こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
今回は、アーサー王物語に関連する映画のご紹介です。 (少々ネタバレあり)
エクスカリバーを手にする少女
「これはちょっと、楽しみかもしれない」
実にアーサー王の物語らしい、アーサー王の拠点とエクスカリバーの名前がついたタイトルです。アーサー王ファンにとって、とてもひきつけられます。
(この国は永遠に一つ、分裂すれば滅びてしまう)
(団結こそが大きな力だ)
このメッセージ性のある言葉から、僕は短絡的に僕は、アーサー王に敵対する悪が現れ、アーサー王が魔法の剣エクスカリバーを手にして円卓の騎士たちと、敵をバサバサとなぎ倒し、胸のすくような活躍をするのではないか、と期待しました。
期待はしていましたが、アーサー王たちの迫力ある戦いと剣の素晴らしい輝きを、果たしてアニメで表現できるのだろうか、という不安も持っていました。
「ん、なんだか違うかもしれないぞ」
「アーサー王?」
その懸念は別の形で現れました。この映画のジャケットの人物は、青年のアーサー王がエクスカリバーを握りしめているのだと思ってました。しかし、どうやら違っていました。
「えっ、アーサー王じゃない」
「アーサー王は出てこないの?」
最初にアーサー王は登場するものの、途中からパタリと出てこなくなったのです。主人公は別にいたのです。
円卓の騎士、ライオネル卿の娘、ケイリーが主人公であることが分かってきました。
「少女ケイリーではどんなストーリーになってしまうのだろうか?」
(この国は永遠に一つ、分裂すれば滅びてしまう)
(団結こそが大きな力だ)
団結こそ大きな力だ、は円卓の騎士たちとアーサー王が、国を反映させる為に必要不可欠な点です。しかし、円卓の騎士の1人ルーバーが、アーサー王に反逆して国を乗っ取ろうと企み、皆が団結するのに必要なエクスカリバーも奪われてしまいました。
(このままでは、国は分裂して滅びてしまう。アーサー王を助け国を一つに団結させるためには、自分が立ち上がり、エクスカリバーを取り戻すしかないわ!!)
ケイリーは円卓の騎士の父のように、アーサー王に忠誠心を持ち、騎士に憧れるとても勇敢な若い娘でした。誰よりも勇敢で、エクスカリバーを探す冒険の旅に出るのでした。
これは面白い、ドキドキする。もし、アーサー王がエクスカリバーを探す旅だったとしたら、こんなにドキドキはらはらとしないだろうな。アーサー王なら強い、決して負けない、という安心感があります。しかし、勇敢とはいえ非力なケイリーでは、そうは行きません。
「大丈夫か、ケイリー」
「敵がやってきたぞ、炎が来た来た、早く逃げて逃げて」
「もう、ヘンな奴らが来なければいいなにな」
数々の困難が、彼女の前に現れます。敵も襲ってきます。そのたびに、僕の心はハラハラと、スリルを味わうことが出来るのです。
「君たち、そのギャグはなんだね?」
「映画が終わったら、コメディアンにでもなる?」
それにケイリーを助ける仲間たちもできます。個性的でとても面白い仲間、イケメンの頼りになる若者。実写ではなかなか表現できない、個性的でかわいい珍獣たち。襲ってくる恐ろしい猛獣たちや、魔法で姿を変えられた敵兵たち。その独特の姿や動きが笑いを呼び、ストーリーをとても豊かにしています。
「この国は永遠に一つ、分裂すれば滅びてしまう」かもしれません。しかし、「団結こそが大きな力だ」、この意味が映画が進むにつれて、身に染みて分かってきます。
(この国を支えているのは王の力ではない、民の力だ)
アーサー王のこの言葉。
その言葉を象徴するかのような、ケイリーのエクスカリバー探索の冒険の旅なのです。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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