アーサー王の墓 アヴァロンはどこにあるのか?

アーサー王
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こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。

 

「アーサー王のお墓ってどこにあるんだろう?」
「アヴァロンだろうか?」
「アヴァロンって、どんな意味なんだろう?」
「アヴァロンはどこにあるんだろう?」 


についてお答えいたします。

特にアーサー王の墓があるといわれている、アヴァロンの現在の場所について、いくつかの説を集めました。

 

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アヴァロンってどんな意味?

 

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モルドレッドとカムランの戦いで対決し、致命的な重傷を負ったアーサー王。

アーサー王が傷を癒すため、眠りにつくために送られたとの言われる、アヴァロンはどんな意味なんでしょうか?

 

 

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アヴァロン(Avalon)とは、「りんごがなる木の場所」と言う意味で、ギリシャ神話に出てくる「ヘスペリデスの園」との関連がある、と言われているんだ。ヘスペリデスの園は美しい妖精たちが、黄金のりんごがなる木の番をしているんだ。

ヘスペリデス – Wikipedia

 

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何だか、天国にいるようなお話ですね。

 

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アヴァロンには、天国やあの世と言う意味も含まれているんだ。
ケルト神話では、あの世の神アヴァラヒ(Afallach)が住む場所で、アヴァロンは「あの世の入り口」と言う意味なんだ。

EBK: Afallach, God of the Otherworld

 

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なるほど。アーサー王が、アヴァロンに送られたのは、あの世や天国に行くため、という意味もあるんですね。

 

 

アーサー王の墓、アヴァロンはここにある

 

 


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アヴァロンにアーサー王のお墓があると言われ、その場所には幾つもの説があるんだ。
それぞれどこにあり、なぜ候補になっているのか? 伝説をお話ししよう。

 

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やっぱり、アーサー王の時代は6世紀とかなり昔で、なかなか証拠は残ってないですし、アーサー王自体が実在しないかも、知れないからでしょうか。

 

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そうだけれど、アヴァロンの候補地には、それなりの理由があり、更にアーサー王物語が楽しめるよ。

 

 

グラストンベリー説 

 

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アヴァロンの最有力候補と考えられるのが、グラストンベリー(Glastonbury)だよ

グラストンベリーはイングランド南部のサマセットにある、小さな街なんだ。

>>グラストンベリー – Wikipedia

 

 

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グラストンベリーには頂上がとがった、Torと呼ばれる岩山があり、そこはケルト神話のあの世の神Gwyn ap Nuddの宮殿があったと言われているんだ。
つまり、あの世の入り口、アヴァロンだよ。

 

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瀕死のアーサー王は、アヴァロンに船で流れ着いたんですよね?
グラストンベリーは緑ばかりで海は無さそうですけど。

 

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グラストンベリーは、緑の島(Isle of Grass)や、グウィセリン島(Isle of Gwythrin 中世のグラストンベリー付近の呼び名)と言う意味なんだ。
小高いTorから眺める緑は海の様に広がっていたのかも知れないな。

それに、アーサー王の時代には、どうやら周りは湿地帯だったようだ。だから船で行けたと思うよ。アーサー王ははじめ、Torに葬られたそうだ。

>>参考文献:EBK: Glastonbury, the Isle of Avalon

 

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更にグラストンベリーには興味深い伝説もあるんだ。

イエス・キリストが十字架に架けられた時、流れる血を聖杯で受け取り、その後イエスを葬った人物はアリマタヤのヨセフだ。

ヨセフは単独または、イエスと共にグラストンベリーを訪れ、イギリスに初めて教会をを建てた、と言われているんだ。ヨセフ自身もグラストンベリー教会の何処に眠っているそうだ。


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このアリマタヤのヨセフの聖杯は、アーサー王が国を救うために円卓の騎士たち何処に探し回った聖杯と言われているんだよ。

アリマタヤのヨセフ – Wikipedia

 

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グラストンベリーとアーサー王は、ヨセフを通して、凄い繋がりがあるんですね。何か証拠みたいなものは、残ってるのですか?

