ロビンフッド物語のあらすじと 実在したモデル人物

イギリスの歴史
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f:id:t-akr125:20161204125616p:plain(20.8.26更新)
こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。今回は誰もが一度は名前を聞いたことがる、ロビンフッドについてのお話です。

 

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ロビンフッドは中世イギリスの伝説で、自由のために戦う英雄としてとても人気があり、数多く映画化やドラマ化がされています。

ロビンフッドの名前は知っていると思いますが、どんな話なのかご存知でしょうか?

  • ロビンフッドのあらすじ
  • ロビンフッドの映画の紹介
  • ロビンフッドのモデル人物


についてご紹介いたします。

 

 

悪王に立ち向かったロビンフッドのあらすじ

 

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まずは、有名なロビンフッド物語のあらすじをご紹介します。

時代は12世紀後半のイングランド。当時のイングランド王はリチャード1世でした。

勇敢で武勇に優れ、獅子心王(ライオンハート)と呼ばれたリチャード1世は、第3回十字軍の遠征に出かけ、イングランドを不在にすることが多かったのです。

 

 

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その頃、弟のジョン(後のジョン王)は、リチャード1世の指示でフランスにあるイングランド領に滞在していますが、リチャード1世が不在なことを良いことに、約束を破りイングランドに戻っていました。

そして、人々から重税を取り立て、またお気に入りの貴族の地位を上げるなど、わがまま放題の悪政をしていました。

 

 

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このジョン王の悪政に抵抗するアウトロー集団が、ノッティンガムのシャーウッドの森に集まり、私腹を肥やす悪代官などから財を奪って貧乏な人に分け与えるなど、人々を救う活動をしていました。
このアウトロー集団のリーダーが弓矢と剣の達人、「ロビンフッド」でした。

無法者のロビンフッドを捕らえようとする悪代官と、それに対抗するロビンフッドを中心とする集団が争っていくのです。

 

 

ロビンフッドの映画

 

 

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このロビンフッド達と悪代官との争いを描いた映画がいくつかあります。

何れの映画もとても面白く、おすすめです。おなじロビンフッドの物語ですが、まったく異なる人物像に描かれており、見比べるととても面白いですね。

 

 

◆  ケビン・コスナー主演のロビンフッド  ◆


ケビン・コスナーのロビンフッドがとてもカッコいいです。
また、代官のとっても悪どい演技が面白いですよ。


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◆  1938年の色男のロビンフッド  ◆

1938年の作品。緑色の衣装を身に着けた、ちょっとプレイボーイ的な色男のロビンフッドです。勇敢で剣術にも優れ、かっこいいですよ。


youtu.be



 

◆  ラッセル・クロウの渋いロビンフッド  ◆

 

ラッセル・クロウが主演の、こちらのロビンフッドはとても渋いです。ロビンフッドが実在人物なら、こんな感じの人物だったのかも、と思う内容です。

 

 

ロビンフッドの実在人物は?

 

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今までお話して、映画にもなったロビンフッドの物語は、実在人物はいるものの、実は作り話という説があります。

実在人物のストーリーが、時代を経るうちに変化し、12世紀後半のジョン王の悪性に苦しんでいた時代に、当てはめられたようです。

では、ロビンフッドの発祥となったストーリーや人物は、どんな時代に活躍していたのでしょうか?

 

 

ノルマン人に立ち向かったロビンフッドのあらすじ

 

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※ウィキペディアより

 


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ロビンフッド物語のモデルになった人物と言われているのが、11世紀に活躍したヘリワード・ザ・ウェイク(Hereward the Wake)と呼ばれる人物です。

1066年にフランスからやって来たノルマン人によって、アングロサクソン人のイングランドは征服されました。
領土を奪われたアングロサクソン人はノルマン人の支配に抵抗し、そのリーダー的存在がヘリワードでした。

 

 

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ヘリワードはデンマーク王の協力を得て、イングランド東部のイーリー島を中心に抗戦を続け、ピーターボーロー寺院を襲い略奪を行いました。
ところがノルマン軍の攻撃を受け、イーリー島は奪回されてしまいます。

ヘリワードは島を脱出し、イングランド中東部の湿地帯に潜んで抵抗をつづけたと言われています。

このヘリワードが、ロビン・フッド伝説になったのではないかと言われています。

※イーリー島:島と言う名の陸地 イーリー – Wikipedia
※ヘリワード:ヘリワード・ザ・ウェイク – Wikipedia

 

 

ウェールズにもいたロビンフッドのあらすじ

 

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11世紀にノルマン人に立ち向かったウェールズの英雄の話です。
彼の名は、ブラン・アプ・ブリチャン(Bran ap Brtychan)と言い、エルファエルと呼ばれるウェールズ小国の領主でした。


ブランは父をノルマン人に殺害され自国を脱出してウェールズの森に逃げ込みます。
新たな領主となったノルマン人から国を取り戻し、捕まって奴隷となってしまった人々を救おうと、金持ちから略奪を繰り返して資金を作ろうとしました。

 

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有名なロビンフッドの物語と多くの共通点があり興味深い内容で、ブランの話をストーリー化しても面白いだろうなあと思います。
この話がロビンフッドの原形ではないか?という説もあります。


※参考文献

Robin Hood was Welsh and never went to Nottingham, claims book | Daily Mail Online

 

 

最後に

 

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何れのロビンフッドも共通点は一言で言うと、悪から人々を救うリーダー、という点ですね。

色んなロビンフッドの伝説があり、とても興味深いです。

ロビンフッドの映画を観る際に、このブログを読んでいただき、より楽しんでくださるとありがたいです。

 

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