こんばんは! たなかあきらです。
白い国って何のことかわかりますか?
美しい山に囲まれ、冬になると山は白い雪に包まれる。そんな様子を国の名前に付けたのが、ウェールズ北部にあるGwynedd(グウィネズ)です。
という話を、前回しました。
その続きの話をいたします。
大昔のイギリスの様子
ぐーん、と歴史をさかのぼり、このグウィネズ国が生まれて頃の話。
ウェールズの中心であったグウィネズ国の創始者はキネダと言う人物。
キネダはもともと、現在のスコットランドのエジンバラ付近の首長だったんだ。
ということは、スコットランドがウェールズに攻め込んだと言うこと?
取り敢えず、これを見てくれ。
ジャーン!
※グウィネズ(Gwynedd)を探せ!! ゴトウディン(Goutodin)も探せ!
地図ですか。あれっ。
何か気がついた?
ほお~。気が付いた?
その昔、1,600年程前、イギリスはイギリスではなく、イングランドもなかった。そこには、今のイングランド、スコットランド、ウェールズに渡るブリタニアと呼ばれる国があったのだ。
スコットランドからウェールズに攻め込んだわけではなかった。
ブリタニアがいくつかの国に分かれていた、ってこと?
そうだ。ブリタニアは幾つかの小国に分かれていて、キネダは北部の一国を統治する勇者で獰猛な首長だったのだ。
キネダは攻め込んだわけではなく、ゴトウディンからグウィネズに移住したのでした。
勇者でどう猛な首長が移住ですって?
どう猛な勇者の出稼ぎ
キネダは戦い好きで、何しろメチャメチャ強かったみたいだ。敵はコテンパにやっつけられ、隣国も残忍さに震え上がったようだよ。
何でそんな悪魔の様な人がウェールズに移住したのですか?
雪深く冬は閉ざされてしまい、身動きが取れなく仕事もない場所に住んでいるとしよう。南国にいい仕事あるけどどう? と声を掛けられたら、遠くても行きますか?
仕事の内容や稼ぎによりますけど、凄く魅かれますね。
冬は太陽も余り昇らず寒く閉ざされるスコットランド。幾ら戦い好きでも、戦っている場合じゃあない。
そんな時に南国のウェールズから、戦いの仕事があるけど来ないか?
と声がかかったんだ。
そりゃ、行くでしょ。儲かるのなら、行きますよ。
キネダは誰に呼ばれたんですか?
南部ブリタニアはヴォルティゲルンが権力を振るっていたんだ。
悪魔のような王だったようだ。
「キネダ殿、君のピクト族を破った功績は南部にも伝わっているよ。
南部はスコット族の攻撃に苦しんでいる。傭兵に来ないか?」
「どんな条件だ?」
「些細な土地だが、全員が住める所も与えよう。」
こうして、キネダは8人の息子と1人の孫を連れて、スコットランドから北ウェールズに移りスコット族と戦ったんだ。
猛者は猛者
猛者揃いのキネダ達は次々とスコット族に勝ち、ウェールズから追い払ったんだ。
「おい、どうする?仕事がなくなったぞ」
「このまま、待っていても稼げないな。とは言え、スコットランドより気候は良いし、作物は取れるし、住みやすいな」
「俺もスコットランドには帰りたくないよ」
キネダ達はスコット族を追い払った地などを自分のものにし、更に領土を広げようとしたと考えられるんだ。
ヴォルティゲルンは黙っていたの?
勝手に領土を我が物にされちゃ、怒るでしょう?
普通はそうだろうな。でも、ヴォルティゲルンはキネダに気をかけている余裕は無かったんじゃあないかな〜
「兄の仇、簒奪者ヴォルティゲルンを倒せ!」
先の王を殺害しブリタニア王の座を奪ったヴォルティゲルンをやっつけようと、アンブロシウスとウーサーが戦いを挑んでいたんだ。
ウーサー?どっかで聞いたことあるなあ。
伝説では、アーサー王の父だよ。2人はヴォルティゲルンに勝って、王座奪回に成功したんだ。
なるほど〜。だからヴォルティゲルンはキネダ勢力に目が向かなかったのか〜
ウェールズに国を作った
それでキネダは現在のウェールズの元となる国グウィネズと、王室を作ったんだよ。
そして、息子達に領土を分け与えたんだ。こんな感じで。
1から8までと、11番目だよ。
ちょっと大変だけど、一気に紹介するよ。
長男Typaunの息子Merionの国は、
次男Ysfaelの国は、Osmaeliog
三男Rhwfanの国は、Rhufoniog
四男Dynodの国は、 Dunodig
五男Ceredigの国は、Ceredigion
六男Afloygの国は、Afflogion
七男Einion Yrthの国は、Rhos
八男Dogfaelの国は、Dogfeilion
九男Edernの国は、Edeyrnion
ふう~。
と多くの国名は、キネダの息子達の名前にちなんで付けられてたらしい。
ヘェ〜。面白いですね〜
そして、Gwyneddは今も使われ、他にも使われている名前もあるぞ!
長男Typaunの息子Merionの国、MeirionyddはMeirionnyddとして残っている。
五男Ceredigの国、Ceredigionは何と今もそのままの読み方だ。
六男Afloygの国、Afflogionは今ではArfonとなっているようだ。
History of local government in Wales – Wikipedia
えっ、それすごい!
1550年程昔のお話でした。
次回は、キネダの息子たちの活躍ぶりをお話いたします。
<参考記事>
キネダについて!
最後まで読んでくださり有難うございました。
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