アーサー・ペンドラゴンはアーサー王の本名か? アーサーもペンドラゴンもあだ名か?

アーサー王
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f:id:t-akr125:20180724001733p:plain(19.11.10更新)
こんにちは、たなかあきらです。

アーサー王の名前は、アーサーでよいのでしょうか?名字はないのでしょうか? 

アルトリウス、アルトゥース、ペンドラゴン、ウーサー・・・アーサー王に関する色んな名前が出てきます。
いったい、アーサー王の本名はどれなんでしょうか

今回は、アーサー王の名前について、
・アーサー・ペンドラゴンは正しいのか?
・アーサー王の本名はこうじゃないか?

について議論いたします。

 

 


 

 

ペンドラゴンの名は?どのような意味を持つのか?

 

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ペンドラゴンという名前は、アーサー王の父と言われている、ウーサー・ペンドラゴンから来ている名前です。


ペンドラゴンが、仮に名字であるとしますと、アーサー・ペンドラゴンは、現在の欧米人の名前の通り、ファーストネーム(名前)+セカンドネーム(名字)と考えてもおかしくはないと思います。

 

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しかし、ペンドラゴンという呼び名は名字ではなく、ウーサーの「あだ名」であると考えられます。

というのも、中世のブリトン人(ブリタニアの人々)は、名字を持たず、自分の名前の後にあだ名(動物や体の特長を意味する)を付けることが通常でした。

 

 

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ペンドラゴンの意味は、ペン(ウェールズ語で頭)+ドラゴン(竜)の意味です。
つまり、頭にドラゴンの鎧をかぶっている、または頭上にドラゴンの旗を掲げて戦場に出ている、と考えられます。


もしアーサーもペンドラゴンと呼ばれていたのなら、ドラゴンを頭につけたり旗を頭上に掲げていたのでしょうか?

👉中世のあだ名についてもっと知りたい方はこちら!

>>そんな面白いあだ名をウェールズ王につけるの?

 

 

アーサーの本名はこう書く

 

 

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中世のブリトン人は名字を持たない代わりに、あだ名をつけるだけでなく、正式には、親の名前を自分の名前の前に付けていました。

例えば、ウェールズ王室の開祖と呼ばれているキネダ(Cunedda)は、父の名前がエダン(Edern)であり、

キネダ・アプ・エダン(Cunedda ap Edern、エダンの息子キネダ)

と呼んでいました。これが、一般的なブリトン人の正式な名前になります。

 

 

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これを考慮するとアーサー王の本名は(アーサーが本当の名前だとすると)

「アーサー・アプ・ウーサー(Arthur ap Uther)」となります。

 

 

アーサーは本当に名前か?  

 

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アーサー王(Arthur)の名前は、アルトリウス(Artorius)やアルトゥース(Arturus)が由来となっているという説があります。


いずれもラテン語でローマ的な名前ですが、この当時のブリタニアは、まだローマ帝国の影響力が残っており、名前もローマ的であっても何ら不思議はないと考えられます。

しかし、アルトリウスもアルトゥースという名前の人物は実際にいなかったという説があります。

 

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ブリトン語にはArtorī(gi)osという言葉があり、これは熊の王を意味し、ウェールズ語のArth「熊」+(g)wr「男」という意味です。

また、牛飼い座の恒星にアークトゥルス(Arcturus)があり、アークトゥルスは古代ギリシア語に由来する言葉で「熊の守護者」を意味しています。

 

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つまり、アーサー(アルトリウス、アルトゥース)も、熊を意味する「あだ名」ではないか、と推測できます。

熊のように体が大きかった、熊のように強かった、などと推測されます。

 

 


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では、アーサーがあだ名なら、いったい本当の名前は何なのでしょうか?
色んな憶測ができます。

 

 

アーサーがあだ名だったら本名は?

 

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アーサー王には数多くのモデル人物がいます。

<アーサー王のモデル人物例>

・ルキウス・アルトリウス・カストゥス
・マグヌス・マキシムス
・コンスタンティンⅢ世
・アンブロシウス・アウレリアヌス
・リオタムス
・オウァイン・ダントグウィン

などが挙げられます。

 

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これらの人物のうち、誰かがArth「熊」を意味するあだ名を持ってる人物はいるのだろうか?

 

 

👉アーサー王のモデル人物についての詳細はこちらの記事

>>アーサー王の実在のモデル人物を集めて アーサー王物語を構築してみた

 

 

オウァイン・ダントグウィンの説を紹介

 

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この中で、「アーサー」という名前に最も関連がある人物がいます。
5世紀に現在のウェールズで活躍したオウァイン・ダントグウィンです。

ダントグウィン(Ddantgwyn)はあだ名で、白い歯(刃))という意味です。なんとなく、アーサー王の剣、エクスカリバーを彷彿させます。

 

※他の人物は、すべてローマ的な名前でローマ帝国との関連があります。

 

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オウァインの父は、エイニオン・アプ・キネダと言い、北ウェールズの王でした。

エイニオンに、Yrth(せっかち)というあだ名がついており、エイニオン・イースと呼ばれていました。

このYrthに男(g)wrをつけてみると、イーサー(Yrthwr、Yrthur)となり、アーサー王の父ウーサー(Uther)に似ていると思いませんか?

 

 

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また、オウァインには、白い歯(刃)以外に、Bear(熊)というあだ名もあった、という説もあり、ますますアーサーを彷彿させます。

※オウァインの息子、シンラス(Cynlas)はブリタニアの暴君と呼ばれ、シンラスのあだ名が熊である、という説もあります

 

 

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さらに、興味深い話があります。

オウァイン・ダントグウィンは、兄を後継して北ウェールズの王になるはずでしたが、甥のマエルグウィン(Maelgwn)との戦いに敗れて戦死した、という説があります。

マエルグウィンは、アーサー王物語に登場するモルドレッドのモデルとも言われています。
オウァインはマエルグウィンと北ウェールズにあるカムランの谷で戦っています。

アーサー王とモルドレッドが最後に戦ったのもカムランの戦いであり、共通点が見られます。

 

 

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纏めますと、アーサーは「熊」を意味するあだ名で、オウァインのあだ名がアーサーであったのではないか、という説です。(筆者説)

そうすると、アーサー・アプ・ウーサーはあだ名を記したもので、

アーサー王の本名は、「オウァイン・アプ・エイニオン」であったのではないか、と言うことになります。

 

👉オウァイン・ダントグウィンに関する記事(ストーリー調)

>>伝説の英雄アーサー王のモデル候補 ウェールズの中世騎士の類似点

 

👉マエルグウィンの記事

>>悪魔はやはり悪魔であった ~最も嫌われたウェールズ王 

 

 

 

 

 

 

 

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