こんばんは。たなかあきらです。
三国志とは内容は大きく異なりますが、ウェールズの歴史にも三国に分かれて争い合った時代がありました。
その三国とは?どんな戦いをして結末はどうなったのか? その時代に登場した大王のストーリーとともにお話しいたします。
<まえがき>
前回は、ウェールズが荒廃した時代に救世主と大王が現れ平和を取り戻した、ウェールズ統一時代(9世紀前半~10世紀中盤)の前半部分についてお話しいたしました。
今回第6話は、ウェールズが分裂して三国時代となります。そのご再び大王が登場しウェールズを統一した時代をご紹介します。
今回もこの2人にウェールズの歴史を分かりやすく話し合ってもらいます。
ワタル課長
部下アサオ
※各時代の呼び方分類は、筆者独自によるものです
平和を取り戻したウェールズの世の中に暗雲立ち込める・・・
荒廃した世に救世主と大王が現れ平和な時代を取り戻したウェールズ。大王ロドリは三人の息子たちに領土を分け与え平和な世の中を強化しようとした。しかしウェールズに不吉な風が吹き始め、再び戦乱に陥っていくのか・・・というのが前回の内容でしたね。
前回の主役ロドリ大王
その三国とはグウィネズ(Gwynedd)、デハイバース(Dehaeubarth)、ポウィス(Powys)
ロドリ大王と息子たちの家系図
本当にまた戦いが始まるのですか?
ウェールズを統一したロドリ大王は、アングロサクソン七国の一国ウェセックスの英雄アルフレッド大王と同盟を結び平和的に均衡を取っていたんだけど、以前の強国マーシアが再びウェールズを攻撃してきたんだ。
※アルフレッド大王:イギリス(アングロサクソン諸国)がバイキングに征服されかかった時に、バイキングを打破しイギリスを守った歴史的な英雄
まだマーシアはしぶとく残っていたのですか?ウェールズは防げたのですか?
そこは結束固い「ブリテン島の三王」と呼ばれた息子たち、アナラウド&カデル&メルヴァン三兄弟は力を合わせマーシアを撃退したんだ。
さすがロドリの狙い通り期待に応えたんですね!
しかし、ロドリの没後はウェールズ版三本の矢はバラバラになり再び戦乱の世が訪れてしまったんだよ。
えっ・・・三兄弟はどうしてしまったんですか?何が起きたんです?
三国時代:ウェールズが分裂し戦乱の世に・・
三兄弟の対立
野心を燃やす長兄アナラウドは父と同じくウェセックスのアルフレッド大王と同盟を結び、次男カデルの領土を狙ってデハイバースを攻めたんだ。
同じく野心家のカデルはアナラウドと戦いながら、三男メルヴァンを攻めポウィスを奪ってしまいました。こうしてアナラウドとカデルの対立は深くなっていきました。
あああっ、、三兄弟仲間割れしてしまったんですね・・・
長兄アナラウドの後は息子イドワル・フォエル(はげのイドワル)が継ぎ、当時のウェセックス王アゼルスタンと同盟を結んだんだ。一方、次男カデルの後は息子ヒウェルが継ぎました。
イドワル・フォエル(フォエルとはウェールズ語でハゲの意味)
今度はロドリの孫同士の争いですか?
その通り!ちょとここで家系図を示しておこう。アナラウドを創始者としてイドワルが継いだ家系をアバファラウ家、カデルを創始者としてヒウェルが継いだ家系をディナヴァウル家と呼び王家は分裂したんだ。
再びウェールズに大王現れて統一する
ヒウェル良王(トップ画像も)
孫同士の争いは収まったのですか?
実はヒウェルもアゼルスタンと同盟を結び親密な関係を築き、ヒウェルとイドワルはにらみ合いを続けたんだ。
ヒウェル・アゼルスタン同盟
※アゼルスタンはアングロサクソン諸国を統一しイングランド王国を建国し、
さらにウェールズとスコットランドまで影響力を及ぼした強力な王
イングランド、アゼルスタン王を描いたステンドグラス
そしてイングランド王がエドムンドに変わった時にヒウェルは同盟を続けたけれど、ヒウェルの権力増大を恐れたイドワルはイングランドに戦争を仕掛けたんだ。イドワルは敗北し、ヒウェルはイドワルの領土を奪い再びウェールズのほぼ全域を統一したんだ。
ヒウェル・エドムンド同盟
若いころから戦いに明け暮れ暴力的な面を持ったヒウェルでしたが、ローマ巡礼をして法律を学び帰国後に、ウェールズで初めての法典であるウェールズ法を制定するなど平和な国造りに力を尽くしたんだ。このため、ヒウェル・ザ・グッド(ヒウェル良王)と呼ばれてるんだよ。
さあ、どうだか・・・
※ヒウェル大王に関する記事
今回のウェールズ歴史、三国時代のまとめ
ロドリ大王の出現で統一されたウェールズでしたが、息子の代で対立しあい戦乱の世に戻ってしまいました。しかし孫ヒウェルが再びウェールズを統一し平和な世を取り戻し法により国を強化しました。
この後、分裂した2王家の関係はどうなっていくのでしょうか?続きは次回をご覧ください。
最後まで読んでくださり有難うございました。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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