 

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このグラストンベリーの修道院だけど、1191年に院長がカシの木で出来た棺を見つけたそうだ。その中に頭をひどく負傷した大男の骨が横たわっていたそうだ。

 

 

その棺にはこう書かれていたそうだ。

「ここに葬られた有名なアーサー王と、2人目の妻グィネヴィアが眠るアヴァロン島で」

 

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これは、グラストンベリーはアヴァロンの可能性が高いんじゃないですか? 

 

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ところ修道院長は金銭に困っていて、お金が必要だったらしい。そのための、作り話か、、、とも言われてるよ。

ちょっとガクッとするけど、グラストンベリーには、アヴァロンと関連する色んな伝説が盛り沢山にあるので、アヴァロンの候補地としては有力と思うよ。

 

✅こちらの記事もご参考に!
>>アリマタヤのヨセフと聖杯伝説についてはこちらの記事!

 

バスチャーチ説 

 

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今、アヴァロン説でホットなのが、バスチャーチ(Bschurch)と呼ばれる、ウェールズとイングランドの国境にあるシュロップシャーの街なんだ。

Google マップ

 

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ローマ時代の要塞があったロクシター(Wroxeter)から王が来て、Bassa教会に埋葬された、と言う中世の記述があるんだ。(Bassはバスチャーチとら考えられる)

 

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興味深いのはアーサー王は、ケルト系の王だけどローマ帝国のとの結びつきは強いんだ。
「ブリタニア列王史」の記述を見ても、祖父の代はローマ司令官であったしね。

だから、アーサー王がローマ要塞にいたり、ローマ軍の司令官としても不思議はないんだ。

 

 

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最近の研究では、バスチャーチ郊外にあるBerth hillもアバロンの可能性があるんじゃないか、と言われているんだ。まだ、発掘などの調査は行われておらず、これからだそうだ。

現在は緑が広がる場所だけど、かつては水で囲まれていたそうだ。

 

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The Lost Tomb of King Arthur 5

 

 

リンゴの島、バードジー島説

 

 

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北ウェールズにあるバードジー島(Ynys Enlli, Bardsey Island)も、アヴァロンじゃないか、と言われているんだ。

Bardsey Island – Wikipedia

 

 

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グラストンベリーとバスチャーチは陸地だったけど、バードジー島は海に囲まれた島なんですね。バードジー島にはどんなアーサー王の伝説があるんですか?

 

 

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バードジー島は、いつもアーサー王を助けていた魔法使いのマーリンが生まれ埋葬された場所、とも言われているんだ。 

14世紀の記述に、アーサー王は、アヴァロンに行くために、(バードジー島がある)ウェールズのグウィネズに連れて行け、と言ったとの記述もあるんだ。

 

 

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バードジー島産のリンゴ

 

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バードジー島は、二万人以上の聖者の墓がある、巡礼の地でもあるんだ。

また、面白いことに、バードジー島はリンゴの産地であり、アヴァロン(リンゴの島)を連想させるんだ。

バードジー島で採れるリンゴは、世界で最も珍しい品種と言われているんだ。ピンク色で、甘くてレモン風味のジューシーな味らしいよ。

マーリン・アップルと呼ばれるリンゴもあるそうだよ。

>>Bardsey Island Apple Introduction

 

 

フランスのアヴァロン説

 

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アーサー王のモデルの1人と言われているのが、フランスに住む実在のローマ軍の司令官であったリオタムス(Riothums)だ。

リオタムスはローマ皇帝の要請を受けて戦っている時に、味方の裏切りに会い、戦いに敗れて、アヴァロンに逃れ消息を絶ったと言われているんだ。

 

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アーサー王とメチャメチャ似てますし、名前自体アヴァロンじゃないですか? それでリオタムスなアヴァロンは何処にあるのですか?

 

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イギリスじゃなくて、フランスのブルガンディーにある、アヴァロン(Avallon)なんだ。

アヴァロン (ヨンヌ県) – Wikipedia

 

 

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そのほかに、地中海の名前の分からない島、イタリアのシチリア島って説もあるんだよ。

 

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そんなに色んなアヴァロンの説があるんですか! 何処も行ってみて、伝説に直接触れてみたいなあ。

 

✅アーサー王のモデル人物(候補)リオタムスについて
>>アーサー王伝説にそっくり! アバロンで姿を消したブリタニア王の実話

 

 

 

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最後まで読んでくださり有難うございました。

コメント

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