イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

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「トリスタンとイゾルデ物語」 アーサー王物語にも影響を及ぼしている点

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アーサー王物語にも取り入れられた、トリスタンとイゾルデ物語の一面

 

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皆さんこんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。今回の内容は、 アーサー王物語にも大きな影響を及ぼし、物語の中にも取り込まれている「トリスタンとイゾルデ物語」についてです。

トリスタンとイゾルデ物語の概要と、アーサー王物語に影響を及ぼしている点についてお話したいと思います。

トリスタンとイゾルデ物語のあらすじ 

トリスタンとイゾルデ物語のポイント

 

「ああ、トリスタン、トリスタン、どうしてあなたは トリスタンなの。叔父様と縁を切って・・・」


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本の中には書かれていませんが、こんなセリフが出てきそうな「トリスタンとイゾルデ」の物語です。物語の概要は、媚薬を飲んだ勇者トリスタンと叔父マルク王の妃イゾルデが、禁断の恋に陥っていく悲劇的なストーリーです。

 
あなたならどちらを選びますか?
・尊敬する人物への忠誠を尽くし、恋など一時の心の乱れとはね退ける
・恋人のため、全てを犠牲に愛に生きる
 
 

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ん~難しいですね。僕なら・・・愛に生きたいです!

 

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おお、カッコいいこと言うねぇ

 

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主人公のトリスタンもイゾルデも、中世騎士道の主従関係を重んじる社会の中で、心が激しく揺れ動きます。その心境が痛いほど分かる同情の気持ちが湧いてきます。
忠誠か、愛か? どちらの心を重んじるかは人それぞれですが、私にはトリスタンとイゾルデの恋愛が健気に感じられ、なんとか成就できないの? と思わず願ってしまいました。 

 

トリスタンとイゾルデ物語のあらすじ

 

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トリスタンとイゾルデ物語のあらすじを話そう」
アーサー王物語にでてくるトリスタン卿は、現在のイギリスのコーンウォール地方にあったとされるリオネス国の、メリオダス王とイザベラ王妃の間に産まれた息子で、叔父であるコーンウォールのマルク王に仕えて勇敢に戦っていたんだ」

「ある時、マルク王はアイルランド王と貢物を巡って争いになり、勇者トリスタンは、暴れ者で有名なアイルランドの王族モルトオと戦うんだ」

 

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「円卓の騎士の中でも屈指の勇者であるトリスタンは、猛者モルトオをやっつけるんだよ。しかし受けた毒矢で傷つきトリスタンも倒れてしまうんだ。その時、トリスタンはアイルランド王女のイゾルデの介抱を受けて回復したんだ」

 

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「その後、トリスタンはコーンウォールに帰国するけど、アーサー王の宮廷でセグワリデス卿の妻との情事をやらかして、叔父のマルク王と仲が悪くなったんだ」

 

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「この時代、そんな男女間の情事の話が多いですね。それでトリスタンはマルク王と仲直りできたんですか?」

 

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「このため、トリスタンは再びアイルランドへ渡って、イゾルデをマルク王の妃として連れて帰り和解することになったんだ。これで仲直りできるはずだったんだけれど・・・」

アイルランドからコーンウォールにイゾルデを連れて開る途中に、トリスタンとイゾルデは誤って愛の媚薬が入ったワインを飲んでしまい、二人は愛し合うようになってしまうんだ」

 

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「ふむふむ、それでそれで」

 

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「イゾルデはマルク王と結婚したものの心はマルク王に在らずなんだ。トリスタンとイゾルデは隠れて愛をはぐぐむが、マルク王の部下たちに気がつかれ、マルク王にも疑われるんだ。こうして、再びトリスタンとマルク王の関係は非常に悪化するんだよ」

 

 

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「それでトリスタンとイゾルデの愛は続くのですか?」

 

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「だんだん怪しくなってくるな。コーンウォールに居ることが出来なくなったトリスタンは、決心してブリタニー国に渡るんだ(現在のフランス・ブルターニュ地方)」

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「イゾルデと別れちゃうんですね」

 

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「ブリタニーに渡ったトリスタンは、ホエル王の娘「白い手のイゾルデ」と結婚することになるんだ」

 

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「ああ、これで二人の関係は終わってしまうんですね」

 

