公爵、伯爵、男爵って? イギリス爵位の一覧

公爵、伯爵、男爵って? イギリス爵位の一覧

f:id:t-akr125:20161204125616p:plain(20.8.17更新)
こんにちは。たなかあきらです。イギリス貴族の、ドラマや映画、漫画や小説を読んでいると、必ず出てくるのが、爵位に関する記述です。

人の名前も覚えにくいですが、

 

公爵、男爵、ナイト、バロン、アール、デューク・・・って何だろう?
・どちらが偉いのだろうか?

と疑問に思いませんか?

そこで、今回は爵位を分かりやすく纏めました。

 

 

爵位の始まり(イギリス)

 

1066年に、ノルマンディー公のギョーム2世がハロルド2世を破りイングランド王ウィリアム1世となりました(ノルマンコンクエスト)。

ウィリアム1世が重用した臣下もフランスから連れて来たノルマン人だったため、大陸にあった貴族の爵位制度もイングランドに持ち込まれました。

 

爵位の呼び名と順位

 

爵位は7つあり、位の高い順に並べました。
それぞれ日本語と英語の呼び名も記します。

1~5までは貴族で、6と7の准男爵とナイトは貴族ではなく称号になります。

1.公爵(Duke)、デューク
2.侯爵(Marquess)、マークィス
3.伯爵(Earl)、アール
4.子爵(Viscount)、ヴィカウント
5.男爵(Baron)、バロン
6.准男爵(Baronet)、バロネット
7.ナイト爵(Knight)、ナイト

 

<各爵位の敬称>


 ・国王や女王などの君主・・・「Your Majesty(陛下)」
 
 その他の王族は「Your Highness(殿下)」と呼んだりします


・公爵・・・「Your Grace(閣下)」

・侯爵~男爵・・・「Lord(卿)」

・准男爵とナイト爵・・・「Sir」 


 

 

各爵位の説明と種類

 

公爵(デューク)について

 

公爵は爵位の中で最も上位で、現存する公爵位は26あります。

そのなかで、血筋で分けると王族公爵位と臣民公爵位に分かれ、地域で分けるとイングランド公位、スコットランド公位、グレートブリテン公位、連合王国公位、に分類されます。

現存する英国王族の公爵位を示しておきます。

 

爵位名 分類 現公爵の名前 備考
コーンウォール公爵 イングランド公位
チャールズ皇太子※
エリザベス女王の長男
ロスシー公爵 スコットランド
公位
グロスター公爵 連合王国公位 第2代グロスター公爵リチャード 女王の従姉弟
ケント公爵 連合王国公位 第2代ケント公爵エドワード 女王の従姉弟
エディンバラ公爵 連合王国公位 初代エディンバラ公爵フィリップ エリザベス女王の配偶者
ヨーク公爵 連合王国公位 初代ヨーク公爵アンドルー エリザベス女王の次男
ケンブリッジ公爵 連合王国公位 初代ケンブリッジ公爵ウィリアム チャールズ皇太子の長男

※チャールズ皇太子は、公爵の上位の大公(プリンス・オブ・ウェールズ)でもあります。

王族公爵位と臣民公爵位の詳しくは、こちらをご覧ください(ウィキペディア)

>>イギリスの公爵一覧について

または
>>Category:イギリスの公爵

 

侯爵(マークィス)

 

侯爵は、1385年にオックスフォード伯爵ロバート・ド・ヴィアーがダブリン侯爵(Marquess of Dublin)に叙されたのが、始まりとなります。

侯爵から男爵までの貴族への敬称は家名(姓)ではなく爵位名にLordをつけて呼ばれます。

現在は、34の侯爵家が存在しています。

>>侯爵 – Wikipedia

 

伯爵(アール)

 

公爵、侯爵の次の爵位が、伯爵 です。

ウィリアム1世がイングランドを征服する少し前のエドワード懺悔王(在位:1042年-1066年)の代は、アングロサクソン族の社会ですが、すでに貴族の爵位の原型があったようです。

エドワード懺悔王はイングランドを四分割して、それぞれを治める豪族にデーン人が使っていた称号”Eorl”を与えたそうです。

※イングランドはヴァイキングのデーン人に占領された、デーンローと呼ばれる領域がありました。

👉参考記事:ヴァイキングの歴史 ヴァイキングはなぜ強かったのか

現存する伯爵家は191あります。

>>伯爵 – Wikipedia

 

子爵(ヴィカウント)

 

公爵、侯爵、伯爵の次が子爵です。

子爵(Viscount)は爵位の中でも最後に生まれたもので、1440年に第6代ボーモント男爵ジョン・ボーモントにボーモント子爵(Viscount Beaumont)位が与えられたのが始まりです。

