです。
 
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「やった!ついにやった!我が祖国を自分の手に取り戻した」
 
しかし、領土を取り戻したとは言え、まだ一部でした。
今度は、逆にノルマン軍を攻め続け、ジワリジワリとウェールズの領土を広げて行き、本来のウェールズとイングランド国境付近まで、勢力を押し戻しました。
 
しかし、油断は大敵でした。過去に何度も、喜んだ直後に足をすくわれ、領土を奪われていたからです。
 
 
このグリフィズの快進撃にに激怒する人物がいました。
ノルマン軍のトップに君臨するイングランド王、ヘンリー1世でした。

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「グリフィズのやつ、けしからん!」

 

イングランドとの激突と終結

 

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「イングランド王、ヘンリー1世陛下!」

 

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「なんだ騒がしい」

 
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「ウェールズ内にいる我がノルマン軍はグリフィズに追われ、国境もおびやかされています」
 
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「うぬぬ、こざかしい奴め。グリフィズ討伐だ! 容赦せずにコテンパにやっつけろ!」
 
ノルマン軍は何度もウェールズを攻撃しました。グリフィズは、またしても危機に陥ってしまったのです。
 

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「ウェールズの同士よ、ノルマン軍に心の強さは負けるな」
「我らの戦いを忘れるな。奇襲にロングボウ、自分たちの力を信じて立ち向かおう。きっと勝てる。ウェールズ魂を発揮しよう」

 
ウェールズ軍はとても勇敢でした。粘り強く戦い、ノルマンの大軍を逆に苦しめるようになりました。
 
 
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「くそっ、しぶとい奴め。金を支払えば、平和協定を結びお前の地位と領土を認め、攻め込むのはよしてやろう」
 
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「分かりました。有難き幸せ。協定をむすびましょう」
 「これで本当に平和が実現だ!」
 
しかし、ノルマン軍はノルマン軍であった。強力な戦闘能力を得意とするだけでなく、敵を欺くのも得意でした。
 
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「ふふふ、ワシの思うつぼだ。ウェールズで権力を握っているグリフィズの奴め、忌々しい。ノルマン軍の権力を思い知らせてやる」
 
1121年、ヘンリー1世率いるノルマン大軍はウェールズに再び侵略しました。
しかし、団結したウェールズ軍はノルマン軍にふたたび襲いかかりました。
 
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へンリャ~
 
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行くぞ!
 
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コリャ! マイッタ
 
ノルマン軍は大敗し、ウェールズを攻めるのは領土を拡げるどころか、大きな損害を被ると悟りました。以降、グリフィズの統治時代に、2度とノルマン軍はウェールズを攻めることはありませんでした。
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ついにウェールズに平和がやってきたのです。
この時、グリフィズは66歳でした。グリフィズは82歳で亡くなるまでウェールズの統
治者として君臨しました。
グリフィズは波乱万丈の生涯でしたが、乱れたウェールズを建て直し黄金期を作った英雄なのです。

 

最後まで読んでくださり有難うございました。

 

※グリフィズが活躍した時代の背景 

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