イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

ウェールズ語ではウェールズの事をカムリ(仲間)と言います。ウェールズの歴史と、ウェールズとの関わりが深いアーサー王についてのページです

MENU

新たな争いの幕開けをちょっと壊した愛国心 ~中世に舞い降りたカムリ戦士たち第4話~

f:id:t-akr125:20161216015519p:plain

こんにちは。ウェールズ歴史研究家のたなかあきらです。
またまた、アイコンが変わりました。
またまた、とても有難いことにもっちさんが描いてくださりました。
とっても美男に描いてくださり、ありがたいです。(実物との差が・・・(笑))

 

4コママンガ カテゴリーの記事一覧 - のんびり君

 

このブログでは中世を中心としたウェールズ歴史、特に戦乱期に焦点を当ててお話ししております。今は、ウェールズの王室が分裂していく10世紀の争乱をシリーズ化してご紹介しております。<中世に舞い降りたカムリ戦士たち~シリーズ~>

 

果たしてウェールズの乱世は終息を迎えて平和がもどってくるのでしょうか?

 ※この話の概略の流れは歴史に沿っていますが、登場人物像などは僕の想像がかなり入っているフィクションです。

 

 

<登場人物>

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
ウェールズの歴史にやたらと詳しいワタル。寡黙であるが歴史になると話が止まらなくなる。

 

f:id:t-akr125:20161210161812p:plain
歴史に詳しくないアサオ。心は優しいが、かなり小心者。

 

f:id:t-akr125:20161210161946p:plain
語り手のジェイムス。親切で気の良いお兄さん。

 

前回までのあらすじ:中世に舞い降りたカムリ戦士たち1~3話

 

f:id:t-akr125:20161211142909p:plain

10世紀中ごろのウェールズは三国に分かれて戦いを続けましたが、ヒウェルという王が現れてようやく統一国家となりました。しかし子らが対立して再び戦乱となり、子から孫へ、孫からひ孫へと争いは続けられました。前回登場した北部のイアゴ、南部のオウァインも互いに対立しましたが、和解をしてお互いの争いは避けることができました。
ところがオウァインは兄弟との不仲が表面化し、オウァインはウェールズ南部に侵略を始め、新たな争いが勃発しました。

 

f:id:t-akr125:20161212203302j:plain

前回の第三話:

ウェールズ三国時代の壊れた和平 ~中世に舞い降りたカムリ戦士たち~ - イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

 

新たな争いの幕開け

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

ウェールズの2勢力の領土争いに一段落ついたと思ったら、北部のウェールズは兄弟ケンカを始めちゃったんですね。

 

f:id:t-akr125:20161211154157p:plain

兄貴、領土くれないと反乱起こしちゃうよ〜

 

f:id:t-akr125:20161211154051p:plain

うるさい!こいつをろうにぶち込んでおけ!

 

f:id:t-akr125:20161211154157p:plain
兄貴、それはないよ〜みておれ、復讐しちゃうよ

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

こうしてイアゴはイエウヴを投獄し兄弟争いを封じ込めて、見かけ上はグウィネズを平定しました。

一方、南西部のウェールズは侵略に走ったんだ。オウァインと息子のエイニオンは領土拡大を狙い、ウェールズ南西部のモーガンウィグを執拗に攻めたんだ。

f:id:t-akr125:20161216005901j:plain

※地図中の橙色のGlywysingとGwentを足した部分がモーガンウィグ

 

f:id:t-akr125:20161211155606p:plain
親父、モーガンウィグの奴らなかなか手強いですね。

 

f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
ううむ、モーガンウィグのモーガン王を倒すには一筋縄ではいかんな。もっと軍勢を国から集めよう。

 

動き出したウェールズの外敵たち

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
この頃、ウェールズの取り巻く環境では常に大きな力が不穏な動きをしており、ウェールズもいつ侵略されてもおかしくない状況だったんだ。

 

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

当時のウェールズを取り巻くイギリス内の勢力を見てみよう。イギリス西部の狭い範囲がウェールズウェールズにぴったりと隣接した広大な範囲がイングランドだ。

イングランドは9世紀からデンマークからやって来るヴァイキングのデーン人の侵略にあっていたんだ。デーン人はイングランドの広い範囲を手中に収めデーン・ローを作り、イングランド王の座も狙い始めていたんだ。

f:id:t-akr125:20161216013433j:plain

※黄色の部分がヴァイキングが侵略した領土。緑色がイングランドで、西方の青い部分がウェールズ。 

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

更に続けるぞ。アイルランドを占領して拠点にしたヴァイキングもいて、そのヴァイキング達もイングランドウェールズに攻撃を仕掛けていたんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain

