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イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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中世イギリス・ウェールズ版の南北朝とは!

イギリスの歴史 ウェールズ ウェールズの歴史

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こんばんは!たなかあきらです。

イギリスのウェールズの歴史についてシリーズでご紹介しています。中世のウェールズでも南北朝下剋上が起きて戦乱状態だったんですよ。どんな南北朝だったのか?どんな下剋上だったのか?お話いたします。

 

前回のウェールズ歴史のおさらい

 

・大王の出現でウェールズを統一

・息子や孫の時代に対立する戦乱の世

・再び強力な王が出現しウェールズを統一
というウェールズ統一時代(9世紀前半~10世紀中盤)についてお話いたしました。

 

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今回第7話は再び乱世に舞い戻り、王家が南北に分かれ戦国時代の様に戦いが続いた
ウェールズ版の南北朝・戦乱時時代(10世紀中頃~11世紀後半)についてご紹介いたします。

 

※時代の区切りや呼び方は筆者が独自に表現しているものです

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ウェールズ版の南北朝時代の幕開け

 

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せっかく前回、ヒウェル良王がウェールズを統一して平和な世を取り戻したのに
残念ながらまた戦乱の世になってしまったんですね。

 

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そうなんですね。前回説明したロドリの孫イドワルを中心としウェールズ最強国であるグウィネズに拠点を置くアバルファラウ家、同じくロドリの孫ヒウェルを中心としデハイバースに拠点を置くディナヴァウル家がウェールズの主導権を取り合ったんだ。

 

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つまりウェールズ王室の正当性を主張する北部のグウィネズ(Gwynedd):アバルファラウ家と、優れた統治者を輩出した南部のデハイバース(Deheubarth):ディナヴァウル家の勢力争いがあったのです。

 

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ウェールズ南北朝下剋上も同時に起こる

 

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南北朝の戦いだけでなく、同じ家の中での後継争いによる内乱が頻繁に起こったんだ。
さらに家系内の内乱と南北朝の戦いのスキをついて下剋上も起こり、度々略奪者によってウェールズ政権が奪われたこともあったんだ。

 

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ん~、、、すごい複雑!!

 

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どんなぐちゃぐちゃだったかというと、グウィネズの支配権を持っていた人物を示してみよう。発音しにくいので、アバルファラウ・・アバル、ディナヴァウル・・ディナと省略するよ。

・916-942年・・・イドワル・フォエル(アバル家)
・942-950年・・・ヒウェル・ダ(ディナ家)

ここまでが前回お話しした時代で、それ以降は

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と続くんだよ。

 

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アバル家とディナ家から交互に支配権を奪い合い、アバル家でもディナ家でも兄弟、叔父甥同士の後継争いが尽きず、乱れをついてエダンやトラハエアルンなどの小国の騎士が突然国を略奪して王になるなど、戦国・下剋上の時代だったんだ。

 

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ひゃー、頭もぐちゃぐちゃに混乱しちゃいます・・・

 

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もう少し分かりやすく、といっても複雑だけれど家系図で争いの様子を見てみよう。

 

◎アバルファラウ家

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 ◎ディナヴァウル家

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うぁあああ、もうめちゃくちゃですね!!!
でもこれだけ争いが続くと、戦国時代好きには興味ある時代ですね!

 

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そうだね、面白いよ~

 

ウェールズ南北朝下剋上に出現した英雄たち

 

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こう同族で争いが続いては国が大いに乱れてしまうんだ。もうどうにもならん!という時はディナ家から直系ではなく母系の繋がりから英雄が救世主的に出現し、平和な世を取り戻したことが何度もあったんだ。

 

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分かる気がします。近い者や同族では争いが収まりきらず、外からやって来た有能な人物が解決するんですね。過去のウェールズでも同じ話がありましたし、企業でもそんな例がよくありますね。

 

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よく覚えていたなあ~それがディナ家が輩出した、リウェリン・アプ・セイシルやグリフィズ・アプ・リウェリン、ブレディン・アプ・カンヴァンなどだ!

簡単に三人を紹介しよう。

 

下剋上を打ち破ったリウェリン

 

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リウェリンは略奪者のエダンにより、国が荒廃し人々の不満が大いに募っていた時に、ウェールズ王室の直系では無いけれど、ウェールズの人々に受け入れられエダンを倒してグウィネズを取り戻した王だ。

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◎放蕩息子から一転し大王になったグリフィズ

 

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リウェリンの息子グリフィズは、本家のアバル家に政権を取られてしまったんだ。
国を取り返そうという意気込みを持たずに隠者生活を過ごしていたところ、姉に勘当されたことをキッカケに気持ちを入れ替えました。
再びアバル家で相続争いが起こりイアゴが内乱で暗殺された隙を突いてグウィネズ国を取り戻し、更に勢いに乗り西部のデハイバース国や南部のモーガンウィグ国も奪い取り、ウェールズ全土を治めました。
ウェールズの歴史において全域を統治した数少ない王の1人で、一時ではありましたがウェールズに平和をもたらしたのです。

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◎仙人のような人徳者ブレディン

 

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ブレディンはリウェリンの異父弟で

「すべての王で最も慈悲深いく最も愛された王 … 彼は親類に礼儀正しくて貧しい者に寛大で、巡礼者と孤児と未亡人など弱い者にとっての弁護者でした。誰も傷つけず侮辱されたものを守りました。すべての人に手を差し伸べ、戦争を嫌い平和を愛しました。」と記述されるほど善い王だったんだ。

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仙人の様な人物ですね。ブレディンみたいな王ばかりがいいなあ~

 

こうしてウェールズ南北朝は終焉に向かった

 

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この時代の最終段階に登場するのが略奪者トラハエアルンとアバファラウ家のグリフィズ・アプ・コナンだ!二人はライバルの様に何度も領土を奪い合い最終的にはグリフィズが勝利し、支配権をアバファラウ家に取り戻したんだ。
グリフィズ以降はグウィネズの統治はアバファラウ家が継続して行い、南北朝時代は終焉したんだ。(※トップの写真はグリフィズです)

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今回のウェールズ歴史、南北朝のまとめ

 

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このように南北朝・戦国時代ではウェールズの内乱が続きました。このため、ウェールズの結束力が強まらず国力が落ち、このためノルマン朝イングランドに侵略されるきっかけを作ってしまいました。

次回は、ノルマン朝イングランドウェールズとの戦いを中心にお話を致します。


最後まで読んでくださり有難うございました。

 

 <キャスト>

f:id:t-akr125:20160331233338j:plainワタル課長

f:id:t-akr125:20160403180650j:plain部下アサオ

f:id:t-akr125:20160423222245j:plainジェイムス先輩

 

 

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