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イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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3本の矢はここにも存在した~中世に舞い降りたカムリ戦士たち 第1話~

歴史創作ストーリー ウェールズの歴史

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こんばんは。ウェールズの歴史を研究しているたなかあきらです。

新年最初のウェールズにかんする、歴史ストーリーです。

ウェールズの10世紀~11世紀にかけてウェールズ王家が分裂して戦いを繰り広げる様子を、様々な登場人物の人間模様の物語をシリーズで書いております。

前回は信頼から裏切りへ、そこに出現した強大な影 ~中世に舞い降りたカムリ戦士たち第5話

 

初めの頃はまだキャラクターが定まっていなかったため、今回第一話を書き直しました。

※上の第5話の描き方は第1話から大きく変化してますよね。ストーリーの構成を変えたので、過去の一話は読むとネタバレになるのでサラリとお願いします。
一話:3国で争ったウェールズの内乱は吉か凶か? 

<語り手>

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ウェールズの歴史にやたらと詳しいワタル。歴史になると話が止まらなくなる。

 

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歴史に詳しくないアサオ。心は優しいが、かなり小心者。

 

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語り手のジェイムス。親切で気の良いお兄さん。

 

中世ウェールズの時代背景について

 

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※分割していたウェールズ。緑の部分はウェセックスマーシア

 

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ウェールズは小さな国なのにこんなにたくさんの国に分かれてたんですね。

 

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そうだな。中世のウェールズは、主にグウィネズ(Gwynedd)、デハイバース(Deheubarth)、ポゥイス(Powys)の三国と、南部のいくつかの小国に分かれていたんだ。

この三国はお互い協力し合うこともあったけど、勢力範囲を広げようと断続的に内乱が続いていたんだな。

さらに、ウェールズ三国は外敵からの脅威にもさらされ、アングロサクソン族の国ウェセックスマーシアヴァイキングの国デーンローから攻められて苦しい状況にあったんだよ。

 

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ひぇ~、そんな状況じゃ安心して暮らせないよ~
ウェールズに平和な時代はなかったの?

 

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今回の話はそこからスタートしようか。9世紀にはようやくウェールズに平和な時が訪れたんだよ。ロドリ・ザ・グレート(ロドリ・アプ・メルヴァン)という大王が登場して、初めてウェールズの三国を統一して外敵の侵略も退けてウェールズに束の間の平和をもたらした時期があったんだ。

 

ウェールズ版の三本の矢はどんな矢?

 

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ウェールズ版の三本の矢ってどんな意味ですか?

 

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ロドリ大王はウェールズのほぼ全域を統一した王で、日本の場合は毛利元就が戦国時代に中国地方をほぼ統一しただろう。

 

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そうか、わかりました! 毛利元就は3人の息子たちに、1本の矢ではすぐ折れるけど3本矢を束ねれば強くなって折れない、このように力を合わせて協力しなさい、と言った話ですね。

 

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ウェールズの3本の矢は、どうだろうか?

 

<登場人物>

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ロドリ大王

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長男アナラウド

 

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次男カデル

 

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三男メルヴァン

 

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同族ながら小国に分かれてお互い争いあっていたウェールズようやく一つに纏まり平穏な日々を手に入れることができた。
しかし気を緩めてはならない。いつアングロサクソンやヴァイキングが攻めてくるやも知れぬ。今こそウェールズは手を取り合い団結すべき時なのだ。

 

 

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一人でウェールズを率い守っていくにはもう年老いた。我が息子たちよ、ワシがまだ元気なうちにお前たちにウェールズを継がせる。お互い協力してウェールズをより一層強く平和な国にしてくれ。

 

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はっ、父上!

 

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アナラウド、お前にはウェールズの中心地であるグウィネズGwynedd)を与えよう。

 

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はっ、長男の誇りをもってウェールズの領土をさらに広げ、誰にも負けない王になってご覧にいれましょう。 

 

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カデルには西のデハイバース(Deheubarth)を与えよう。

 

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有難き幸せ。兄に後れを取らず強い国作りに励みます。

 

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メルヴァンよ、末っ子のお前には中央のポウィス(Powys)を与えよう。

 

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はい。兄たちと協力して平和な国にします。

 

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これは頼もしい息子たちだ。アナラウドを中心にウェールズの結束を図ってくれ。

 

 

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どうだね、ウェールズの3本の矢の始まりは。

 

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なんだか、毛利元就の三本の矢にクリソツの感じがします。

 

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そうだろう、そうだろう。ロドリ大王の話を読んでいた時に、おお!これは日本の3本の矢にそっくりだ!と思ったんだ。

長男:毛利隆元、次男:吉川元春、三男:小早川隆景の三兄弟が長男に従って力を合わせて毛利家の結束を強める事が元就の狙い。隆元は早世したので幼い輝元が毛利家を継ぎ、元春と隆景が補佐し中国地方全体を支配下に治め、織田信長豊臣秀吉に拮抗する大勢力になったんだ。

 

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ということは、ロドリ大王の3人の息子たちがロドリを補佐してウェールズの結束を強めて、大勢力のアングロサクソンやに立ち向かった、ってことですか?

 

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するどい! 実際に立ち向かえたのだろうか? 続きは・・・・・・また次回

 

※この物語は歴史上の実在人物や事件の記述がありますが、たなかあきらのフィクションが多く含まれています。

纏め:たなかあきらコメント 

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特にこの時期のウェールズは、アングロサクソンの国(マーシアウェセックス)やヴァイキングなど強国が存在して、その国々との関係・外交に力を入れてウェールズを守っていかないといけない時代でした。ロドリ大王以前の時代は、後継争いが続いて国が無駄に弱くなっていました。

ロドリ大王はその点を十分に認識して上手く乗り越え、さらにウェールズの強化を図ろうとした、ウェールズのパイオニア的な王でした。

ロドリ大王の3人の息子たちはロドリの志を受け継ぐことが出来るのか? がポイントになっていきます。

 

※参考記事
ロドリ大王の背景が書かれています。あまり読みすぎるとネタバレになりますのでご注意ください。

www.rekishiwales.com

 

ロドリの子孫はエミネムであったという話 

www.rekishiwales.com

 

※記事の著作権はたなかあきらに属します。

最後まで読んでくださり有難うございました。

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