ローマ帝国に逆らったブリタニアはどうやって救われたのか?

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こんにちは、たなかあきらです。

1世紀から5世紀までブリタニアはローマ帝国の支配下にありました。ブリタニアの各小国はローマに従いながら自治をしていましたが、ローマ帝国に逆らい反乱を起こすこともしばしばあり、時には統治権を奪ったこともありました。 

反乱がおきると、支配者は反乱を起こした者を倒して鎮圧するのが世の常です。ローマから大軍が派遣されて反乱は鎮圧され、より厳格な支配に至った例もありました。 

せっかく、自治権を獲得したのに、強国ローマ帝国の怒りに触れて倒されてしまっては、元も子もありません。

 

そこで今回は、反乱を起こして自治権を奪ったブリタニアに、影の実力者が現れて上手くローマ帝国との関係を修復して、後の歴史を作ったエピソードをお話いたします

 

👉時代背景はこの記事
 <改訂版> 第1章 ローマ帝国に支配されたブリタニア

 

エピソード1:ローマ帝国への反乱と、陰の実力者登場

 

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陰の実力者とはブリタニアのコーンウォール地方に住んでいた、カラドクスという領主です。(当時はドゥムノニアと呼ばれていました)。

当時ブリタニアはローマ帝国に支配下にあり、ローマから司令官が派遣されて統治をしていました。

しかし、ウェールズには大きな勢力を持っていたエウダヴ・ヘンという首長がいて、ローマ司令官のブリタニアを見下した態度に腹を立て反乱を起こしたのです。そして、エウダヴ・ヘンは無謀にも司令官の座を奪ってしまうという事件を起こしました。

  

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それは、まずいんじゃないですか? ローマ帝国はメンツにかけても、エウダヴ・ヘンをやっつけに大軍を送ってきますよね?

 

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そうですね。エウダフ・ヘンもそれをとても恐れたと思います。それで友人であるカラドクスに相談をしたのです。

カラドクス:「そりゃ、ローマもバカじゃないからすぐ攻め来るだろうよ。それを防ぐには、この方法が有効だな。君には年頃の娘がいるだろう」

エウダヴ:「ううむ。ヘレンをローマに人質に出そうというのかい?」

カラドクス:「君の娘をローマ軍の有望な高官に嫁に出して、ローマとの関係を良くするのが手かなと思うがどうだい?」

 

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政略結婚ですね。これは上手く行ったのですか?

 

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カラドクスが思い描いたローマ軍の高官は、マグヌス・マキシムスと呼ばれる若者でした。エウダヴの娘ヘレンとマグヌスはめでたく結婚し、ブリタニアとローマの亀裂は修復されたのです。

 

エウダヴも娘婿となったマグヌスを大変気に入って自分の領土もマグヌスに譲り、その後も平和に暮らすことができました。

 

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なるほど~。カラドクスのアドバイスが無かったら、ブリタニアとローマは戦争になっていて、エウダヴも倒されていたかもしれませんね。

 

 

影の実力者、エピソード2:歯向かうより従った方が得??

 

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エウダフの後継者にもなったマグヌスだったけれど、新たな問題が勃発してきました。

それは、エウダフの甥であるコナン・メリアドクは、長年にわたってエウダフの後継を狙っており、マグヌスに譲ってしまたことに大いに腹を立てたのです。

 

コナン:「許せん!マグヌスの奴!僕の将来を奪いやがって!!」

 憤慨するコナンに対して、再びカラドクスが登場しました。

 

カラドクス:「落ち着いて、落ち着いてコナン君。マグヌスはローマ軍でナンバー2だった凄腕の軍人だ。君が勝てるような相手では無いよ」

 

コナン:「戦ってみないと分からん!」

 

コナンはマグヌスを倒そうと戦いを仕掛けたのです。しかし、カラドクスが言った通り、コナンがかなう相手ではありませんでした。

 

カラドクス:「コナン君、分かっただろう。マグヌスに敵対するよりマグヌスと手を組んだ方が良いよ。マグヌスは将来大物になるだろうから、マグヌスについて協力すれば、君もきっと出世するよ」

コナン:「カラドクスさん、それもそうですね。マグヌスと仲直りしますよ」

 

 

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と、一件落着しました。マグヌスはその後、西ローマ帝国に攻め入り、人々の不満が集中していた皇帝を倒して西ローマ皇帝になりました。

そして、マグヌスと共に戦ったコナンは、現在のフランス・ブルゴーニュー地方を褒美としてもらい国を建国し、初代のブリタニー王となりました。

 

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これもカラドクスのアドバイスが無ければ、ブリタニアで内乱が続き、コナンも倒されていたかもしれませんね。

 

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それにブリタニアのケルト系の人々がブルゴーニュー地方に移住することもなかったかも知れませんよ。またまた、カラドクスは歴史を変えた人物になっていますね。

 

※この出来事の影響なのか、フランスのブルターニュ地方には現在もケルト系民族が多く住んでいます。

👉関連の記事
ブルターニュの歴史 名前の由来とケルト人が建国したエピソード 

 

 

👉参考:マグヌス・マキシムスに関する記事
ローマ皇帝にまで大出世したローマ戦士の成功の秘訣

 

影の実力者の秘訣

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カラドクスが縁の下の力持ちとして歴史に影響を及ぼした秘訣は何でしょうか?

 

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これは僕の推測だけど、人の意見をしっかりと聴いて、その人はその状況にとって最適な事を自分の損得なしで、助言できたことじゃないかなあと思いますね。

 

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カラドクスは領土を広くするなどの欲がなかったのかもしれないし、勢力を広げたなどの痕跡は見当たらないのです。

 

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カラドクスは自分には欲がなかったので、かえって周りの状況が良く見えたんでしょうね。的確なアドバイスができて皆からの信頼も絶大だったんですね。それが積み重なって歴史を変えた人物になっていったんだと思います。

 

最後に:アーサー王物語にまで影響を及ぼした人物

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損得なしで人のために動ける、そして人から大きな信頼と信用を得る人生。カラドクスはとても幸せな人生だったのではと思います。今の世の中では、特にこの気持ちをもって人に接していきたいですね。

 

ちなみに、ブルターニュ地方にブリタニー国を建国したコナンの子孫が、アーサー王と言われています。カラドクスのアドバイスが無ければ、アーサー王も生まれていないかもしれませんね。

 

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歴史を変えた人物というだけでなく、伝説の物語にも大きく影響を及ぼした縁の下の力持ちだったのですね。

  

👉アーサー王の先祖がコナンという説
アーサー王伝説 アーサー王は実在したのか?歴史書にみるアーサー王と先祖

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

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