リチャード3世の悪事と哀歌 本当に悪王だったのか?

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こんにちは、たなかあきらです。(20.1.13更新)
リチャード3世は、イングランド王の中で最も悪評が高い王です。
しかし、本当にリチャード3世は言われてあるような悪事をやったのでしょうか?
本当に悪王だったのでしょうか? 

今回はリチャード3世の嘆きの声を聴いてください。

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リチャード3世の悪事(と言われている)

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リチャード3世が関わったとされる代表的な事件はこの3つです。この事件がもとで、リチャード3世は悪王と言われています。

・リチャードは兄エドワード4世とクラレンス公と結束し、ヘンリー六世を擁立したウォリック伯(リチャードの義父)を敗死させました(バラ戦争)

・ウォリック伯の相続争いでリチャードは兄クラレンス公と対立し、エドワード4世への反逆罪を理由にクラレンス公を処刑しました

・エドワード4世が亡くなった後、幼きエドワード5世が後を継ぎ、リチャードが摂政に指名されました。期間限定の摂政任務が終わってエドワード5世が実権をにぎると、リチャードはエドワード5世兄弟を殺害し、王座を奪ったと言われています
(リチャード3世が行ったのか、また他の人物の陰謀なのか分かってはいません)

本当にリチャード3世は私利私欲を満たすため、企んだ事件だったのでしょうか。

 

リチャード3世の哀歌 

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ここに、リチャード3世の歌をご紹介します。リチャード3世は、悪評に対する胸の内をしみじみと歌っています。(芸術的なパロディーです)

 


youtu.be

(55秒ほど飛ばしてスタートしてください)

 

 

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リチャード3世の歌。つたないですが、英文をたなかあきらが訳したものを載せます。

 

あなた方が私のことを愛してくれると思ってました
その思いに私はしがみ付きました
私はリチャード3世なのだから、誰もが王を愛するのだから

 

私は良い働きをしたのに、なぜあなた方は賛成しないのでしょうか?
私について悪い噂を広める人が沢山います。全ての内容は偽りです。
だから私はこの歌を歌うのです
歴史書は間違った事を言い続けて来たからです

 

足を引きずってなんかいません
いつも背筋をピンと伸ばして歩きました
コブなんかありません
腕は大丈夫です

 

法を犯して王の座を奪ってなんかいませんし、甥の王子たちを塔の中で殺してもいません
テューダー朝の言いふらしている事は、全て理屈にあってないことです
リチャード3世に関する真実を語る時が来たのです

 

私の兄エドワードが亡くなったとき、子供たちは国を治めるには幼すぎたのです
だから、私が王になったのです
なぜ、そうしない理由があるのです?

私は賢明になっただけです
トーマス・モアが、私がエドワードの息子たちを殺したって歴史に書きました
シェイクスピアは子供たちの死は悪魔の仕業だと言いました

だけどこの2人は歴史の破壊者なのです
私のイメージをぶち壊したのです
なんたる、名誉を壊す不祥事でしょう!

 

決して無邪気な後継者を殺してません
決してロンドン塔の階段の下に埋めていません
決して妻を毒殺して義父を殺したりしていません
私は優しいリチャード3世なんですよ

 

私は悪者に見えますか?
決して表裏の顔はありません
私は誤解されているリチャード3世と、あなた方は分かってくれるでしょう

 

あなた方は想像できますか?
私は薔薇戦争でヘンリー(テューダー)に倒されたプランタジネット家最後の人なのです

 

テューダー朝は私に配慮しませんでした
そして私は悪者として描かれています
だから、人は私のことをその様に思うのです。

 

あなた方が私の数々の罪を聞いたとき、決して忘れないでください
決して兄弟をワインの大樽の中で窒息死させてません
決して「馬をくれ、馬のかわりに私の王国をくれてやる」とは言っていません

 

誰がでっち上げたのでしょうか?

 

なぜ?ウィリアム・シェイクピアです、もちろん!

 

今、私の話が語られています
あなた方は、もう悪評を聞く事は無いでしょう
特別な君主、リチャード3世について

 

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時代がプランタジネット朝からテューダー朝に変わり、テューダー朝をたたえるために、リチャード3世は悪者に仕立て上げられたのかも知れません。
また話を面白くするために、シェイクスピアがリチャード3世を悪者に描いたのかもしれません。

英語の原文

‪Richard III Song‬

I was sure that you’d love m
To that hope, I did cling
‘Cause I’m… Richard the third
And… everybody loves a king!

 

Thought I did a good job
Why do you disagree?
There’s a lot of people
Spreading nasty rumours ‘bout me
Every word is a lie
So I’m singing this song
‘Cause the history books
Have been telling it wrong!

 

Never had a limp
Always walked my full height
Never had a hunch
And my arm was all right
Never took the crown
With illegal power
Never killed my nephews
The princes in the tower
Tudor propaganda
It’s all absurd
Time to tell the truth
About King Richard the third

 

My brother Edward, died
His kids too young to rule
So… I took the throne
Why not? I’m nobody’s fool!
Thomas More wrote a history
Said I’d murdered Edward’s boys
Shakespeare said their death
Was an evil ploy
But I say those two
Are historical vandals!
They’ve ruined my image!
I mean, what a scandal!

 

Never bumped off
Those harmless young heirs
Never buried them
Under the Tower of London stairs
Never poisoned my wife
Bumped off her daddy
This is me, sweet Richard
Do I look like a baddy?
Never was two-faced
Sure you’ll agree
I was misunderstood
King Richard three

 

Can you imagine it?
I’m the last Plantagenet
Beaten by Henry
In the Wars of the Roses
The Tudor dynasty
Didn’t care that much for me
Now I’m painted as a baddy
That’s why one supposes…

 

Never forget
When you hear of my crimes
Never drowned my brother
In a massive vat of wine
Never said ‘My horse!
My kingdom for a horse! ‘
Who made that up?
Why, William Shakespeare, of course!

 

Now my tale is told
You won’t hear a bad word
About a special ruler
King Richard the third

 

 

最後に

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リチャード3世の遺発見されDNA鑑定の結果、本人の遺骨にほぼ間違いないということが分かったそうです。現在の最新技術で顔も復元され、肖像画と非常に似ていることも分かりました。

ところが、母方の血筋は家系図に一致しましたが父方は家系図と一致せず、リチャード3世は正統なイングランド国王だったのか?という疑いも出ているとのこと。
極悪人に仕立て上げられ墓まで掘られ、「似非もの」呼ばわりされては可哀そうな気もしますね。

 

※リチャード3世の顔を復元。絵画とそっくりです。 


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