ウィリアム・シェイクスピアの謎 映画「もうひとりのシェイクスピア」のあらすじ(言葉は権力に勝る)

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こんにちは、たなかあきらです。

ウィリアム・シェイクスピアは史上最高の劇作家として知られているけれど、400年もの間、自筆の原稿が見つかっていないそうです。

シェイクスピアは謎の存在、実体のないゴーストだ、と言われている。おそらく、そうなのかも知れません。

 

シェイクスピアは、自分の父も妻も娘も読み書きができなかったといいます。なのにどうして、現在に至るまで世界中で親しまれているのでしょうか。

その理由がこの映画でわかるかもしれません。

 

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シェイクスピアは存在したのだろうか?

登場人物:

・オックスフォード伯(エドワード):演劇好きで常に劇場に現れる。ウィリアム・セシルの娘婿も反発。
・エリザベス1世:イングランド女王
・セシル父子:エリザベス1世の重臣。白ひげ:ウィリアム・セシル。黒ひげの猫背:ロバート・セシル(ウィリアムの息子)
・サウサンプトン伯ヘンリー:エリザベス1世の寵臣で(隠し子)
・エセックス伯ロバート:エリザベス1世の寵臣。アイルランドへ派遣される。
・ベンジャミン:匿名の男より戯曲の原稿を受け取り、劇を上演する
・ウィル:読み書きできない役者

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おそらくシェイクスピアの名前を聞いたことがない人は、いないといってもいいだろう。シェイクスピアは世界で最も有名な劇作家である。

しかし、同時に最も謎に満ちた人物なのである。本当に、シェイクスピアは存在したのだろうか?

権力や地位の争いには敗れるが、身を隠しながら武器の代わりに羽根ペンを持ち、ひそかに立ち上がった男がいた。

 

シェイクスピアの時代背景

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セシル父子の肖像画

 

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16世紀の後半、テューダー朝エリザベス1世の時代。エリザベス1世の家臣たちの間で、権力争いが起こっていた。権力をふるっていたのは、重臣セシル父子で、エリザベス女王1世の後継にスコットランド王ジェームス6世を推していた。

セシル父子は女王に忠実で信頼を得ていたが、陰気臭く堅物で人々からは嫌われていた。

ウィリアム・セシル (初代バーリー男爵)

ロバート・セシル (初代ソールズベリー伯)

 

このセシル父子に対抗する勢力があった。第17第オックスフォード伯エドワード、サウサンプトン伯ヘンリー、エセックス伯ロバート達である。この反対勢力は女王の寵臣で、セシル父子の勢いを止めようと企んでいた。

エドワード・ド・ヴィアー (第17代オックスフォード伯)

ヘンリー・リズリー (第3代サウサンプトン伯)

ロバート・デヴァルー (第2代エセックス伯)

 

 

演劇の人気

 

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オックスフォード伯エドワードの肖像

 

その情勢の中、人々の間では劇が注目されていた。

作家匿名で上演された「ヘンリー5世」は、観客も大興奮の渦となり役者とともに舞台に上がり、共にフランス軍と戦ったのである。

 

芝居を観ていたオックスフォード伯も熱気につい力が入り、剣を抜くほどであった。オックスフォード伯は劇が命と言っても過言ではなく、実はエリザベスも芝居が好きであった。芝居を見ると、目を細め子供のようにはしゃいだ。

 

 ところが、この情勢を苦々しく見ている人物がいた。セシル父子である。

「芝居は悪魔の産物だ」と言い、清教徒には不必要であり偶像崇拝と同じで、上の前では罪だ、と言った。セシル父子は、上映される劇を見張り、圧力をかけて中止させることもあった。

 

セシルから教育を受け、セシルの娘と結婚したオックスフォード伯は、権力争いと芝居との両面で意見が食い違い、苦しんでいた。

 

しかし、「身を隠しながら武器の代わりに羽根ペンを持った男」は言った。

登場人物たちが語りかけてくる、声が聞こえる。寝ても覚めても何をしていても。私が彼らの声を書き留めることで、彼らは自由になるのだ。

そして、男は来る日も戯曲の原稿を書き続けた。作家匿名で。

 

作家匿名の劇

ベン・ジョンソン (詩人) (ベンジャミン)の肖像画

 

幾年もの月日が流れ、セシル父子の圧力は増していった。セシル父子の差し金で、サウサンプトン伯、エセックス伯はアイルランドへ飛ばされた。オックスフォード伯は、政治からは遠ざかり、生活に窮するほどの暮らしをしていた。

 

男は言った。「言葉が人の心を変える、剣ではない」と。

「人々の歓声と拍手喝采。どんな舞台でも一度も耳にしたことがない、信じられないほど素晴らしい、言葉。時代の魂だ」

男は、こう人に言わしめた。

 

興奮する人々は作家の登場を望んだ。男は、身を明かすことができなかった。身を明かすことで、家の名を傷つけることはできない。女王からも釘を刺された。

 

男は原稿をベンジャミンという男に託していた。匿名で劇にしてくれと。

そこで観客の前に出てきた男がいた。ウィルと呼ばれる読み書きすらできない大根役者であった。ウィルは時代の風雲児として、一躍脚光を浴びるようになったのであった。

大根役者のウィルは、こう呼ばれるようになった。「ウィリアム・シェイクスピア」と。

 

 生き続ける「言葉」

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ウィリアム・シェイクスピア肖像画
 

セシル父子の牙は刻々と迫ってくる。エセックス伯、オックスフォード伯は命を狙われた。そして、裏切りに会い、エセックス伯は逮捕斬首されるのであった。

 

オックスフォード伯も、もはや生きる力を失っていた。

「あの男(ウィル)には腹が立つだろうが、シェイクスピアの秘密は暴露するな。全てを失い最も貧しい人物になってしまったが、言葉だけが私の遺産である

そう、ベンジャミンに言い残し、オックスフォード伯は息を引き取った。

 

時代はセシルの天下となり誰よりも権力をふるった。イングランド王は思惑通り、スコットランド王ジェームズ6世が後継した。(イングランド王としてはジェームズ1世)

 

ところが、ジェームズ1世も芝居が大好きであった。特にシェイクスピアの舞台を見るのを待ち遠しくしていた。セシルは権力をふるったが、芝居人気には勝てなかった。

 

権力争いに敗れても、詩人の命が尽きても、詩人の物語は終わらない。

詩人のすばらしい言葉は、記念碑となって永遠に人々の記憶に残ったのだ。

 

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

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