ヘウレーカ アルキメデスの発明した新兵器

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こんにちは、たなかあきらです。

今回はイギリスから少々離れ、紀元前3世紀に活躍したアルキメデスのお話です。

 

アルキメデスはシチリア島のシラクサに住んでいて、シラクサとローマは戦争状態にありました。第二次ポエニ戦争で、アルキメデスが発明したさまざまな武器でローマ軍を大いに悩ませたのです。

 

漫画「ヘウレーカ」でもその武器が多く登場しており、漫画で描かれているアルキメデスが発明した武器の数々をご紹介いたします。

 

 

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アルキメデスが活躍した戦争の背景

 

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舞台となるシラクサの場所はここです

シラクサ – Wikipedia

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Google Mapより

 

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紀元前3世紀、ローマとカルタゴの間で起きた第一次ポエニ戦争で、ローマはシチリア島全体を支配下に置いて、ローマの属州としました。

第一次ポエニ戦争 – Wikipedia

 

しかし、シチリア島の中で、シラクサのみはローマ連合の中で関係を保ちながら、独立を続けていました。

紀元前215年にシラクサでヒエロニムスが王位に就くと、反ローマ的な親カルタゴ勢力が強くなり、ローマ連合から離反します。ヒエロニムスは暗殺され、シラクサはますますローマへの対抗心を強めていきました。

 

そして、紀元前214年にローマはシラクサへの攻撃を開戦したのです。マルクス・クラウディウス・マルケッルスが率いるローマ軍がシチリアに上陸し、海陸からシラクサを包囲しました。この戦いを、シュラクサイ包囲戦(紀元前214~紀元前212年)と呼んでいます。

 

※シュラクサイの現在の呼び名がシラクサ 

 

 

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シチリア東岸のシラクサは城壁都市でありその堅牢な防御で知られていました。

西側にあたるエピポライ台地を全長27キロメートルに及ぶ城壁で囲み、決まった間隔で14の塔が築かれました。6つの門が設けられたが、何れも要塞化され、最も西にあるエピポライ門は強力な防御力を持つエウリュアロス城で守られていました。

 

科学者・数学者であるアルキメデスが指揮し、エウリュアロス城の強力な改装や、防衛用の新兵器を城壁上へ配備し、ローマ軍を大いに苦しめたのです。

シュラクサイ包囲戦 (紀元前214年-紀元前212年) – Wikipedia

 

ローマ軍をを苦しめたアルキメデス新兵器の活躍

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アルキメデスが発明した新兵器は、当時としては全く新しい発想でかつ強力なもので、敵軍はなす術がありませんでした。 

 

エウリュアロスの車輪

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※漫画ヘウレーカより

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この兵器は圧巻ですね。アルキメデスが開発して、エウリュアロスの要塞に設置した防御兵器です。攻め寄せるローマ軍を強力な投石機によって壊滅させました。

蒸気の力によって大きな車輪を回して、その力によって多数の円盤を高速で回し、円盤の遠心力で巨石を発射させるのです。

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※漫画ヘウレーカより

投石器から約80キロの巨石が、ローマ軍の艦船に向かって正確に飛び出して、砲弾は簡単に艦船をぶち抜いたのです。これに対して、ローマ軍は投石機の射程外に出ることしかできませんでした。 

Euryalus fortress – Wikipedia

 

投石機や回転体

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海側から縄はしごで、いっせいに多人数でよじ上って城内に入り込もうとしました。
アルキメデスが城壁に設置した投石機や刃の回転体で、船や縄梯子に乗っている兵士をもろとも破壊しました。そのような機械がいくつかあり、とても城へは攻め込めませんでした。

 

※漫画ヘウレーカでは城壁に、投石機、縦方向に回転して船や敵兵を破壊する装置、剣を高速で回転させて攻めてくる敵へをやっつける装置、が描かれています。

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投石機が発射

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鋭い爪が回転して船を破壊

 

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鋸の刃も回転して船を破壊

 

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人力で回す剣の回転物。城壁によじ登ってきた敵兵はこの剣で切られた

 

アルキメデスの鉤爪

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クレーン状の腕部の先に金属製の鉤状の爪がつけられて、この鉤爪を使って近づいた敵艦をひっかけたのです。ローマ艦船は持ち上げられて、そのままひっくり返されて転覆したのでした。

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※漫画ヘウレーカより

(The ship shaker)

 

※仕組み

youtu.be

 

2005年、ドキュメント番組「Superweapons of the Ancient World」でこれが製作され、実際に役に立つか検証してみたところ、クレーンは見事に機能したそうです。

youtu.be

 

 

アルキメデスの熱光線

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ローマの大艦隊が向かってきたときに、アルキメデスは大きな鏡を城壁に並べました。そして、一隻の敵艦の船体に黒く塗られた部分を狙って、鏡の光を向けました。敵船は次々と火災が起き、アルキメデスはローマ戦艦を撃退したのです。

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数世紀後、トラレスのアンテミオスはアルキメデスの兵器とは太陽熱取りレンズだったと叙述した。これは太陽光線をレンズで集め、焦点を敵艦に合わせて火災を起こしていたもので「アルキメデスの熱光線」と呼ばれたという。

このようなアルキメデスの兵器についての言及は、念入りに磨かれた青銅や銅の盾を鏡の代用とすると太陽光線を標的の船に集めることができた。これは、太陽炉と同様に放物面反射器の原理を利用したものと考えられた。

1973年にアテネ郊外のスカラガマス海軍基地で実験を行った。縦5フィート(約1.5m)横3フィート(約1メートル)の銅で皮膜された鏡70枚を用意し、約160フィート(約50m)先のローマ軍艦に見立てたベニヤ板製の実物大模型に太陽光を集めたところ、数秒で船は炎上した。

 

アルキメデスの熱光線の再現例

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※漫画ヘウレーカより

シラクサとローマの戦いの結末

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ローマ軍は、アルキメデスの新兵器に手を焼き、シラクサの城内に侵入したり、シラクサの食料などの供給を断つこともできませんでした。

また、ローマ軍はアルキメデスの曇りの日に動くなどし、シラクサ側もローマ軍を撤退させるまでには至りませんでした。戦いは膠着状態が続いたのです。

 

紀元前212年に、ローマ軍はシラクサの市民たちがアルテミス神の祝祭に参加しているすきを突きました。ローマ兵が城壁の中に紛れ込み、手薄になった防御を破って援軍を招き入れたため、外郭は陥落しました。

そして、シラクサ内郭の人々は抵抗し、8か月包囲を耐えましたが食料も途絶え、ついに城門はあけられシラクサは破壊されたのでした。

 

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78歳前後のアルキメデスはローマ軍が侵入してきた後でも研究を続けていました。マルケッルスは、高名な数学者で兵器の発明家であったアルキメデスを殺さないように命令していました。

しかし、ローマ兵が研究に没頭しているアルキメデスを邪魔したとき、アルキメデスが怒ったため、その兵士はアルキメデスとは知らずに殺害したと言われています。

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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