ひゃー、海からも陸からも、ウェールズはぐるりと敵に囲まれていて大変だったんですね。

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain
こんなに敵が多いのに、内乱に力を入れている場合じゃないんだよ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
ここに住んでると、いつ国を取られてしまうのか、不安でしょうがないです、、、、、、

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

ウェールズが内乱で隙だらけだぞ。今のうちに攻めてぶんどってやろうか!と思うわな。

 

 

f:id:t-akr125:20161211142909p:plain

966年、デーン・ローのヴァイキングとアイルランドに住むヴァイキングが手を組んでウェールズを侵略しようと攻め込んできました。 

 

f:id:t-akr125:20161211155606p:plain
親父、我が国デハイバースにヴァイキングが攻めて来たようです。

 

f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
まずいな、モーガンウィグを攻めるのは中断して、直ぐにデハイバースに戻るぞ。

 

f:id:t-akr125:20161211155606p:plain
分かりました。私は先に戻ってヴァイキングを食い止めておきます。


f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
デーン・ローに攻められては我々は苦しいな。ん〜やはりこの手を使うしかないか。

 

手を組み立ち上がったウェールズの戦士たち

 

f:id:t-akr125:20161101024307j:plain

 

f:id:t-akr125:20161211142909p:plain

オウァインはかつて争い合い、今は休戦状態にあるイアゴの元へと向かいました。

 

 

f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
イアゴ殿、デハイバースはヴァイキングに襲撃されています。我々のウェールズを守るために、援軍を出し協力してヴァイキングと戦ってもらえないだろうか?

 

 

f:id:t-akr125:20161211154051p:plain
ううむ。我々の国ウェールズは我々で守らねばならない。過去に争ったとはいえ、先祖を同じくする同族が困ったとなれば黙っている訳にはいかない。オウァイン殿、援軍を出すので協力してウェールズをヴァイキングから守りましょう。

 

f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
Diolch!ありがとう。同族にイアゴ殿がいることを誇りに思うよ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
ウェールズは団結したんですね。よかった~

 

f:id:t-akr125:20161210161513p:plain

こうしてカムリ戦士たちは強国イングランドさえも脅かしているヴァイキングを打ち破り、ウェールズを守ったんだ。

 

f:id:t-akr125:20161213223417p:plain
ウェールズが大丈夫で、ほっとしました。

 

f:id:t-akr125:20161211142909p:plain

しかし、現代の我々とは同じように、時によって人々の欲によって、この力も歩調が合わなくなることも出てくるのです。

 

f:id:t-akr125:20161211155606p:plain
ヴァイキングからウェールズを守ろう!と言うスローガンは使えるなあ。またモルガンウィグを攻めましょうよ。

 

f:id:t-akr125:20161211154412p:plain
モルガン王もウェールズ人だぞ。


f:id:t-akr125:20161211155606p:plain
モルガンウィグにいるヴァイキングをやっつける名目で兵を集めて、もう一度モルガンウィグに攻め込んでモルガン王の領土を奪ってやりましょうよ。

 

f:id:t-akr125:20161204125616p:plain

さあ、このオウァインとエイニオンのウェールズ南西部への再侵略は吉と出るか、凶と出るか、いずれでしょうか。
この続きはまた次回。

 

まとめ:たなかあきらコメント

 

f:id:t-akr125:20161216015519p:plain

ウェールズの危機となると愛国心が燃え上がり、内乱で争いあっていても、お互い団結して迫り来る敵に果敢に立ち向かっていくのが、中世ウェールズに生きたカムリ戦士たちの精神でした。

一つの目的の為に一致団結した人々からは凄い力が生まれる。ウェールズは幾度となくこの力によって、小国を大敵から守ってきました。
しかし、これも一時的で継続的には続かなかったのです。

<関連の記事>

第一話:3国で争ったウェールズの内乱は吉か凶か? - イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

第二話:イングランドを利用してウェールズの3国争いを終わらせた王の話 - イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

第三話:

ウェールズ三国時代の壊れた和平 ~中世に舞い降りたカムリ戦士たち~ - イギリス・ウェールズの歴史ーカムログ

 

www.rekishiwales.com

 

 

最後まで読んでくださり有難うございました。

取材、記事のご依頼、お問い合わせはこちらまで t.akr125@gmail.com