こんにちは!ウェールズ歴史研究家のたなかあきらです。
ヴィンランド・サガは中世のヨーロッパを舞台としたヴァイキングの漫画です。
ヴィンランド・サガを既に読んでファンになっている人も多いと思いますし、これから読んでみようと思っている方もいると思います。
僕もヴィンランド・サガに魅了され、いつもワクワクしながら読んでいます。
魅了される一つの理由として、トルフィンの生きざまを通して人生哲学を語っているところにあると思います。
心に残った3点について考えてみたいと思います。
ヴィンランド・サガのあらすじ
ヴィンランド・サガのあらすじについてここで簡単におさらいをしておきます。
時代は11世紀の前半、ヨーロッパ中を荒らして略奪を繰り返していたのが、デンマークなどを拠点とするヴァイキングでした。そのヴァイキングの中で、父親を殺されて復讐に燃える少年がいました。この少年が主人公のトルフィンです。
作品は現在のところ大きく3つに分けられ下記が簡単な概要となります。
一部:トルフィンは父親を殺した仇であるアシェラッドを殺して復讐するために戦場で生きます
二部:しかしアシェラッドはヴァイキングの権力争いの中で死を遂げ、トルフィンは目標を失います。奴隷となったトルフィンは自分の生き方を探します
三部:戦場に生きた過去の償いをしながら、人々が平和に暮らせる安息の地を求めて人生の旅に出ます
「本当の戦士」とは何なのか?
「心休まる平和な日」を手にすることができるのか?
がテーマとして描かれており、残虐な戦闘シーンや哲学的な考え方も見どころです。
トルフィンの変化とストーリー展開、そこには生き方の哲学があった
主人公トルフィンは成長するにしたがって大きく性格が変わってきます。またその時その時を象徴するかのような言葉があり、生き方の教訓にもなっています。
特に僕が印象に残った言葉を3つ取り上げます。
誰にも敵などいない
トルフィンは小さい頃は人懐っこい性格で、最強の戦士だった父トールズのように自分も強くなりたい!と父に訴えます。
その時トールズがトルフィンに言った言葉がとても印象的です。
よく聞けトルフィン。
お前に敵などいない。
誰にも敵などいないんだ。
傷つけてよい者などどこにもいない。
本当の戦士には剣など要らぬ。
漫画を通して筆者がテーマとして伝えたかった事ではないかと思います。 この言葉は、僕の心にもずっしりと響きました。
敵は自分の心が作り出しているもので本当は敵ではない
だから誰も傷つけてはいけない
誰も争う必要などはない
このことが現代の世界上に浸透したら、世界はどんなに平和な世の中になるだろう。自分の普段の生活でも、仕事上でも同じことが言えるのではないだろうか。とても考えさせられました。
敵は強けりゃ強いほどいい
ヴァイキングの戦闘隊長のトルケルが発した言葉です。少年時代のトルフィンは、仇であるアシェラッドを殺そうとチャンスを狙っており、もっと強くなろうと技を磨きながらヴァイキング軍とともに戦いに明け暮れていました。その頃を象徴するかのような言葉です。
そーゆーことはね問題じゃないんだよラグナル。
いかに戦い。
いかに死ぬか。
それが問題だ。
敵は強けりゃ強いほどいい。
結果は問題じゃないんだよ
いかに困難に立ち向かい
いかに失敗するか
それが問題だ
目標が高ければ高いほどよい
それのほうが挑戦し甲斐があるじゃないか?
自分が何かに挑戦するとき、困難に立ち向かっていくとき、夢に向かって突き進むとき、同じようなことが言えます。これもなるほど納得の言葉です。
奴隷も戦争もない国を作ろう
仇をとろうと狙っていたアシェラッドが死にトルフィンは目標を失ってしまいました。しかし、本当の戦士とは?幼少の頃父に言われた言葉を思い出し、戦いに勝つことが秦の戦士ではなく、戦争もなく人々を平和にすることが真の戦士だと気が付きます。
兄弟一緒に来い。
ヴィンランドに平和の国を作る。
やろう兄弟。
海の向こうに奴隷も戦争もない国を作ろう。
これがヴィンランド・サガの狙うところであり、本当の戦士の行きつくところであると思います。昔の時代も今の時代も同じだと思います。
例えば現在の会社や社会などの組織ではこんな感じになるでしょうか。
〇〇にそれぞれの思いを入れてみましょう。
皆よ一緒に来てくれ
ここに僕らで〇〇を作る
皆でやろう、協力してやろう
自分たちで〇〇に〇〇を作り、社会に広めていこう!
自分の夢で作ってみても良いですね!
最後に
ヴィンランド・サガはキャラクターやストーリーの面白さだけでなく、登場人物の生き方そのものがとても心に残ります。
今回は主人公のトルフィンを中心にお話ししましたが、仇であるアシェラッドにも彼のプライドと強い生きざまが見られます。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント
ヴィンランド・サガは、とても良い漫画ですね、いかに戦い。
いかに死ぬか。
それが問題だ。というのはとてもいい言葉だと思いました。
id:nezuzyouziさん、いつもコメントありがとうございます。
この漫画は名言が多いですね。場面とともに心に残りますね。