こんにちは、たなかあきらです。
シェイクスピアの四大悲劇の一つであるリア王。実は、リア王の話には、続きがあったというお話をします。
続きのストーリーも悲劇なのでしょうか?
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・実在の「リア王」とシェイクスピアの「リア王」の共通点と相違点
悲劇「リア王」の概要
シェイクスピアの「リア王」の概要は、
・ブリタニアを治めるリア王が、3人の娘に国を譲ろうとして、父への愛を確かめようとします
・最愛の末娘コーディリアはリア王にそっけなく応じリア王は激怒します。しかし、長女と次女はゴマをすり、リア王は長女と次女に国を譲ります
・しかし、国を譲ったものの裏切られて国を追われ、リア王は狂人となります
・リア王は国から追放したコーディリアのもとに行き、共に国を取り戻そうと長女と次女夫妻や謀反を起こしたエドマンドと戦いますが、コーディリアもリア王も非業の死を遂げます
このように、シェイクスピアの「リア王」は善人が報われず亡くなるという悲劇のストーリーです。
ところが、悲劇をハッピーエンドに書き換えた「リア王」も存在しました。
ハッピーエンドの「リア王」の概要
ネイハム・テイトが改作したバージョンです。テイト版の「リア王」は、
・謀反を起こしたエドマンドの半兄エドガーは、コーディリアと恋仲となり、リア王とコーディリアを救ってエドマンドを倒します。
・リア王は隠居し、コーディリアが後を継ぎ女王となります。
という、善人が悪人を倒すハッピーエンドです。
👉ネイハム・テイトの「リア王」についての記事
実在の「リア王」
実はリア王は実在の人物で、歴史上のストーリーもあります。歴史上は、どちらかと言うと、テイト版のストーリーに近いです。
・国外に追放されたコーディリアはフランス王と結婚し、裏切られたリア王を救います。更にブリテンに攻め込み、反逆者のゴネリルとリーガンの娘夫婦たちを倒し、リア王は再びブリテン王となります。
・その後、リア王は隠居し、コーディリアが後を継ぎ女王となります。
実際のリア王も、ここまではハッピーエンドになっており、シェイクスピアの「リア王」とは異なっています。
実際のリア王には、つまり女王となったコーディリアのストーリーにはまだ続きがありました。
それは、また別の悲劇が待っていたのです。
参考記事)実在のリア王について
👉実在の「リア王」とシェイクスピアの「リア王」の共通点と相違点
リア王時代のブリテン王の変遷と悲劇
リア王の時代の年表を簡単に示してみましょう。
紀元前865年頃:
・リア王が60年間統治
紀元前800年頃:
・長女ゴネリルと次女リーガンが統治
2人は現在のイングランドとスコットランド、コーンウォールとウェールズの二分割して統治
・リア王:ゴネリルとリーガンから領土を取り戻し、リア王は王に復帰。3~10年統治
・コーディリア:5年間統治
この辺りまでが、ネイハム・テイト版のリア王で描かれている範囲になります。
その後は?
リア王が3年間王になった後、コーディリアは女王として5年間ブリテンを統治しました。しかし、国内で反乱が起きました。
コーディリアの姉の息子、ゴネリルの息子のアルバニー公マーガヌスと、リーガンの息子のコーンウォール公クネグラシスが、コーディリアに反逆したのです。
ゴネリルもリーガンもコーディリアと夫のフランス王に倒されたため、恐らく復讐か仇討ちと考えられます。
コーディリアを捕らえられ投獄されます。コーディリアは、王国を失った悲しみと未亡人になった悲しみから(夫は殺されたのか?)、自殺してしまいます。
このように、コーディリアには悲劇の結末が待っていたのです。
その後、2人の甥、マーガヌスとクネグラシスはブリテンを分割統治しました。ところが2年後、今度はマーガヌスがクネグラシスの領土に侵略し、戦いを仕掛けました。クネグラシスも応戦し、ウェールズでマーガヌスを殺害します。
こうして、クネグラシスがブリテンの最高統治者になったのでした。
紀元前760年頃:
・マーガヌスとクネグラシスが反乱を起こし、国を二分し分割統治。
・クネグラシスがその後、33年統治
以上が、リア王物語の続きでした。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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