こんばんは。ウェールズの歴史研究家たなかあきらです。
前回の第13話は、ウェールズの統一を夢見るハウェルがローマに行っている間、留守を預かる弟クラドグと妻ヘレンに起きた事件でした。(エレン父、倒れる)
今回は、エレンの父が倒れた続きのお話です。
※前話
(登場人物は実在ですが、ストーリーとキャラはたなかあきら作です)
これまでのあらすじ
ここにまとめてあります~
<登場人物>
ウェールズ内の一国を治めるハウェル。
乱暴者も勉強し落ち着いてきた。
ハウェルの弟クラドグ。かなりお調子者。
ウェールズの最権力者イドワル。冷静で冷淡、冷血。
ハウェルを敵対視するようになる。
最強国イングランドのアゼルスタン王。
無事帰郷
ウェールズの西部、デハイバース国
あっ、ハウェルの兄貴!
クラドグ、今帰ったぞ!
兄貴〜
おぉ、どうした。泣くなよ、クラドグ。
ぐすん。兄貴が居ない間、大変だったんすよ。
すまぬ、苦労をかけて。一体何が起きたんだ?
グウィネズのイドワルのハゲ野郎が、プレッシャーをかけてきたんすよ。直ぐに、一万の兵と軍資金千ポンドをよこせと。
イドワルに逆らうのは良くない。出すしか無いだろう。
オレはイドワルと戦いたかったんすけどね。今のハウェル兄貴なら、戦うなと言うと思ったんで、大人しく従ったんすよ。
そうだ、それでいい。ご苦労であった。
悔しいっすよ、オレ。イドワルのハゲ野郎のいいなりじゃんかよ。
これじゃ、イドワルに国を乗っ取られたも同然すよ。
ところでエレンはどこだ?
それが、実は大変なんです、、、
新たな後継
ダヴィッド国、ペンブローク城。
ごぼっ、ごほっ。
おぉ、ハウェル殿、ローマから戻られたか。
ラワルヒさん、お加減いかがですか。
不在中、ご迷惑をおかけしました。
ごぼっ、ごほっ。
お父様。
わしゃ、歳だ。病にはもう勝てぬ。もうじき、この世から旅立たねばなるまい。いいとことろに来てくれた。ハウェル殿に言っておくべき事がある。
ラワルヒ殿、私に出来ることは何でも仰ってください。
わしには後継者がいない。そこで、昔は手のつけれない乱暴者だったお主にお願いがある。
はい、、、
エレンも聞いてくれ。
はい、お父様、無理はなさらずに。
ハウェル殿。お主は昔、とんでも無い男で、いつ成敗してやろうかと思っておった。
ワシの国ダヴィッドに攻め込みワシを脅した。隣国に攻め入り、略奪を続けた。お主は成敗されるべき、野蛮な暴れ者だった。
本当、ひどいもんだったわ。
しかし、ワシはじっと我慢しておったのだ。
ワシは信じとった。きっと将来は改心して立派な人物になると。
お主の父、我が親友だったカデル殿もそう言っておった。増してや、お主の祖父は名声高いロドリ大王じゃからの。
ワシは我慢してずっと待っておったのじゃ。
ワシは我慢してずっと待っておったのじゃ。
すみませんでした、ラワルヒ殿。
あまりに愚かな男でした。
待った甲斐があったようだ。近頃は戦いを止め勉学にも励み、立派になられた。
安心してわしの国ダヴィッドも任せられる。安心して、我が娘エレンも任せられる。
エレンそれでいいな
はい、お父様・・・
ハウェル殿、どうじゃ。引き受けてくれるか?
私で務まるなら喜んでお引き受けします。
ラワルヒ殿、長い間、見守ってくださり、ありがとうございます。
うっうっうっ、泣けるっすよ。いい話だなあ。うっうっ
これで、親友カデルとの約束も果たせる。ハウェル殿とエレンは許婚だったのじゃ。
お父様・・・・
それから暫くして、ダビッド王ラワルヒはこの世を旅立っていった。
ハウェルは、ケレディギオンとダヴィッドそしてイストラッド・タウィを合わせ、デハイバース国とした。
そして、ローマで学んできた法律を活かしてウェールズ法の制定に取り掛かった。
様々な国の法律の利点と、ウェールズの慣習を組み合わせた画期的なものを目指していたのである。
仕上がるウェールズ法の内容??
兄貴、本当に兄貴っすか?
何を言うんだ?
言おう言おうと思ってたんすけどね。しばらく見ないうちに雰囲気が変わったような気がするんすよ。
ほら、
使用前:
使用後:
ね!
それじゃあ、俺がガラクタみたいじゃないか。
ちょっとむさ苦しくなったけど、
賢くて優しい表情になったわね。
髭は剃ってほしいけど。
兄貴、珍しくアネさんが褒めてるよ
まっ、たまにはね。
エレン、長い間留守にして済まなかった。お前だけでなく、ラワルヒ王にも大きな負担をかけてしまったようだ。
本当よ。ハウェル、あなたがずっと国に残っていれば、、、
済まぬ。ラワルヒ王の寿命を縮めてしまったかも知れぬ。
また、イドワルも幅を利かせ我々に圧力をかけてるようだ。
でも仕方ないわね。私達や国の将来を思っての事ですものね。
父の分以上に働いて、ケレディギオンとダヴィッド国を平和で安心な国にして頂戴。
でないと許さないわよ。
でないと許さないわよ。
おお、アネさん節が戻ってきた。
でも相変わらず、エレンのアネさんはキツイなあ。
あんな気の強い嫁さんなら、俺は耐えられんなー
クラちゃん、何か言った?
いえ、アネさんは気丈だなと言っただけすよ。
ところで兄貴、政治の勉強ははかどったんすか?
おかげ様で、かなり学んだよ。
法律の勉強をしてな、ウェールズにも法を作ろうと考えたんだ。
法っすか? 何です法って?
帰ったらクラドグにも教える、って約束だったな。
あっ、そうすっよ、そうっすよ
へへへへ、俺も兄貴に学んで、賢くなるんすよ、へへへへ。
コレがまだ作成の途中だが、ウェールズ法の原案だ。
さっすが兄貴!スゲ〜カッコいい〜
どんな内容すか?
ひぇっ、、、
⚪︎✖︎△?∞W(`0`)W✖︎✖︎✖︎▫️((((;゚Д゚)))))))
何すかこれ?
言葉っすか?
今のクラドグにはまだ早い内容かも知れないな。
ははは
なるほど、さすがねハウェル。
ヘェ〜エレンのアネさん、分かるんすか?
まぁ。父ラワルヒには男の後継者がいなかったので、いざと言う時は、私がダヴィッド国を引継ぐ可能性もあったの。そのため、父からは色んな勉強をさせられたわ。
エレン女王になったかもって言っすか?
ひぇっ、恐ろしや。そうなったらダヴィッド国には近づけなかったすね。
クワバラ、クワバラ。
クワバラ、クワバラ。
こらっ、クラドグ!
ひぇっ〜いえ、何も。
騒がしいなあ。静かにしてくれよ。
さあ、ウェールズ法の仕上げに取り掛かるぞ。
あとがき
次回は、歴史的なウェールズ法の制定です
※悪かったころのハウェルとクラドグ
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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