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「トリスタンも元の恋人イゾルデのことが忘れられないんだ。結婚した理由も、名前が同じだったから、とも言われているんだ」
「しかし、トリスタンにも最後の時がやってくるんだ。トリスタンは戦いで瀕死の重傷を負ったんだ。この傷は元の恋人イゾルデしか治せないということになり、使者によってトリスタンの危機を知ったイゾルデは、アイルランドから駆けつけてきたんだ」

 

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「白い手のイゾルデがいるけど・・・二人は再会できたんですか?」

 

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「トリスタンは、帰りの船にイゾルデが乗っているなら白い帆を、乗っていないなら黒い帆を掲げて欲しいと、白い手のイゾルデに頼んだんだ。果たして、イゾルデは来るのか?というところだけど、実際はトリスタンの危機を知ったイゾルデは駆けつけてきたんだよ」

「しかし、白い手のイゾルデは、元の恋人イゾルデに強い嫉妬心を抱いたんだ。そして、トリスタンに「黒い帆です」と答えたんだ。その答えを聞いて絶望したトリスタンは、イゾルデが到着する前に絶命し、到着したイゾルデもトリスタンの死を前に嘆き悲しんで亡くなったんだ」

 

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「飲んだ者は永遠に愛し合う、とされた媚薬。二人は同じ場所に埋葬され、その場所からは2本の木が生えてきたそうだ。その木は寄り添うように伸び、切っても切っても再び枝は寄り添うらしい」

 

 

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「媚薬とはいえ愛し合う二人が現実の世界では一緒になれなかった、とても悲しい話ですね」

 

アーサー王物語にも影響を及ぼしたトリスタンとイゾルデ物語

 トリスタンとイゾルデ物語の発祥

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トリスタンとイゾルデ物語の発祥はスコットランドのおとぎ話と言われているんだ。その話が、イギリスのウェールズコーンウォール地方で伝説となり、ドリスタン王子とマーチ王、エシルト妃とのロマンスの物語になったんだ。さらに、この物語がフランスに伝わり、12世紀に纏められた叙事詩が書かれ、これがトリスタンとイゾルデ物語になったそうだ。

※トリスタンの発祥について詳しく書いた記事

円卓の騎士トリスタン 「トリスタンとイゾルデ物語」の発祥は誰だ? 

実はアーサー王物語にも影響を及ぼしている 

 

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トリスタンとイゾルデ物語」(トリスタンとイズー物語とも言います)は、アーサー王物語にも影響を及ぼしているんだ。トリスタン物語はアーサー王物語の中にも取り入れられており、主人公のトリスタンは円卓の騎士の一人となっているんだよ

 

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その要点を話そう! トリスタンとイゾルデ物語の舞台はコーンウォールのティンタジェル城なんだ。
アーサー王もティンタジェル城で産まれたんだ。

コーンウォールのマルク王の兄リヴァラン王の息子として生まれたけど、リヴァラン王は戦いで戦死し、トリスタンは生い立ちを隠して王の部下に育てられたんだ。
アーサー王ブリタニア王ウーゼルの息子として生まれたけど、ウーゼルは略奪婚だったためアーサーも生い立ちを隠して王の部下に育てられたんだ。

 

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トリスタンは叔父マルク王の妃イゾルデと恋をして人目をはばかり・・・
⇒円卓の騎士ランスロットアーサー王の王妃グウィネヴィアと恋をし・・・

 

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すごいトリスタンとイゾルデ物語はアーサー王物語に似ていますね~

 

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トリスタンとイゾルデ物語は本もあるし、映画にもなっているし面白いから観てくれよ。

トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)

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おまけ:こんな有名な作品にも影響を及ぼしている

 

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「またトリスタンとイズー物語は、シェイクスピアで有名な「ロミオとジュリエット」のモデルになっているともいわれているし、19世紀にリヒャルト・ワーグナーによって楽劇として作曲されているんだよ」

恋におちたシェイクスピア [DVD]

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最後に

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トリスタンとイゾルデ物語は 、ヨーロッパでは学校の教科書に載るくらい誰でも知っている物語だそうです。中世ヨーロッパの騎士道の考えや恋愛を描いた、代表的な作品なのでしょう。今回の記事を読んでいただき、トリスタンとイゾルデの物語に興味を持ち、楽しんでくだされば幸いです。

 

※この記事でアーサー王物語がとてもよく、とても深くわかります

www.rekishiwales.com

 

最後まで読んでくださり有難うございました。

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