最も嫌われたウェールズ王 マエルグウィン・グウィネズ

スポンサーリンク

 f:id:t-akr125:20161216015519p:plain

こんにちは、たなかあきらです。
ウェールズ王の中では、カリスマ的な権力を持ちながら、ウェールズで最も嫌われた王がいます。

6世紀に活躍したウェールズ王、マエルグウィン・グウィネズの話しをします。

強力な勇者であった

f:id:t-akr125:20200131203403j:plain

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

ウェールズの偉大な王の中でも、中世から現代に至るまで、最も嫌われた王がいるんだ。彼の名はマエルグウィン・グウィネズ(Maelgwyn Gwynedd)。
名前に国名がつくほど権力を持った王だ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
と言う事は、かなり業績はあったんですね。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
アーサー王物語では、強力で勇敢な騎士、「100人騎士の王マラグウィン(Malaguin)」として登場しているんだ。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

それに、アーサー王の色んな戦いに参戦し、外敵アングロサクソン族に打ち勝ち、ウェールズの勢力を固めたとも言われているんだ。

 
f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
凄いじゃないですかすごいじゃないですか!!だから名前に国名がついているんですね。そんな英雄が、なぜ現在まで嫌われている王になるのですか?
 

嫌われる理由

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
マエルグウィンはどんな男か人物像を見てみよう。想定だがこんな感じだ。

 
・めちゃパワフル。思い込んだら聞かない性格
・超ワガママ、自己中心
・欲深く、手段を選ばず奪い取る
・人を騙し、約束は破る
・短気、恐ろしく危険
 
想像はつくかい?
 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
悪魔の様な人物じゃないですか
そんな人物が大王なら、人々は困ったんじゃないですか?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
そうだな。30年くらい王座にいて、恐怖政治だったろうな。幾つかエピソードを話そう。

 

悪魔のエピソード

モルドレッド説 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
まずは最も有名な話から。

父のカドワロンが亡くなった後、グウィネズ国の後継者は叔父のオウァインになったんだ。これに腹を立てたマエルグウィン。俺が後継者だ、と謀反を起こしオウァインを殺害し、王位を略奪したんだ。
 
この事件は、アーサー王がモルドレッドの謀反を受けてカムランの戦いで相打ちになった事件のモデルと言われているんだ。
 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

と言うことは、マエルグウィンはモルドレッドでもあるの?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
伝説ではそうとも言われてるよ

 

金をだまし取る

 

f:id:t-akr125:20170305123704j:plain

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

マエルグウィンはランバダン教会に多額の金がある事を知り、司教から奪おうと企んだんだ。

 
マエルグウィンは司教に袋一杯に詰めた財宝を預けた。
「おい、司教。俺の財宝を預けておくから大切に保管しろ」
 
後日、訪れ袋を開けてみると、石や泥ばかりでてくる。マエルグウィンは怒り狂った。
「おい司教、俺の財宝をどこにやった。さては盗みやがったな。言い逃れは出来ぬぞ、弁償しろ!」
 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
こうしてマエルグウィンは教会の財宝をだまし取ったんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
ワルですね~。悪だくみはバレなかったんですか?

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
いや、バレちゃったよ。そして・・・

 

他人の嫁を奪いとる

 

f:id:t-akr125:20170305123812j:plain

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
そして、マエルグウィンは奪った財宝を司教に返却したんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

マエルグウィンも観念したんですね。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

そう、あっさりとね。だまし取った事も深く反省し、出家し僧侶となった。 人々は暴君が静かになり、一安心したんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
思い切りよくて、意外と男らしい面がもあるじゃないですか?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

しかし、マエルグウィンはマエルグウィンであった。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

えっ、どう言う意味ですか?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
僧侶暮らしが嫌になり、教会を抜け出し、元のマエルグウィンに戻ってしまったんだ。そして、マエルグウィンは伯父の若い嫁に横恋慕したんだ。
欲しくなったら手段を選ばないのがマエルグウィン。伯父を殺して嫁を奪い取り、文句を言う自分の妻まで殺害したんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

ヒェ〜。信じられない。人間じゃないですよ

悪と言うよりも悪魔!
 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
新たに妻になってしまった嫁も、マエルグウィンの機嫌を損ねないようビクビクして暮らしたそうだ。

 

退治される悪魔

f:id:t-akr125:20170305124417j:plain

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

悪魔は隣国の王とのゲームでもイカサマをして勝利したり、やりたい放題を続けたんだ。
騎士としての腕は優れていたこともあって、悪魔マエルグウィンの国グウィネズは対外的には勢力を増したけど、、国内では恐怖政治に皆絶望していたんだ。 

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
誰か、悪魔を止める事は出来ないか?そこに救世主が出現したんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
いよいよ現れましたね。これでマエルグウィンも失脚ですか?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
悪魔の息子ラン(Rhun Hir)が悪魔を倒そうと立ち上がったんだ。
ノッポのラン(Hirはtallノッポの意味)も武勇に優れていたが、性格はマエルグウィンには似ても似つかない性格で、人望が厚かったんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

悪魔の子は悪魔じゃなくて良かったです。それでランは悪魔の父マエルグウィンを倒したのですか?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

そうさ。悪魔はついに捕らえられ勘忍し、王の座もランに譲ったんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
ああ、良かった

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
しかしマエルグウィンはマエルグウィンだった。

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

えっ、まだ何かしでかすのですか?
悪魔は悪魔ってこと?

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

長身に美男で人望もあるノッポのランは、アーサー王のアドバイザーにもなったらしい。そんなランを見て、悪魔は、、、あの野郎、いい気になりやがって!

悪魔は脱出し、再起を企て復活を狙ったんだ。
 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

おぉ、恐ろしい。恐ろしい。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

しかし、悪魔の復活を人々が受け入れざるを得なかったとしても、神が許さなかったんだ。間もなく悪魔は黄熱病と言う伝染病にかかり命乞いをするが、人々にも見放され神も見放しこれでおしまい。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

ふうっ、大変でしたね
マエルグウィンはとんでもない悪魔はですね。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

だから、マエルグウィンは現在に及んでも、最も嫌われたウェールズの王なんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
こうなっては絶対にダメ、と言うウェールズの王たちにとっての反面教師の塊ですね。

 
 

最後に

 

f:id:t-akr125:20161207232706p:plain

ウェールズの王を古代からずっと眺めてみても、マエルグウィンより悪い王はいないのではと思っています。

何人もの妻を処刑したヘンリー8世も悪王として名高いですが、悪さ加減はマエルグウィンに軍配が上がると思います。
 
*ヘンリー8世はイングランド王ですが、ウェールズ直系の血筋です
 
息子のノッポのルンが素晴らしい人物だったので救われた気がします。
何れかの時に、ノッポのルンを含めた美男王の話しをしようかと思います。

参考記事:これで時代背景などが良くわかります

www.rekishiwales.com

 

最後まで読んで下さりありがとうございました。
 
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました