ストーンヘンジの場所と行き方
まずはストーンヘンジの場所をご紹介します。ストーンヘンジはイギリスのイングランド南部、ソールズベリー平原のエイムスベリーという場所にあります。
ストーンヘンジへの行き方はいくつかありますが、ロンドンから電車で行く場合は
Waterloo駅(ロンドン、ウォータールー)
↓
Salisbury(ストーンヘンジから近い駅、ソールズベリー)
↓
ストーンヘンジ(バスで移動)
が良いかと思います。
ストーンヘンジってどんな構造?
現在のストーンヘンジは
・高さ7mの門形の石(5組)
・円形に組まれた4~5mの立石30個等
で成り立っていて最大50tで4tの石も82個あります。
こんな巨石遺跡を、動力機械もない古代の人々が作ったものなのか? と思うと、とても驚きます。
ストーンヘンジの謎:伝説ではだれが作ったのか?
ストーンヘンジはだれが作ったと思います?
・宇宙人?
・魔法使い?
・人間?
※ストーンヘンジを作る魔法使いのマーリン
中世の頃の人々のにとって、ストーンヘンジはアーサー王物語にも出てくる魔法使いマーリンが作ったと信じられていました。
当時の歴史書にも記述があり、考古学が発達していない中世までは歴史書に書かれた伝説が信じられていました。
<伝説の概要>
アーサー王の叔父にアンブロシウス・アウレリアヌスという王がいました。
アンブロシウスは宿敵を倒してイギリス王になった時に、魔法使いマーリンにアイルランドから巨石を運ばせてストーンヘンジを造らせたという伝説があります。
そしてストーンヘンジがあるエイムスベリー(Amesbury)の名はアンブロシウス(Ambrosius)に由来しているとも言われています。
<参考記事>
アンブロシウスの記事
👉>>王の中の王と言われストーンヘンジを作ったブリタニア王
ストーンヘンジの謎:本当はだれが作ったのか?
本当は誰がストーンヘンジを作ったのでしょうか?
ストーンヘンジを眺めてみると、石の外側は直径約100mの円形になっていることが分かります。
そこを発掘すると意外な事実が分かってきました。
円形状の端には大きな石が建てられた跡が残っており、その石が立っていたと考えられる下には多くの人骨が発見されました。
サークル上の石が作られたのは紀元前3000年頃と推定されます。
当時その付近にはウィンドミルヒル人と呼ばれる人々が住んでおり、その中で権力を持った王族の墓であったと考えられます。
ストーンヘンジを作ったのはイングランド人でもなく、その前に住んでいたケルト系のブリトン人でもないのです。
イングランド人やブリトン人が移住してくるずっと前、付近に住んでいたと言われる、ウィンドミルヒル人のお墓がストーンヘンジの始まりだったのです。とても驚きですね。
ストーンヘンジ謎:何の目的で作られたのか?
※写真ではストーンヘンジから上の方向に向かって筋が見えます
ストーンヘンジは有力者のお墓という以外に、とても大きな目的がありました。
更にストーンヘンジを調べると、上空の写真からも確認できるように、外側から直線状の線が引かれていることが分かりました。
調べてみると直線状の線は人工的に作られたものではなく、氷河が溶けた水でできた自然の足跡であることも分かりました。
氷河の線は、夏至の日に日が昇る方角と、冬至の日に日が沈む没方角と、一致しています。
当時の人々は日の太陽光線が組んだ石の隙間から入るように工夫して作り、神が作った神聖な場所として畏れ崇めたようです。
ストーンヘンジの謎:神や王を拝む神聖な場所であった
さらにこんな事実も分かってきました。
ストーンヘンジから約3㎞ほど離れたダーリントンウォールズと呼ばれる遺跡があり、最近の調査で当時の集落が見つかり、宴会をした形跡が残されていました。
そこで見つかった動物の骨などを分析すると、イギリス全土から遠くはスコットランドから持ち込まれたものであることが分かったのです。
つまり、神聖な巡礼を行う前日などに、人々はダーリントンウォールズに宿泊し、宴会を開いたのではないか、と考えられます。
ストーンヘンジの目的:まとめ
これまでの話をまとめますと、ストーンヘンジは当時のウィンドミルヒル人にこんな重要な場所であったと考えられます。
・冬至の日にイギリス全土から人々が集まりダーリントンウォールズで大宴会を開催
・ダーリントンウォールズからストーンヘンジに繋がるアベニューを歩いて移動
・王族墓参りをするとともに、ストーンヘンジに入って来る太陽光線を見て神・太陽を崇拝
当時の人々にとって、ストーンヘンジは王族の墓でもあり神が宿る場所でもあり、とても神聖な巡礼地であったのだと考えられます。
ストーンヘンジの謎:ストーンヘンジの石はどうやって運ばれたのか?
石の産地はウェールズとイングランド
ストーンヘンジの目的が分かったところで、次にストーンヘンジの巨石はどこから運んできたのか? が気になってきます。
最大50tのサーセンストーンと呼ばれる巨石は、30km離れたマルバラーの丘、82個の4tの石は、250km離れたウェールズにあるプレセリの丘から運ばれたようです。
各地に残っている原石とストーンヘンジの石を分析し一致したことから、両方の場所がストーンヘンジの生まれであると推測されます。
石の切り出し方も分かった
特にウェールズのプレセリの丘では、ストーンヘンジで使うために切り出した部分がストーンヘンジの巨石と一致することがわかりました。
またストーンヘンジ用に切り出して放置されたまま残っているものも発見されました。
伝説で言われてるようなアイルランドから持ち込まれた訳じゃないですね。
更に面白いのが、巨石の切り出し方です。巨石の隙間に木を差し込み、雨などで木が膨張させその力によって巨石を割る、という方法でした。
もう一点、興味深い話があります。
切り出された巨石がウェールズのどこかでまず使われ、その後ストーンヘンジに運ばれるという、巨石のリサイクルが行われていたようです。
✅ストーンヘンジの巨石はリサイクルされた!?
さらなるストーンヘンジ、スーパーヘンジのちょっと残念な事実
先ほどお話しした、ストーンヘンジの近くで宴会を行った形跡がある、ダーリントン・ヒルの遺跡にも、巨石の遺跡があることが期待されていました。
このスーパーヘンジと呼ばれる遺跡にも多くの巨石が使われていると考えられ、事前の調査では、巨石遺跡の存在を示唆するような手がかりが得られていました。
しかし、専門家による発掘調査では巨石の形跡はなく木材が発掘されたのでした。
なぜ石ではなく木材が使われたのか? 新たな疑問がわいてきました。
その疑問を解くべく、今後もまだまだ調査が続けられるそうです。どんな真実が分かってくるのか楽しみですね。
ストーンヘンジの謎の最後に
ストーンヘンジの調査の結果より、ストーンヘンジは誰が何のためにどうやって?
という点の事実関係がかなり分かってきました。非常に驚く事実もありますし、さらに疑問点や興味がわいてきます。
歴史を知ることによって、古代の人はどういう思想でどういう行動をとっていたのか?自分たちの生活や考えのルーツを知ることができますね。
ストーンヘンジの歴史を知って、実際にストーンヘンジに直接行かれたら、すごく楽しめますね。
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