分かりやすい中世ウェールズ歴史の概要

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こんにちは。たなかあきらです。
ウェールズ、というと何を思い浮かべるでしょうか?
ラグビー、サッカー、CW.ニコルさん・・・・まあ、そんなところだと思います。ウェールズは四国と同じくらいの面積で、四国と同じくらいの人口の小さな国で、グレートブリテン島の西部に位置しています。

日本からウェールズに行く人は少ないですが、ウェールズはイギリスの国内では人気がある観光地で、豊かな自然と歴史遺産が多くあるのです。特にお城に関しては、四国くらいの面積の中に、数百ものお城が残されているんですよ

 

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そんなたくさん。それはすごいですね。 ということは・・・

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 ※ウェールズの場所は、イギリス西部にあります

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中世ウェールズ歴史の流れ

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ということは、中世のウェールズには日本の戦国時代のように、戦いが多くあったのでしょうか?

 

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現在、ウェールズに残されているお城の多くは、ウェールズ人が建てたというより、イングランド人が建てたものなんだ。なぜか? というのはウェールズの歴史背景を知ると良く分かってくるよ。

 

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しりたいですね~

 

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日本の戦国時代は歴史ファンにとって、とても興味深い時代だな。ウェールズの歴史も、勢力争いによる内乱が何世紀にも及んで起きた時期もあり、とても興味深いんだ。それだけでなく、中世の日本にはない勢力争いがあるんだよ。

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中世の日本にないというと・・・ローマ法王みたいに教会が力を持つとか、外国との戦いが頻発するとか。

 

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そうなんだよ。ウェールズでは外国からの侵略攻撃に絶えず苦しんでいたんだ。ウェールズ内での内乱と、侵略に対する防御戦争が頻発していたんだ。

 

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とても複雑ですね。

 

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では、まず簡単に中世ウェールズの歴史の流れについて、お話しよう。

とても端的に表現すると、紀元前数世紀頃からブリトン人と呼ばれるケルト系民族がグレートブリテン島に住むようになり、北部(現在のスコットランド北部)を除いて、ブリタニアと呼ばれていたんだ。1世紀になるとローマ帝国が侵略してきて、1世紀5世紀まではローマ帝国支配下にあったんだ。

ローマ帝国が東西に分裂し弱体化すると、5世紀初めにグレートブリテン島から撤退せざるを得なくなるんだ。しばらくローマの影響は残るものの、ブリトン人が自らの手でブリタニアを統治していたんだ。この時期に、現在のウェールズの原形となる王室ができたんだ。

ところが、5世紀~8世紀にかけてジュート人やアングル人、サクソン人といったゲルマン系のアングロ・サクソン族に侵略され、領土を広げられるんだ。この部分がイングランドになるんだよ。ブリトン人は、西と北に押しやられ、西はウェールズ、北はスコットランドになるんだ。

更にヴァイキングの攻撃を受けたりもするんだけど、11世紀になるとフランスからやって来たノルマン人がイングランドを征服し、ウェールズにも攻撃を仕掛けてくるんだ。数世紀に及ぶ戦乱の末、13世紀末にウェールズはノルマン人のイングランドに征服されてしまうんだよ。

外国からの侵略の歴史で流れをまとめてみたけど、外国侵略にプラスして、内乱も頻発に起こっていたんだ。 

中世ウェールズの歴史の時代区分(オリジナル)

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分かりやすいように呼び名をつけて時代を区分してみたよ。

①ローマ時代(1世紀~4世紀前半)

ローマ帝国に侵略され、ブリタニアローマ帝国の属国として支配されていた時代(43年~410年頃)。ローマ帝国からはブリタニア司令官が派遣され、北からのピクト族、西からのスコット族やヴァイキングなどの侵略を防いでいた。スコットランドに建てられたハドリアヌスの城壁など、ローマ遺産が現在も残る。

②ブリタニア時代(4世紀前半~7世紀後半)

