イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

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ロングボウの男が隠していた必殺技 ~たたかうカムリ戦士19話~

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こんばんは。ウェールズの歴史研究家たなかあきらです。9世紀~11世紀にかけてウェールズ王家が分裂して戦いを繰り広げる様子を、様々な登場人物の人間模様の物語をシリーズで描いています。
 
前回の第18話は、イングランド王のアゼルスタンが突然ウェールズのハウェルの元にやって来て、ハウェル食ってかかりましたが、何とか持ちこたえて同盟を結ぶ場面でした。
この同盟によって、自称ウェールズの統治者を名乗るイドワルが腹を立てます。どうも腹の立て方が尋常じゃなさそうです。
 
※前話

 (登場人物は実在ですが、ストーリーとキャラはたなかあきら作です)

 
 

これまでのあらすじ 

ここにまとめてあります~

<登場人物> 

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ウェールズ内の一国を治めるハウェル。
乱暴者も勉強し落ち着いてきた。

 

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ハウェルの弟クラドグ。かなりお調子者。

  

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ウェールズの小国ダヴィッドの娘、エレン。ツンデレ系。

 

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ウェールズの最権力者イドワル。冷静で冷淡、冷血。
ハウェルを敵対視するようになる。

 

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最強国イングランドのアゼルスタン王。

   

湧き上がる熱い心・・・ 

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ウェールズの北部、グウィネズ国。

 

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ハウェルの奴けしからん、ウェールズの統治者のワシを差し置いて、アゼルスタン閣下に取り入るとは! アゼルスタン閣下も気に入らねえ、何でハウェルの奴を。忠誠なワシの方がずっと良いではないか。

 
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はい
 
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イドワル様を怒らせてしまったな。ワシの恐ろしさを思い知らせてやるぞ!
くそっ、今に見てろ!国中の有りったけの猛者たちを集めてこい!
 
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え~、戦いするんすか?
 
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当たり前だ! ハウェルに脅しをかけに行くぞ!
言われた通りやれ!

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はっ
 
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ウェールズの西部デハイバース。
 
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 何! イドワルが攻めてくるだと? その数はどのくらいだ?
 
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数万の兵が集まっているそうっすよ。へっへっへ、兄貴〜
久しぶりっすよ、兄貴。思いっきり暴れてやりましょう~♡
 
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クラちゃん、あなた自分の兵がどのくらいいるか知っているの?
 
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千人くらいっしょ。
 
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勝てるわけないでしょ、十分の一しか居ないのよ。
 
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だあ〜い丈夫っすよねー兄貴。
ふっふっふっ~♡。身体がムズムズするっすよ。
 
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ふっふっふっ
 
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あっ、兄貴が笑った
 
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俺たちの力を見せてやろう。ふっふっふっ。
よし、例の作戦で行くぞ!
 
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え~兄貴、ついにあれをやるんすかぁ~
恐ろしや、クワバラクワバラ。
 
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まさか昔みたいに暴れ者に戻らないわよね。それはやめなさいよ。
もし野蛮な男に戻ったら私、ダヴィッド国に帰るわよ。
 

数で負け先手を取られたが・・・

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 ウェールズの、デハイバースとグウィネズの国境付近で、両軍が対峙した。
 
 
 
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ハウェル、出て来い! お前は俺に忠誠を誓った身でありながら、俺を無視し勝手にアゼルスタン閣下と面会した。ウェールズに対する反逆罪に値する。
大人しくお前が投降すれば、他の者の命だけは助けてやろう。
 
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俺はイドワル殿に忠誠を誓った覚えもないし、ウェールズに反逆した覚えはない。むしろ平和の為にアゼルスタン閣下と話をしていたのだ。
 
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黙れ黙れ、その勝手な言動がウェールズ統治者である、イドワル様を侮辱しているのだ。聞かぬなら、こちらから仕掛けるぞ。
 
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うひょ〜、奴ら射ってくるみたいっすよ〜♡
ハウェル兄貴、攻めましょ、攻めましょ。
うひょひょひょ、たまんないっす、この感覚~♡
見てくれよ、俺の剣がまだかまだかって言ってるっすよ。
 
 
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いや、クラドグ。奴らに手を出すな。
よく見ろ、相手は大軍だ。まともに戦って勝てると思うか。
俺が言うまで待てよ。
 
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分かったすよぅ~。兄貴が合図するまで、待つっすよっ
 
 

 

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おっ、弓矢が来るぞ、シールドで防げ!
 
