ジョージアナ(デヴォンシャー公爵夫人)
こんにちは、たなかあきらです。
映画「ある侯爵夫人の生涯」を観ました。18世紀のイングランド貴族の実話に基づいた映画です。
とにかく衣装や髪型などが素晴らしい。中世スタイルはこうだったのか!と見入ってしまいます。(第81回アカデミー賞衣装デザイン賞受賞)
ジョージアナはスペンサー家出身で、ダイアナ妃の祖先になります。映画を観ると、共通点を感じますね。(少々ネタバレしています)
公爵家と伯爵家
可憐で、元気に友達と庭園を駆け巡る、ジョージアナ。
美しい。
衣装も、髪型も、すごい。見事で、憧れる。中世の貴族とはこんな生活をしていたのだろうか?
華やかな社交界の中で、ジョージアナは美人の誉れ高い花形として注目を集め、彼女の周りには常に文壇や政界の名士が集まった。
ゴージャスな貴族は、やはりゴージャスな貴族と結婚する。これが、貴族では当然のおきてなのだろうか。
ジョージアナは名門貴族デヴォンシャー公爵に17歳で嫁いだのだ。
彼女は幸福だったのだろうか?
1774年6月、イングランド。スペンサー伯爵の娘、ジョージアナ・スペンサーは、名門デヴォンシャー公爵のウィリアムと結婚した。
いわゆる政略結婚である。何も知らずに、結婚したジョージアナは、心浮かれてウィリアムのもとへ行った。
待っていたのは、中年のように老けた男であった(実際は9歳年上)。ジョージアナが人の目を集める社交界の中でも、決して人と多くかかわろうとはしない。
ウィリアムは無表情だ。殆ど、ジョージアナに声をかけないし、優しさはなく冷たく冷淡だ。それに頑固だ。自分の考えを、決して曲げることはない。
人々は言った。
「ジョージアナはウィリアム以外の誰からも愛されている」
苦悩の日々
第5代デヴォンシャー侯爵ウィリアム
ジョージアナは実家に戻りたくなった。ウィリアムは、ジョージアナが戻ることを許さない。
「世継ぎを生みなさい、すべては私が決め従わないことは許されない」
そして母親に相談するが、冷たくあしらわれた。
「世継ぎの男の子を生むまでは帰って来てはダメです、辛抱しなさい」
伯爵家にとって世継ぎの男の子が産まれることは、とても重要なのだろう。
当時の決まりでは、伯爵の正妻からの息子が産まれなければ、伯爵の称号も領土も財産も継ぐ者がおらず、一家は途絶えてしまうからなのだろう。
それに、スペンサー家にとって、より爵位の高いデヴォンシャー家の世継ぎを娘が生んだ、となればより名誉を得ることになるのだろう。
※スペンサー家・・・爵位は伯爵(爵位は三位)
デヴォンシャー家・・・爵位は公爵(爵位は一位)
爵位は、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順。
ジョージアナは我慢をするものの、何度も流産をしてしまう。ようやく生まれた子供も、女子ばかりであった。ウィリアムは怒りをあらわにする。
ジョージアナにとってつらい日々が続く。
泥沼
それだけだはなかった。
ジョージアナの唯一ともいえる友人エリザベスを愛人にしてしまうのだ。ジョージアナがそれに気づき、ウィリアムに対して激怒する。
エリザベスを去らせようとするが、ウィリアムは拒絶するのだ。
そして、一生涯エリザベスは、ウィリアムやジョージアナと同居するのである。(映画には描かれていないが、ジョージアナの死後、ウィリアムとエリザベスは再婚する)
ジョージアナにとってどん底の日々が続いた。
ジョージアナも弱い人間であったのだろう。屈辱と、孤独さをいやそうと、若き政治家とのスキャンダラスな愛に堕ちていくのだ。
これを、ウィリアムが知ったらどうなるだろうか?
自分の事を棚に上げて、別れさせようと圧力をかけるのだろうか?
それとも、黙認するのだろうか。
公爵夫人の生涯
ウィリアムも、ジョージアナも正直になり、自分の思っている事、本心を伝えることが出来なかったように思う。
弱い人間だったのだろう。それが、よりお互いの関係を悪くする行動に出てしまったように思う。
外に愛人を作った、チャールズ皇太子とダイアナ妃との関係を彷彿させる。
二人の関係はどうなったのか?
疲れ果てた二人。ウィリアムはジョージアナにこう言った。
「私は、私の知る愛し方でしか、愛せない」
この言葉は、癒しになったのか、どうだろうか。
ウィリアムの言ったこの言葉、その通りかもしれない。ジョージアナにとっても、同じであったのだろう。誰にとっても同じと思う。
しかし、人生を生きていく中で、知る範囲を広げていきたい、と思う。
※ジョージアナ・キャヴェンディッシュ(1757-1806)
ウィリアムとの間には1790年に、息子ウィリアム・ジョージが産まれ後継となった。
ジョージアナ・キャヴェンディッシュ (デヴォンシャー公爵夫人)
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