410年に西ローマ皇帝ホノリウスの時、ローマ帝国軍がブリタニアから撤退。ブリタニア自治権が戻った時代(410年~664年または684年頃)。この頃、現在のウェールズの原形となるグウィネズ国がキネダ大王によって建国され、子孫のマエルグゥイン、角ワロンなどが勢力を伸ばしていった。ブリタニアからローマ帝国の後ろ盾がなくなると、外国からの攻撃が激しくなりゲルマン系のアングロ・サクソン族(ジュート人、アングロ人、サクソン人)が侵略して勢力を拡大した。

③戦乱時代(7世紀後半~9世紀前半)

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ブリタニア時代から戦乱時代の初め頃までの、ブリテン島の勢力範囲の変化。アングロ・サクソン勢力(緑色)の拡大の様子が良く分かる。

 

ブリテン島アングロ・サクソンが支配力を伸ばし最大勢力となる。現在のイングランドウェールズスコットランドの概略の国境が形成された時期である。ウェールズアングロ・サクソンの侵略から守る戦争を強いられだけでなく、後継争いの内乱や病気が流行り、国が荒廃した。

④統一時代(9世紀前半~10世紀中盤)

それまでのウェールズはいくつかの小国に分かれ、それぞれの小国の統治者が自治をしていた。この時期に、強力な指導力を持った統治者たちが出現し(ロドリ大王、ハウェル良王)、イングランドヴァイキングからの攻撃を防ぎながら、ウェールズのほぼ全域を統一した時代。

⑤南北朝時代(10世紀中盤~11世紀後半)

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※当時のウェールズアベルファラウ家はグ北部のウィネズ(Gwynedd)、ディネヴァウル家は南部のデハイバース(Deheubarth)を拠点としていた。

 

ウェールズ王室が、主に北と南の2つに分かれて、それぞれの王室を形成した(北:アベルファラウ家、南:ディネヴァウル家)。ウェールズの主導権は、この両家の間を、目まぐるしく映った時代。11世紀後半になると、イングランドがノルマン人に征服され、次第にウェールズにもノルマン人の侵略が始まり、ウェールズの主導権は1つの家(アベルファラウ家)に集約されていった。

⑥プリンス・オブ・ウェールズ時代(11世紀後半~13世紀後半)

ノルマン人のイングランドによる攻撃が強まり、ウェールズの広範囲にわたる領土は侵略を受けたが、再び指導力の強い統治者(オウァイン大王、ラウェリン大王など)たちが出現し、ウェールズの統一化を図った。しかし、執拗なノルマン人の侵略によりウェールズは弱体化していった。この時期に、プリンス・オブ・ウェールズのタイトルが始まった。(11世紀後半~1282年)

⑦ノルマン時代(13世紀後半~)

1282年に、統治力を持った最後のプリンス・オブ・ウェールズ(ラウェリン・ザ・ラスト王)がノルマン人のイングランド敗れ、征服された。ウェールズの自治が終焉した時代。14世紀初に自称プリンス・オブ・ウェールズを名乗る英雄(オウァイン・グリンドゥール)が出現しイングランドに反旗を上げるも鎮圧された。

おまけ:1485年、ウェールズ王族の血を引くテューダー・ヘンの直系子孫である、ヘンリー・テューダーがリチャード3世を倒し、イングランド王ヘンリー7世になった。息子ヘンリー8世イングランド王であった1536年に合同法により、ウェールズイングランドに統合された。

※この区分は、たなかあきら独自に行ったものです

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ひょー、中世のウェールズは外敵や内乱で、ずっと戦乱の時代だったのですね。初めに戻って、ウェールズに残っているお城の多くは、イングランド人が建てたというのは、ウェールズイングランドに侵略された歴史的な背景があるからなんですね。

 

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そうだな。はじめはローマ時代や、ウェールズ内乱の要塞として建てられた城が、12〜13世紀末にかけてノルマン人のイングランドに占領されて建て直されたものが多いんだ。

ノルマンがウェールズを征服したり、監視したりする目的に変わったんだ。ノルマン人とウェールズの戦いの中で、再びウェールズが取り戻すお城もあったりなど、要塞としてのお城は戦いの最前線でも使われたんだ。

数あるウェールズのお城は、外敵との戦いを深く物語っていると思うよ。

次回から、それぞれの時代を詳しく話して行きますね。

 

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最後まで読んでくださり有難うございました。 

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