 
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くそっ、
 
 

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どうだ、我が軍自慢の協力部隊だ。ちょっと脅してやったが、怖くて手も足も出ないか。はっはっはー。 
おい、ハウェル、早く降参しろ。さもないと更に攻撃を加えるぞ。
 
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あっ、あねさん、
 
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何っ、何でここにいるんだ。
 
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あなた達が心配で見に来たの
 
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お前がここにいることが心配だ。
 
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ありがとう、でも大丈夫よ。
私も昔は戦士の訓練を受けているの。
 

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うっヒュー、あねさん、かっくいい〜
 
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大丈夫だ、我々はまともには戦わない。クラドグ、そろそろ例のやつをやるぞ。
 
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ラジャー、分かったすよ〜
 
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エレンはここで待機してくれ、
 
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おやっ、なんか変な野郎が出てきたぞ、様子を見に行け。
例の影の部下はどこへ行った?
 
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は、今日は見かけませんね。
 
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こんな時に役立たずな野郎だ。奴はクビだ。お前が行け。
 
クラドグが1人イドワル軍にヨロヨロと歩いて行った。
バラバラっとイドワル兵達はクラドグを取り囲む。
 
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なんだお前は?
ラリってるのか?
 
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ああ、俺の剣がな。
 
そう言うのが終わるや否や、ピカリといく筋かの閃光が走った。

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 ガラガラ、ガシャーン
 
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ヒエ〜〜っ
たった助けて〜
 
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どうした、何が起こったのか?
 
身に付けていた鎧兜のみを斬り裂かれ、裸になったイドワル軍の兵士達はチリヂリに逃げ出した。
 
  

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あっ、クラドグ!思い出したわ。
昔、ワルだった頃、父と私を脅したときに、あなたのその技見たわ。
 
 
 
 
その時、ビューっ、耳を裂くうなり音がして、猛烈な速度でイドワル軍を目指して飛びこんで行った。

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うぐっ、、、
 

 

カランカラン
一筋の長矢がイドワルの禿げ頭の横をかすめ、兜を殴り落としたのだ。
 

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イドワル殿、今のはわざと外した。今度は容赦しないよ。その気ならいつでもイドワル殿の脳天を打ち抜ける。軍を引き上げ、グウィネズにおかえりください。
 

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何だと!
 
ハウェルはロングボウを構えて仁王立ちになった。
何名かのハウェル兵達もロングボウをイドワル軍に向けた。 

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うぐぐ。 イドワル兵たちは、みな後ずさりを始めた。
 
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うぬぬぬぬ、止むを得ぬ。今日はこの辺で勘弁してやる。
だが覚えておれ、この屈辱は次回晴らしてやるぞ!
 
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ウェールズの西部デハイバース国。
 
 
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ご苦労であった。クラドグ。
 
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やりましたっすね〜兄貴
でも、あれだけじゃ物足りなかったっすよ〜
 
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凄い、凄いわ、あなたたち。
 
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当たり前っすよ。俺たち強いんすよ。知らなかったんすか、あねさん。
約束通り、戦わずに終わったすよ。 
 
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ウェールズの北部、グウィネズ国。

 
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くそっ、ハウェルの奴!
捻り潰してやらないと気が済まぬわ。
見ておれ!
 
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おぃ
 
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はい、
 
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お前何処に行っていた?
 
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はっ、敵方の情報収集に、、、
 
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大切な時に居ないとはけしからん。
今度変なマネをしたら首が飛ぶぞ!
 
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アゼルスタン、ハウェルの対抗勢力を作るぞ。
ポウィス国、グラモルガン国、イングランド国のエドムンド侯爵に使者を送れ。買収でもなんでもよい、同盟させろ!
 
いよいよ、ハウェルとイドワルの最終決戦の日が近づいて行くのだろうか。

  

最後に

 

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ロングボウ、それは長く強力な弓で、破壊力は最強を誇っていた。しかし、かなりの肉体的な力と技能が必要で、相当の鍛錬を積んだ一部の人しか扱えなかった。 

 
後世でイングランドウェールズに侵略した時、ロングボウ兵を多く抱えるウェールズ軍は、散々イングランド軍を苦しめた。
 
また、15世紀になりイングランドとフランスとの100年戦争では、ウェールズのロングボウ兵が駆り出され、大活躍した。フランス兵たちの頑丈な鎧兜をブチ抜き、少数のイングランド軍が大軍のフランス軍を打ち破った、アジンコート(アジャンクール)の戦いが有名である。

 

 ※エレンがクラドグの剣を昔見た場面

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