現存する子爵家は112あります。

>>子爵 – Wikipedia

 

男爵(バロン)

 

貴族である爵位の中で最も下の位。男爵までが貴族であり、Lordと呼ばれます。

現存する男爵家は447あります。

男爵と訳される貴族称号を英語ではバロン (baron) という。バロンの女性形はバロネス (baroness) で、イギリスの制度では男爵の妻(男爵夫人)や男爵の爵位をもつ女性(女男爵)に用いる。

イングランドでは13世紀頃までbaronという言葉は、貴族称号ではなく直属受封者(英語版)(国王から直接に封土を受ける臣下)を意味する言葉だった。(ウィキペディア)

イギリスには、一代貴族という制度があり、世襲ではなく一代限りで貴族に叙されるものです。一代貴族はすべて男爵で、貴族院議員となり、1958年の一代貴族法で制定されています。

1992年に、サッチャー元首相は、一代議員として女男爵(Baroness、バロネス)となり、貴族院儀位になった例があります。 

>>男爵 – Wikipedia

 

准男爵(バロネット)

 

准男爵は世襲称号の中では最下位で、貴族ではなく平民です。

17世紀、イングランド王のジェームズ1世が、アイルランド征服・開拓のための資金を集めるために、新しく創設した称号です。

兵士30人を3年間養える費用(1,095ポンド)を献納した地主に与えられました。

男性の准男爵の敬称はサー(Sir)であり、「サー」はファーストネームあるいはファーストネーム+苗字とともに付けられます。

女准男爵の敬称はデイム(Dame)であり、「デイム」はファーストネームあるいはファーストネーム+苗字とともに付けられます。

>>準男爵 – Wikipedia

 

ナイト爵

 

ナイト(Knight)は中世の騎士階級に由来した称号で、主に文化・学術・芸能・スポーツ面で著しい功績があった者に与えられる称号です。

ナイトの称号は1代限りで、世襲することはできません。

ナイトに叙任された男性は Sir (サー)、女性でナイトに相当する叙勲を受けた者は Dame(デイム)の敬称をつけて呼ばれます。(日本語では卿と呼ばれます)

>>ナイト – Wikipedia

 

各爵位の有名人

 

大公の有名人

 

・チャールズ皇太子
Prince of Wales(ウェールズ大公)

・ウィリアム王子
Duke of Cambridge (ケンブリッジ公爵)

・英国首相 ウィンストン・チャーチルのマールバラ家

第7代マールバラ公爵ジョン(祖父)

マールバラ家はもともとスペンサー家より別れた。

>>映画 ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 を観た感想

 

伯爵の有名人

 

・ダイアナ妃のスペンサー家

父・・スペンサー伯爵エドワード
(現在はダイアナ妃の弟チャールズ)

・ヘンリー8世の妃アンのブーリン家
父トマス・ブーリンはオーモンド伯爵、ウィルトシャー伯爵

👉参考記事
>>ダイアナ妃のスペンサー家 祖先をたどる

 

男爵の有名人

 

・一代貴族で、サッチャー元首相

 

准男爵の有名人

 

・アイザック・ニュートン
万有引力を発見した自然哲学者(数学、物理)

>>アイザック・ニュートンのリンゴにまつわる深い意味

・イギリスを代表する作曲家 エドワード・エドガー

 

ナイト爵の有名人

 

・ポール・マッカートニー
・エルトン・ジョン
・ミック・ジャガー
・チャールズ・チャップリン

 

イギリス貴族が登場する映画・ドラマ

 

 

◆   日の名残り   ◆

・第二次世界大戦後、イギリス貴族ダーリントン伯爵家に仕えた老執事の物語。原作はカズオ・イシグロで1993年に映画化。

 
 
 

◆   ダウントン・アビー   ◆

・20世紀、イングランド郊外の大邸宅ダウントン・アビーで暮らすグランサム伯爵一家のドラマ。

 

◆   ある公爵夫人の生涯   ◆

・19世紀、侯爵家に嫁いだ、社交界の華となった伯爵家の娘のスキャンダラスな実話ストーリー。

 



◆   ヴィクトリア女王 世紀の愛   ◆

・19世紀、イギリスを最強国家に導いたヴィクトリア女王の愛の物語。ケント公爵家の出身。

 

 

 

◆   ブーリン家の姉妹   ◆

・16世紀、ヘンリー8世の2代目の妻となった、伯爵家出身のアン・ブーリンと姉妹の物語。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!