イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。歴史深いウェールズに触れて下されば嬉しいです

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魂の戦略 ~新たたかうカムリ戦士 第3話~

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こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
創作ウェールズの歴史ストーリー、新たたかうカムリ戦士は毎週月曜日に公開しております。先週の内容は、エイニオンがモーガン王を攻略しようと大軍で攻めますが、なかなか攻め落とせず、帰ってきたという場面でした。弟のマレドが演奏するハープが影響したかもしれません。

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※前作の「たたかうカムリ戦士」記事一覧

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引くか攻めるか 

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ウェールズ西部、デハイバース国。

 

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「エイニオン、遅かったじゃないか。それで、うまくモーガンウィグを侵略できたのか」

 

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「そ、それが・・・申し訳ありません、親父。やはり、モーガン王の抵抗が激しくて、一進一退になってしまいまして。これ以上こう着状態が続いても、我々も食も尽きて不利になると思い、一旦引き上げることにしたのです」

 

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「また、モーガン王たちを攻めきれなかったのか。後退しないというウェールズ戦士の姿勢が信条のお前らしくもない」

 

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「面目ない限りです。兵力を増やすという戦い方ではなく、戦略を変える必要があります」

 

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「エイニオン、お前に考えはあるのか?」

 


「モルガン王を攻めるのはもうやめましょう。戦わない戦略に変えましょうよ」

 


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「何、エイニオン、お前本気で言っているのか?」

 

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「エイニオン兄上、僕たちの周りにはハイエナの様にウェールズを狙っている敵がたくさんいますよ」

 

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「なんだ、マリドお前の意見か」

 

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「ヴァイキングとか、イングランドとか強敵が一杯いるでしょう。内戦をしている隙に、狙ってきますよ。だから、ウェールズ内で戦っている場合じゃないと思うんですよ」

 

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「マリド、意気地なしは黙ってろ」

 

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「うむむむ、マレドが言うことは一理あるな。確かにそうかも知れぬが、いずれにしてもウェールズが一体化せねばならぬことは間違いない」
「お前たちは、ウェールズの歴史を知っているのか。ウェールズの長い歴史を振り返ってみろ。互いに手を取り合ってウェールズが一体化したことは、これまでにあっただろうか? そうじゃないだろう。マレドの戦略はウェールズでは役に立たんよ」

 

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「父上、じゃ、どうすればいいのですか」

 

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ウェールズが一体化できたのは、強い王が出現して戦いに勝ち抜き、他国を征服したときだけだ。今こそ、デハイバースが立ち上がり、我らが強い王になるべきなのだ」

 

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「いよっ、オウァイン大王!」
「実はオレに、モーガンウィグを攻略する良い戦略が思い浮かんだんですよ」


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「ほう。エイニオン、それはどんな戦略だ?」

 

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「名付けて、ウェールズ魂戦略。きっと、モーガンウィグを打破し、モーガン王を同じの前でひれ伏させますよ」

 

ウェールズ魂の戦略 

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ウェールズ南部の国、モーガン王が治めるモーガンウィグ。

 

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モーガン王、これまでの度々の侵略攻撃、もう終わりにしたいと思います。これまでの事は、ウェールズ人らしく水に流して、これからはウェールズの事を考えませんか」

 

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「それは、どういうことじゃ」

 

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「最近の頻繁なヴァイキングの侵略、目に余るものがあります。モーガン王、モーガンウィグも我々と同じようにヴァイキングからの攻撃に苦しんでますな」

 

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「そうじゃ」

 

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ウェールズ各国に攻めてくるヴァイキング、頻度が増えてさすがに手に負えなくなってきている。まではそれぞれの国だけで戦ってきたが、我々同じウェールズの人間はお互い協力しあって、国を守らねばら何と思うのです。手を取り合ってヴァイキングと戦っていかねばならないと思うのです」

 

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「いかにも、そうじゃ」

 

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「我がデハイバース軍とモーガンウィグ軍が手を組んで、ともに戦っていくのはいかがでしょうか」

 

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「ううむ、いかのもそうじゃが」

 

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「そこで、まずは我がデハイバース軍を援軍として提供し、モーガンウィグに攻めてくるヴァイキングを追い出すご協力をさせて頂こうと思うのですが」

 

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「ふむ、ふむ、そうじゃ、そうじゃのう」

 

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「いかがでしょうか、モーガン王」

 

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「いかにもそうじゃ、エイニオン殿。とても有難いご提案じゃ。このモーガン王、エイニオン殿ならびにオウァイン王に感謝の意を示したい。エイニオン殿の言う通りじゃ。これからは、ウェールズの各国が協力して、外敵と戦っていかねばならぬ。ヴァイキングも年々強力になっており、もはや手を組む以外に手段はないじゃろう」

 

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モーガン王、ありがとうございます。それでは、選りすぐりのデハイバース軍をモーガンウィグ軍と合流させますので、海岸に押し寄せてくるヴァイキングをまず追っ払いましょう」

 

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「これは心強い。モーガンウィグ軍も精鋭たちを集めますぞ!」 

 

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エイニオン率いるデハイバース軍はモーガンウィグ軍と合流し、ヴァイキングが攻撃を続けている海岸沿いの町に向かった。

 

<報告します! 敵のヴァイキングは、侵略場所を変えてゴーワーの町に向かったそうです>

 

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「何、ゴーワーだと。それは都合がよい、よし分かった。皆の者、よく聞いてくれ。敵のヴァイキングは攻める場所を変え、ここからモーガン王のいるゴーワー城に向かった。我々も急きょ進路を変えて、ゴーワー城に急行し、モーガン王を助けるぞ!」

 

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「ヴァイキングはゴーワー城に侵入したらしい。様子を見て、奇襲攻撃を仕掛けるぞ!よし、全軍突撃開始だ! 城門をぶち破り突入だ!」
モーガン王を探して助けるぞ! 行け~!!っ」

 

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「何、何事がおきたんじゃ。城が取り囲まれている? ヴァイキングの襲来か!」

 

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「はっ、父上。わが軍とデハイバース軍の旗が見えます。足早に我々を助けに来てくれたのでしょうか」

 

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「城門がぶち破られ、城に押し入った? 我が軍とデハイバース軍は何をやっておるのじゃ。何が起きているんじゃ・・・

 

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「なんだ、マレド。お前は戦場に行かなかったのか?」

 

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「もう僕は、人が殺しあう戦場行きは、ブルブルブル、ごめんです。行きたくないです」

 

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「エイニオンだけに行かせておいて、マレド、お前というやつは。この前、戦い勢力を広げウェールズを統一する重要性をしっかりと説明しただろう。あれほど念を押したのに、お前は理解していないのか」

 

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「いいえ、理解はしていますけど・・・やっぱり僕は、戦いはむり・・・」

 

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「あ~なぜみんな戦うのが好きなんだろう。こうやって、音楽を演奏し、音楽を聴いている方がずっと心が安らぐのに」
「戦いはまた次の戦いを呼び起こしてしまう。戦いで得た安心は、直ぐに不安に変わり消えてしまうけど、この安らぎは消えることなく人々に広がっていくのに」

 

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「むむむ、お前の演奏を聴くと、不覚ながら心が洗われ戦いが悪い事のように思えてくる。エイニオンを戦場に送ったことは良かったのだろうか?」

次回に続く。

 

 

※前作たたかうカムリ戦士ストーリー一覧 

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