中世の西洋剣はどのように進化したか?「ソードの種類と特徴」
- 2018.06.02
- 西洋武器

こんにちは 、たなかあきらです。今回は中世の剣(ソード)についてお話いたします。
中世の騎士にとって、剣は最も重要な武器です。剣や鎧は技術などの進歩によって、変化してきました。
剣の主流は敵を斬ったり、切断したりする切断武器で、中世の早い時期にはヴァイキングが好んで使いました。
中世の西洋剣は、ヴァイキングソードをもとに改良されたとも言われています。
中世の西洋剣はどんな種類の剣でどのように進化したのでしょうか?
※ヴァイキングソード
ヴァイキングソードに関する動画:The Ulfberht Viking Sword – YouTube
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中世のさまざまなタイプの剣
中世の初め頃の剣は、真っ直ぐで両刃の剣が使われました。より重く強力に、より軽く身軽に、より機能的になど変化しました。
形も改良されて、楔かたびらのなどの鎧を簡単に突き刺す剣も登場しました。様々なタイプの剣が、活躍するようになりました。
大きさも、ブロードソードと呼ばれる幅広で30インチ(約76cm)の剣から、グレートソードと呼ばれる72インチ(約183cm)の大型の剣まで、バラエティーに富みました。
それでは、中世ヨーロッパの主な剣である、ブロードソード、ファルシオンソード、ロングソード、バスタードソード、シミタールソード、グレートソードなどご紹介します。
初期の両刃の剣 ブロードソード(Broad sword)
ブロードソードは中世の剣の中では初期の物で、6世紀から使われていました。ブロードソードは両側に刃先があり、根元は2、3インチ(5~8cm)程度で、先に向かって細くとがっていました。
ブロードソードの長さは30~45インチ(76~114cm)で、重さは3~5ポンド(1.5~2.3kg)程度です。
片手持ちの軽めの剣 ファルシオンソード(Falchion sword)
ファルシオンソードは、11世紀から16世紀にかけて使用され、十字軍に参加した中世騎士たちに人気がありました。
片手持ちの剣で、短く片刃で先に行くにしたがって幅広になる刀身が、よく知られています。
実際は片刃をそのまま長くしたような、剣鉈(切っ先のある鉈)のような外見が主流でした。
長さは37~40インチ(約94~102cm)、重さは1~2ポンド(約0.45~0.9kg)です。
大型で重い剣 グレートソード(Great sword)
グレートソードは大型で、両手で持つ剣です。重さは6~10ポンド(2.7~4.5kg)もあり、刃の長さは50~72インチで(127~183cm)、更に18~21インチ(46~53cm)ほどの柄がつきました。
この長い柄が、重い剣を両手で持てるようになっています。グレートソードがヒットしたら、ひとたまりもないでしょうね。
両手、片手持ち兼用剣 ロングソード(Long sword)
両手、片手持ちの両用の剣で、片手半剣とも呼ばれます。バスタードソードと同じとして扱われることもあります。
重さは5~8ポンド(2.3~3.6kg)であり、刃の長さは40~48インチで(102~122cm)、更に10~15インチ(25~38cm)ほどの柄がつきました。この柄では、片手でも両手でも剣を持てるようになっています。
ブロードソードやグレートソードと比べて薄くて軽く、手でたわませる事もできます。
両手、片手持ち兼用剣 バスタードソード(Bastard sword)
両手、片手持ちの両用の剣で、片手半剣とも呼ばれます。切ることも突くこともできる中間の剣で、ロングソードと同じとして扱われることもあります。
三日月剣 シミタールソード(Scimitar sword)
シミタールソードは十字軍と戦ったサラセン人たちの最も広く使われました。シミタールは特徴的な形で、曲った刃で先端は鋭くとがっています。
刃の長さは30~36インチで(76~92cm)。三日月刀とも呼ばれています。
馬上から敵を斬りつける攻撃によく使われました。一撃は凄まじい力を生み、鎧を着た騎士に致命傷を与えました。
こちらのシミタールはかなりごついですね
突き刺す剣 イングリッシュ・タックソード(エストックソード)
English tuck sword(Estoc sword)
14~17世紀のヨーロッパで広く使われ、突き刺すタイプの剣で鎧を貫通しました。エストックはフランス語で(英語ではタック)、突き刺す、尖った先を意味します。
鎧の発達に伴い、大型の打撃武器が主流となったが、楔かたびらや、プレート・アーマーなど隙間の多い鎧もまだ多く、隙間を突く武器が普及していました。
量産でき手入れも簡単なことから、下級の雑兵用に普及しました。
※細い方の剣
※動画に出てくる細い方の剣です
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