襲撃再来 ~夢と野望の激突 第6話~

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
舞台は5世紀前半にかけての、ウェールズ付近のアーサー王伝説をもとにした創作ストーリーです。毎週金曜日に更新しています。

 ※前回の第5話

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襲撃再来 

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「おい、家来! ちょっとこい」

「はい、ヴォーティガン様」

 

ブリタニア南部、現在のウェールズイングランドの国境付近に位置する、パンガニーズにて。一人の男が眉間にしわを寄せ、騒ぎ立てていた。

 

「大陸に派遣した兵士たちから連絡はあったのか?」

「いえ、まだ何も・・・」

「ええい、どうなっているんだ? アンブロシウスとウーサーの捕らえるのではなかったのか? 居場所くらいはわかったんだろうな」

 

「いえ、それが・・・兵たちの消息もつかめない状態で・・・」

「きぃぇぇーい。黙れ黙れ! そんな話は聞きたくないわ!」

 

「もっと多くの兵たちを分散させて大陸に送り込め!早く、早くだぞ!」

「分かりました。直ちに出発させます」

 

「アンブロシウスとウーサー、奴らが成長したら、きっとワシが奴らの兄を殺したことが分かってしまうだろう。いやもう知っているかもしれない。そうすれば、きっとワシに復讐に来るだろう。それまでに息の根を止めてしまわねばならぬ。ブリタニアの王は絶対に奴らには渡さぬぞ」
「奴らを見つけたら捕らえなくてもよい。斬り殺してしまえ!」

 

 

一方、こちらは、フランスにあるブリタニー国。この日も引き続き、4人で厳しい特訓が続けられていました。

 

「よしっ !行くぞっ!!」
「おお 、かかってこい ! !」
「手加減はしませんよ!」
「きぇ〜〜い!!」

 

キン!コン!カン! 
カン!コン!キン!
ガッ・・・・ギ~

 

「うぬぬぬ」
「うううう」

 

カン!コン!キン!
キン!コン!カン! 
ガガっ・・・ズザーっ

 

「うむむ、いい踏み込みだ。剣に迷いがなく、いい筋だ!」
「まだまだ、負けないよ、かかってこい!」

 

「よし」
「ぎぇ〜〜い!!」 

 

カン!コン!キン! カーン!

「あっ!」
「やった!」

 

「参った! 参ったよ、アンブロシウス!」

「降参! 降参!」

 

「やられた! 負けたよ。アンブロシウスくんには叶わなくなっちゃったよ」
「ウーサーも強くなったな。ブリタニー屈指の実力と言われるワシと互角に戦えるようになったのだからな」
「有難うございます。叔父上とブディックくんが毎日特訓してくれたおかげで、僕たち強くなることができました」
「今度はブディック、お前がもっと強くならなくてはいけないな!」
「悔しいけど。僕ももっと特訓して、今度は負けないように頑張るぞ! よし、もう一回行くぞ!」

「うん、手加減はしないぞ~さあ、こい!」

 

激しい特訓で四人はくたくたに疲れ、休憩することにしました。剣を置いて城内広場の芝生でごろりと横になっていました。その時突然、不意を突いて多勢の黒い影が背後から襲ってきました。

 

「誰だ、何者だっ!」
「とうとう見つけたぞ! アンブロシウスとウーサーだなっ!」
「きさまは誰だ、まさかブリタニア兵か?」
「問答無用!」
「数が多いぞ! みな気を付けろ!」

 

武装した黒い集団が4人をめがけて斬りかかってきました。四人は盾を手に取り、密集陣営の形を取りました。

「俺たちを誰だと思っているのだ! 今やブリタニー最強の4人だぞ! 心してかかってこい!」

「でかい口をたたくのは俺たちをやっつけてからにしろ! 後悔するぞ!」

「よしっ、やれ~」

 
ガッ、ギッ、ガッ!
バサッ!ドサッ!

 

「こしゃくな野郎だ! 叩き潰してしまえ!かかれ~」

「今度は俺たちの番だ! さっきの言葉そのままお返しするぞ!」
「アンブロシウスはあっち、ウーサーはそっち、ワシとブディックは中央を突破するぞ!いけ!」

「うぉー」

 

カン!コン!バサッ!
キン!カン!ドサッ!
バサッ!ドサッ!グハッ !

 

「くっそ、ひるむな! 者どもやっちまえ!」 

「行け、アンブロシウスとウーサーを切り殺してしまえ!」

 

「きえぃぃーい イイ? イイっ? おいっ、お前たち! どこに行った! 奴らは強すぎる! やられてしまう! ヤバイ、退散だ、逃げろ!」

 

「こら、待て~っ」
「捕まってたまるか」

数多くの襲撃者に関わらず、あっと言う間に四人は倒すことに成功しました。しかし・・・

 

「逃げ足の速い奴め、取り逃がしてしまいました」
「どんなもんだい! でも僕らは簡単に敵をやっつけることができたよ」
「へへへへ、強くなったよなあ」

「お前たち、浮かれている場合じゃないぞ。敵に逃げられたんだ。しかも、ここの居所が分かってしまった。アンブロシウスとウーサーを捕らえに、再びここに攻めてくるのは目に見えている・・・」

 

「はぁ、はぁ。何とか俺だけ脱出できた。早くブリタニアに戻って、ヴォーティガンに知らせなければ。奴らを殺すには、もっと多くの兵が必要だ。いや、軍隊が必要だ、戦争だ」

 

次回に続く
この物語は、たなかあきら作のフィクションです。 

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最後まで読んでくださり有難うございました。

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